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医学よもやま話

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経皮冠動脈形成術後の再発と合併症のリスク

循環器科

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バルーン、金属製ステント、及び薬剤溶出ステント

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credit: バルーン拡張型ステント、北海道大学

 

治療後の冠動脈の再狭窄

経皮冠動脈形成術による治療後、冠動脈の狭窄が再発することがある。原因として2つ考えられる。1番目の原因は冠動脈の構造変化と弾性収縮力で血管外皮が収縮して血管が縮む。2番目の原因はバルーン、ステント、又はアテローム除去器具により血管に傷ができる。傷の修復のため平滑筋細胞が増殖し、狭窄が再発する。

 

バルーン使用による再狭窄

ステントを使用しないで(バルーンを使用して)経皮冠動脈形成術を受けると、治療後6ヶ月以内に10から50%の患者で狭窄が再発する。血管の狭窄部が長かったり、血管が細かったり、糖尿病又は多枝冠動脈症にかかっていると再発リスクが高くなる。

 

ステント血管形成

バルーン又はアテローム切除部材を使用すると同程度の割合で再狭窄が起こる。ステントを使用することにより血管内が補強されるため血管の構造変化や弾性収縮力による狭まりがなくなり再狭窄が低減する。無作為試験結果によれば、バルーン血管形成術では狭窄再発率が30から40%であるが、ステントを使用すれば20から30%に低減。

金属ステントによる再狭窄

金属ステントの使用により、狭窄の再発は低減する。しかし、血管壁に留置したステント構造体が血管壁を傷つけ、血管内膜の平滑筋細胞が増殖する。金属ステントを使用すれば、物理的狭窄はなくなるが、細胞増殖要因による狭窄は逆に増加する。

ステントにより平滑筋細胞の分裂とマトリックスが形成され、冠動脈の再狭窄が起こる。

 

薬剤溶出ステント

細胞分裂抑制剤を染み込ませたポリマー製のステントが開発されており、これを使用すれば、再狭窄抑制に効果的である。しかし、薬物溶出式のステントを使用した場合、治療から1年以上経過すると、血栓ができるリスクが高くなる。患者は血栓防止薬としてアスピリンとチエノピリジンの服用が必要になる。