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医学よもやま話

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老人のための不眠症対策

老人医療 健康

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老人は睡眠時間が短い

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不眠症の原因は様々である。人は歳をとると不眠症の症状が深刻になり、生活の質を低下させ、身体疾患や認知障害を含む精神疾患を引き起こす。

 

ほとんどの人は一時的な不眠症を経験している。しかし、不眠症では眠りにつきにくく、眠り続けたり、早く目が覚めてしまう。これが病的に毎夜繰り返される。

 

アメリカで、1995年に行われた65歳以上の老人9、000名で行われた調査から、老人の28%が眠りにつきにくい障害があり、42%が眠りにつきにくく、また眠りからさめにくい障害があることが判明している。これらの数値はは現在は更に増加していると言われている。老人の多くが寝床につく前にスマートフォンなどを操作して、バイオリズムを狂わしている。

 

不眠症は治療可能な症状であるが、長引いた場合は深刻な問題が起こる。

 

慢性の不眠症は、昼間に激しい睡魔に襲われるだけでなく、思考や認知機能の低下、運動機能が衰える。怪我をするリスクも高くなる。不眠症はうつ病との関連が指摘されている。また、不眠症を放置しておくと、転倒や骨折のリスクが高まる。

 

不眠症には2種類ある。一方は原発性不眠症と呼ばれ、睡眠時に起こり、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、下肢静止不能症候群、周期性四肢運動異常症などが原因とされている。

 

他方の不眠症はより一般的なもので、医学的又は精神的な問題、薬剤の副作用、睡眠前のカフェイン、アルコール、又はニコチンの摂取又は昼寝などの行動要因、又は時差ぼけ、ノイズ、又は電子装置の青色の光による環境外乱によるものである。

 

不眠症の原因にかかわらず、患者が眠りにつけないと感じたり、夜中に目が覚めてから寝付けないときは、習慣になってしまう。患者は眠れないことが気になり寝床で数時間眠れない状態になる。

 

眠れないことが気になると、症状は更に悪化する。朝早く目覚めてしまったら、再度、眠ろうと思わずに、寝床から出て、時間を有効に使うことが出来る。

 

寝床につくときは、部屋の明かりを消すこと。夜中に部屋を明るくすると、生体時計をリセットしてしまう。夜中にトイレにいくときは、常夜灯を使用すれば良い。

 

患者の不眠症に医学的な原因がない場合は、正しい睡眠法を守ることにより、不眠症を解消することができる。正しい睡眠を行うために、昼寝は午後の早い時間に取り、30分以内にする、刺激のある物や鎮静剤の摂取は避ける、就寝の2から3時間前には、重い食事は取らない、飲み物は少なめにする、毎日、朝か午後の早い時間に、適度の運動をする、日光にあたるようにする、夜は明るい光を避ける、快適な睡眠環境を作る、眠くなったら寝床に就く(from "good sleep hygiene" by Peter J. Hauri, PhD.)

 

寝床について、20分たっても眠れないときは、寝床を出て、何か、眠くなることをすれば良い。例えば本や新聞を読む(電子ブックを読んでは逆効果である)。眠くなったら、寝床に戻る。

 

眠れないとき、多くの人はアルコールに頼ってしまう。なるほど、最初は眠れるかもしれないが、睡眠が浅くなってしまう。

 

老人は薬の副作用が出やすいため、睡眠薬の摂取は極力控えること。例え、弱い睡眠薬でも副作用が現れる。

 

参考資料: " Getting Older, Sleeping Less" by Jane E. Brody, New York Times 2017-1-16