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医学よもやま話

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多くの成人が喘息と誤診されている

呼吸器科

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喘息と誤診された患者の多くは、命に関わる疾患が見逃されている

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credit:  Asthma, WebMD

 

喘息の誤診についての研究

カナダの研究チームが2012年から2016年にかけて行った喘息患者に対する研究によると、喘息と診断された成人で3人に1人が慢性肺疾患でないと結論づけている。

 

検査方法

過去5年で喘息と診断された613名の成人について肺機能検査を行った。参加者が喘息薬を服用していた場合、彼らの肺の機能を調べるために、クリニックに4回通院している間に薬の量を減らしていった。

 

検査結果

検査の参加者の203名が喘息でないことが判明した。実に33%である。1年間の、経過観察の後、喘息と診断された患者の181名の肺機能検査で異常が見つからなかった。研究成果がJAMA(Journal of the American Medical Association)誌に掲載された。

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研究責任者の見解

「患者は完全に喘息薬から解放され、薬を服用しなくとも1年間、喘息は起こらなかった」と研究チームの責任者であるオタワ大学のショーン・アーロン医師は言う。

「彼らは最初から明確に誤診されており、喘息以外の症状があった。ある患者は喘息であったが、小康状態を保っていた」とアーロン医師は付け加えている。

 

喘息の診断の難しさ

喘息患者が全て同じ誘因や症状があるわけではない。すべてが、呼吸困難、胸痛、咳、喘ぎなどの症状を示すわけではないので、喘息の診断は簡単ではない。更に、喘息患者の多くは小康状態と再発を繰り返す。

 

実際の検査方法

研究グループは患者に自宅で喘息の症状を記録させた。更に、肺から排出されるの空気の速度を調べるために最高呼気流量検査をも行わせた。

患者に対して、気管支収縮誘発試験も行い、気管支を収縮させる薬を吸引させ、気道がどのように反応するかを調べるために喘息を引き起こす状況を作り出した。

この他、どのくらいの量の空気が吸い込め、どのくらいの量をどのくらいの速さで排出できるかを調べるために、肺活量測定検査も行われた。

 

経過観察

喘息ではないと判定された患者には繰り返し気管支収縮誘発検査が1年間継続して、経過観察が行われた。

 

研究の成果

研究の結果、喘息と誤診された患者の中の12名、参加者の2%は喘息以外の重大な疾患を抱えていた。重大な疾患として、心臓病や肺性高血圧が見つかり、他の患者では慢性閉塞性肺疾患、逆流性食道炎、心因性過呼吸が認められた。

喘息と誤診された患者は診断時に気流制限試験を受けていなかった。

 

研究に参加した患者のその後

喘息でないと認められた患者の90%が喘息薬の服用を徐々に減らしてゆき、1年間で完全に服用を安全に停止した。

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追跡調査の必要性

本研究では、研究チームは患者を15ヶ月間追跡調査した。患者によっては現在症状がなくとも将来再発する可能性もある。

 

誤診の危険性について

研究チームに参加しているボストン大学のヘレン・ホリングスワース医師は「喘息の誤診による最も危険なリスクは見逃されている疾患が治療されていないことだ」と言っている。

彼女は「喘息が小康状態であることに気付かない患者は不要な薬を服用することになりる。薬は程度の差こそあれ、人体に有害であることを理解すべきだ」と付け加えている。

 

参考資料:"Reevaluation of Diagnosis in Adults With Physician-Diagnosed Asthma", JAMA, 2017-1-17