医学よもやま話

医学情報をご提供します。

膵臓癌の治療と予後

advertisement

切除不能の膵臓癌患者の平均余命は1年未満である。

****

f:id:tpspi:20161221150107g:plain

Credit: Surgical knife, Feather

 

転移のない原発性膵臓腺癌は最も一般的には外科切除で治療する。手術は多くの実績のある医療機関で受ける必要がある。切除手術の成果は外科医のスキルと経験により結果は大きく異る。

 

膵頭部腫瘍閉塞性黄疸があり定期的に胆管ドレナージを行っている患者で膵臓癌の切除手術を行うと、合併症のリスクが高まる。

 

乳頭部周囲腺癌では、膵十二指腸切除が行われる。遠位胃切除(幽門側胃切除)や拡大リンパ節郭清(切除)は良好な成果が得られない。

 

腹腔動脈及び上腸管動脈周囲に明確な脂肪層が認められ、腸管静脈と門脈に浸潤がなければ、腫瘍は切除可能である。

 

切除が成功した場合は、5-フルオロウラシル及びホリニン酸又はゲムシタビンなどの薬剤を使った補助療法が行われる。

一般的に、切除手術が成功した後、補助療法を受けることにより、5年生存率は約20%に近づく。手術により症状の緩和が可能である。

 

外科的検査により腫瘍が切除できないときは、胆管又は胃バイパス手術により症状の緩和が可能である。

 

侵襲的な手術の代替として胆管及び十二指腸ステントの使用が可能である。更に、超音波内視鏡の使用又は経皮的に内臓神経切除により長期の疼痛緩和が可能になる。

 

局所的に膵臓癌が進行して切除が出来ない患者には通常化学療法と放射線療法を組み合わせて治療を行い、その後追加の化学療法を行う。最も一般的な化学療法として5-フルオロウラシルが静脈から連続投与される。代替化学療法薬として、ゲムシタビンの投与も行われている。

 

膵臓癌の切除が出来ない患者の平均余命は10から12ヶ月である。膵臓癌転移の患者には、ゲムシタビンの静脈投与により余命が伸びる。経口癌治療薬であるエルロチニブを追加投与することにより、延命が期待できる。

 

局所進行性膵臓癌及び膵臓癌の転移がある患者では、疼痛軽減及び局所合併症防止のの最適な治療が重要である。

 

胆管閉塞は外科手術又はプラスチック又は伸縮性のある金属ステント留置により治療する。膵嚢胞性腫瘍患者は外科手術による切除が必要である。

 

膵嚢胞性腫瘍の切除後の長期生存率は70%を超えている。