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めまいの原因を特定する ― めまいとバーティゴ

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何ら病気にかかっていない場合から重症な疾患の症状の場合まである

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めまいはそれ自体が病気ではなく、体に異常によるものと、よらないものがある。原因の特定、治療の必要性、及び治療法は症状が現れる状況により異なる。

 

食べ過ぎによるめまい

ある患者の場合、いつも以上に食べすぎた結果、吐き気とめまいに襲われた。気を失う感じがしたので、症状が治まるまで約10分位横になった。その後、めまいが治まった。

翌朝、その患者は症状をネットで調べたところ。食後に現れるめまいであることがわかった。この症状を食後低血圧症をよぶ。大量の血液が消化器官に流れるため、血圧が急激に低下する。脳に十分な血液が供給されないために起こる。食後低血圧症は糖尿病、高血圧、又はパーキンソン病患者に多く見られる。更に、血圧が正常に維持できない高齢者にも見られる。

 

めまいは重大な病気の症状でもある

めまいは多くの病気にも関係しているため、原因の特定は困難。めまいを訴える多くの患者からは重大な病気は見つからない。しかし、めまいは脳卒中、一過性脳虚血発作、多発性硬化症、及び脳腫瘍の症状としても現れるので注意が必要である。

 

めまいの自覚

めまいは救急病院に搬送されている患者が訴える症状で上位にランクされている。また、成人の10%は過去一年間でめまいを経験しており、医師の診察を受けている。

 

めまいの症状

めまいを訴える患者には次の症状の3つ以上のが現れる。

  • 回転やバーティゴの感覚、患者自身又は周囲が回転している感覚。
  • 浮遊や傾いている感覚。
  • 朦朧としているが、動いている感覚はない。
  • 気を失う感覚。
  • 頭を動かすと目が霞む。
  • 不安定な感覚。

 

めまいを引き起こしている病気の特定

医師は患者の不明確な説明から、めまいの原因が重大な病気によるものかどうかを判断しなければならない。

 

人が感じる「めまい」

人は朦朧とした感じや、不安定な感じ、船酔い、平衡失調、浮遊や傾斜した感覚をめまいという言葉で表現する。

 

医師によるめまいについての問診

患者は医師に自己の症状を明確に説明することは困難である。医師は患者に問診を行い症状が起こるタイミング(時々又は常時)、誘発原因(姿勢、食べ物)、持続時間、症状の変化(悪化、変化なし、改善)を尋ねて、めまいの原因を特定する必要がる。

更に、歩行、起立、又は頭の移動による、症状の悪化の有無、吐き気の有無、突然性、めまいの強さを尋ねる必要がある。

 

姿勢の変化によるめまい

めまいの主要な2つの原因は姿勢の変化によるものである。1番目は起立性低血圧と呼ばれる疾患。患者が急に立上ったり、寝床から出ると、脳への血流が減少して、めまいが起こる。

2番目は、良性発作性頭位バーティゴと呼ばれる疾病。頭の位置を変化させると生じる。患者は周囲が回転しているように感じたり、部屋の中の物がリズミカルに上下しているように感じる。

 

バーティゴ

バーティゴ(回転性めまい)は、めまいの一種で平衡感覚を制御する内耳前庭器官への不均一な信号入力により生じる動作性幻覚。

バーティゴはめまいで最も行動障害を引き起こす原因の一つ。内耳のカルシウム小片が平衡感覚器官から外れ、半規管に閉じ込められるときに起こる。頭を動かすと、小片が移動し神経を刺激して、目が痙攣し、めまいを引き起こす。小片が停止すると、目の痙攣は収まり、めまいはなくなる。

良性発作性頭位バーティゴは頭部の強打や加齢により起こる。80歳を超えると5人に1人はこの病にかかる。この病は片頭痛のある若者でも発症する。

バーティゴは数週間、数カ月、又は数年続くことがある重大な疾患である。患者は転倒することが多くなり、労働、運転、歩行が困難になる。

良性発作性頭位バーティゴはエプリー法により治療可能である。この治療法では頭を移動させてカルシウム小片を元の位置に戻すことが出来る。訓練を受ければ、患者自身で行うことも可能。

 

参考資料:”Getting Specific About Dizziness” by Jane E. Brody, New York Times 2017-2-6