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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

細動除去とカルディオバージョン

循環器科

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心臓に電気ショック与えて致死性不整脈を止める治療法が細動除去、頻脈性不整脈を止める治療法がカルディオバージョン。

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メカニズム

除細動器は2個のパドル型電極を介して電気ショックを心臓に与えます。電気ショックにより心房又は心室の大きな領域を同時に分極することにより不整脈が起こらないようにします。

 

 

 

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credit:  Automatic electric defibrillator, Omron

カルディオバージョンはQRS波と同期した電気ショックを心臓に与えることにより上室性頻脈又は心室性頻脈を停止させます。細動除去はQRS波への同期無く電気ショックを心臓に与えて、心室細動を停止させます。

 

カルディオバージョンと細動除去の準備

患者が予定のカルディオバージョン又は細動除去を受けるときは、治療前4から8時間は飲食は出来ません。静脈アクセス用カテーテルを患者の末梢静脈に留置します。さらに、酸素、吸引、及び気道確保器具を用意しておく必要があります。患者は経胸腔ショックに痛みを感じるため、患者には短時間作用する麻酔薬が投与されます。

 

前方頂点配置では、一方のパドルは第二肋間隙のレベルで胸骨の右側に配置し、他方のパドルは中腋窩線で、最大拍動点の側方に配置します。前方後方配置では、一方のパドルは胸骨の左側、第四肋間隙に配置し、他方のパドルは体の裏側で、脊髄の左側、前方パドルと同じレベルに配置します。カルディオバージョンと細動除去では、これら2個のパドルを使ったいずれの配置方法でもは成果は同様です。

 

カルディオバージョンと細動除去の成果はショックの波形と強さにより大きく異なります。2相式除細動器は単相式除細動器より心筋にダメージを与えず少ないエネルギーで良好な成果が出ます。パドルを強く当てる、患者が呼気時にショックを与える、及びショックを繰り返すことにより心臓に与えるにエネルギーを最大にすることが出来ます。

 

患者に代謝障害、長期の不整脈時間、アミオダロンなどの不整脈の治療薬の服用、及び/又は体重が80kg以上であるとカルディオバージョンや細動除去の効果が現れます。心房細動に対してカルディオバージョンを行うと血栓塞栓症を併発する場合があります。カルディオバージョンの前に3週間、心房細動が48時間以上あった場合はカルディオバージョンの後1ヶ月間抗凝血療法を行う必要があります。

 

経食道超音波心臓造影図に心房血栓が現れていないときは、カルディオバージョン前の3週間の抗血液凝固薬服用期間を短縮することが出来ます。しかし、過渡的な心房興奮による血栓の形成を防止するためカルディオバージョン後1ヶ月間抗凝血薬を服用する必要があります。

適応症

カルディオバージョンや細動除去は心室細動、心室頻脈、心房細動、及び心房粗動の治療に最も一般的に使用されています。

 

合併症

非同期のショックを心臓に与えると心室細動が起こることがあります。ショックがQRS波に同期していても、非常にまれな状況では、心室細動が起こることがあります。カルディオバージョンにより過渡的にST波が上昇することがあります。短時間に心臓に加えたショックのエネルギーの合計が425Jを超えると部分的に心筋壊死が起こる場合があります。カルディオバージョンのまれな合併症として過渡的な左心室機能不全のため肺水腫が起こることがあります。カルディオバージョンにより迷走放電や潜在性疾患洞不全症候群が起こり、徐脈や心停止が起こる場合があります。この場合は、徐脈治療薬のアトロピンの服用または緊急経皮調律が必要な場合があります。

 

ペースメーカ又は植込み型除細動器(ICD)を使用している患者では、ショック電極は可能な限りジェネレータから離す必要があり、その後それらの調律閾値を調整する必要があります。