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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

インフルエンザ性肺炎、RSV、鳥インフルエンザ、SARS

循環器科 内科

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インフルエンザ性肺炎

持病のある患者や介護施設入所者で特に適切なワクチン接種をしていない患者では呼吸器感染の鑑別診断においてはインフルエンザ性肺炎を考慮する必要がある。

 

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RSV

呼吸器合胞体ウイルス(RSV)やパラインフルエンザウイルスはこれまで主に小児に多く感染する疾患だと考えられていたが、冬にはこれらの病原体は成人の下気道感染を引き起こしている。幼児期のRSV感染に対する免疫は生涯有効ではなく、老齢になると免疫適格、免疫障害のいずれにおいても再感染の可能性がある。RSVは高齢者や慢性循環器疾患患者のほとんどの感染病による死亡に関係している。

新種のインフルエンザ

新種のインフルエンザ感染にも注意が必要である。通常の季節性インフルエンザは冬に流行するが、新種のインフルエンザ・ウイルスは季節性インフルエンザの流行には追従しない。2009年の春と夏に流行した豚インフルエンザ(H1N1)はメキシコで流行した後、急速に全世界に広まった。H1N1感染患者の症状として発熱、頭痛、咳、倦怠感、及び筋肉痛がある。H1N1感染患者の症状はほとんどの場合、軽度で自然に治癒するが、乳児、幼児、及び若年者では長期の入院や死亡する可能性が高い。妊婦や小児で免疫不全患者では危険性が増加する。

 

鳥インフルエンザ

鳥インフルエンザA(H5N1)は野鳥に感染し、H5N1ウイルスを拡散させるが、病状は通常は重くはない。しかし、鳥インフルエンザは非常に感染力が高く、家禽の致死性が高い。人間はH5N1ウイルスの免疫を持たないが、鳥インフルエンザの感染は稀である。しかし、これまで感染した鳥と接触することにより人間での大流行が発生している。

 

SARS

SARS(重症急性呼吸器症候群)は2002年に中国の広東省で最初に発見された致死性の肺炎であり、その後中国人が多く住む外国の地域で大流行した。SARSでは、患者は新型のコロナウイルスにより感染し、潜伏期間は2から10日である。SARSの最初の感染源は不明である。世界的に見て、SARSは院内感染の傾向があり、医療従事者が感染者の大きな割合を占めている。SARSを発症すると、患者には発熱、悪寒、頭痛、咳、倦怠感、及び筋肉痛が現れる。肺炎はX線で確認することが出来る。上気道には症状が出なく、粘液や血液を含まない水様下痢症が現れることが多い。SARSは感染者が吐き出した飛沫により感染する。現在、SARSに有効な抗ウイルス薬は開発されていないため、治療には対処療法を行わなければならない。SARSによる肺炎は3週間で通常自然治癒する。しかし、SARSの推定致死率は約10%である。