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医学よもやま話

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虫垂の役割 ― アメリカジューク大学の研究

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虫垂は善玉菌を保護する

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Credit:  Duke University Medical Center

 

一般人にとって、虫垂と言えば、炎症を起こし切除した経験しかないはずである。手術により、手術痕が残る。しかし、虫垂とは何かについては、話題に上ることは少ない。

 

虫垂とは

虫垂は大腸につながっている、チューブ状の袋である。虫垂は人間とコアラや猿など少数の哺乳類にしか備わっていない。長い間、虫垂は進化の過程の遺物であると考えられてきた。

チャールス・ダーウインなど多くの科学者は、虫垂は大腸から突起した小さな袋で、人類が昔、木の皮を消化するための器官の痕跡だと考えてきた。人間は通常木の皮を食べることはないので、虫垂は何の機能も持たないと考えられてきた。しかし、ジューク大学医療センターの研究チームにより虫垂の機能の一端が分かってきた。

虫垂の驚きの機能

研究チームによると、虫垂は無用な器官ではなく、消化器官に住み着いている有益な細菌(善玉菌)を保護している可能性があるという。人間の消化器官には食べ物を消化するために必要な細菌で満たされいるが、コレラや赤痢のような病気にかかると、腸内の善玉菌は死滅してしまう。このようなとき、虫垂は善玉菌を保護する。免疫系が病原菌を駆除した後、虫垂内の善玉菌が腸内で再びコロニーを形成する。

しかし虫垂は上述のように人体に害を及ぼす可能性がある。虫垂炎は緊急を要する重大な虫垂の病気であり、虫垂が炎症を起こし破裂により死に至る場合がある。米国疾病予防管理センターの研究によれば、毎年、虫垂炎で300から400名の死者が出ている。

虫垂にはこのように有用な機能があるが、虫垂炎にかかった場合は、ただちに切除する必要がある。虫垂を切除しても人体には影響がないが、放置しておくと炎症を起こし、命にかかわることがある。

 

参考資料:"Appendix Isn't Useless At All: It's A Safe House For Good Bacteria", Duke University Medical Center, SienceDaily