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膵臓癌の疫学

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膵臓癌の5年生存率は5%未満であり、ほとんどの患者は2年以内に死亡する。

 

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credit:  Ultrasonic Imaging Device, Fuji Film

 

定義

膵臓腫瘍の大部分が管上皮に出来るため通常、膵臓癌は管腺癌を意味する。

 

疫学

膵臓癌は罹患率と比較して死亡率が男性で5位、女性で4位と高く、厚生労働省の2015年のデータ等によると約34,800人が膵臓腫瘍と診断され、約31,800人が癌で死亡している。

 

日本における、膵臓癌は癌全体の疾患の5%未満である。膵臓癌の5年生存率は5%未満であり、ほとんどの患者は2年以内に死亡している。

 

膵臓癌発症のリスクとして加齢があり、平均発症年齢は70歳から80歳である。男女における膵臓癌の罹患リスクはほぼ同じ。

喫煙は膵臓癌の最大の環境リスク要因であり、非喫煙者と比較して2から6倍に罹患率が増加する。この他のリスク要因としてBMIの増加、慢性膵臓炎、動物性脂肪の過剰摂取などがある。

 

膵臓癌の罹患率は血液型により相違する。O型は他の血液型と比較して約2倍罹患率が低い。

膵臓癌患者の約80%で糖尿病又はグルコース耐性が認められるため、糖尿病は膵臓癌のリスク要因であると考えられている。

 

更に、遺伝子も膵臓癌のリスク要因である。膵臓癌患者の約10%の1親等、又は2親等の親族の1人以上が膵臓癌患者であると推定されている。

 

膵臓嚢胞は腫瘍又は非腫瘍に分類可能である。悪性の腫瘍嚢胞には膵管内乳頭粘液性腫瘍、粘液性嚢胞性腫瘍、及び充実性偽乳頭腫を含む。非悪性の腫瘍嚢胞には漿液性嚢胞腺腫とリンパ上皮性嚢胞を含む。膵管内乳頭粘液性腫瘍は主として膵臓頭部に出来る。他の嚢胞性腫瘍は若年から中年女性に多く見られ、膵臓の中央又は後部に出来る。