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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

薬剤性食道炎と焼灼性傷害

耳鼻咽喉科

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ボタン電池の誤飲は早期に治療を受けないと食道癌のリスクがある

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薬剤性食道炎は薬剤により食道に炎症が起こる疾患。

苛性酸溶液(アスコルビン酸及び硫酸鉄)、苛性アルカリ液(アレンドロン酸ナトリウム、ボタン電池)、高モル濃度溶液(塩化カリウム)が食道粘膜に触れるか、食道粘膜に薬物毒性(テトラサイクリン)が生じると、食道に炎症が起こる。

食道炎は多くの場合、薬剤が長時間、食道に付着することにより生じる。疾患の素因として身体的遮断物(狭窄、大動脈弓の形質異常による食道圧迫、又は薬剤服用時の水の量の不足又は体の姿勢の悪さ(服用後すぐに横になること)が考えられる。

薬剤性食道炎を引き起こし易い薬剤としてテトラサイクリン、非ステロイド抗炎症薬、ビスホスホネート、硫酸鉄、キニジン、及び塩化カリウムがある。

薬剤性食道炎を発症すると急激で重度の嚥下痛が現れる。

 

薬剤性食道炎が疑われるときは、放射線検査又は内視鏡検査を受ける。罹患していると、潰瘍やびまん性食道炎が認められる。

薬剤性食道炎は対処療法として、傷害が治るまで薬剤の服用及び酸性の飲食物の摂取を控える。

薬剤性食道炎を防止するには、薬剤服用後にすぐに横にならないようにし、薬剤は十分な量の水とともに服用する。

薬剤性食道炎から合併症として狭窄や瘻孔が生じることがある。

焼灼性傷害

焼灼性傷害は高濃度の酸性又はアルカリ性溶液により食道に傷害が起こる疾患。

高濃度のアルカリ溶液の例としては水酸化ナトリウムが、高濃度酸性溶液の例としては硫酸があげられる。これらの物質が含まれている製品として排水クリーナ、業務用強力クリーナがある。この他の腐食性物質としては縮毛矯正剤、レンジ・クリーナ、トイレ・クリーナ、及びボタン電池がある。これらの物質を誤飲した場合は直ちに内視鏡検査を受け傷害の程度を調べ、長期の予後を予測する。ステロイドや抗生薬の効果は認められていない。患者は慢性的な食道狭窄を長く患うことになり、食道の拡張や食道再建術が必要になる。症状が重い場合は、食道癌のリスクが高まる。