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医学よもやま話

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恒久型ペースメーカの適応症と合併症

循環器科

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恒久型ペースメーカを使用する前に症状と徐脈の関係を示す診断データが必要

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恒久型ペースメーカの適応症

一般的に、恒久型ペースメーカは徐脈症状の軽減や、徐脈患者の症状悪化の防止に使用されます。ごくありふれた徐脈の症状として、めまい、失神、運動不耐性、及び心不全の症状が現れます。

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 credit:  Permanent pacemaker, Boston Scientific

これらの症状は特異的でないため、恒久型ペースメーカを使用する前に症状と徐脈の関係を示す診断データが必要です。完全房室ブロックにより患者の徐脈が持続する場合は、心電図でペースメーカの必要性を示すことが可能です。

 

患者の徐脈が間欠的に起こるときは、恒久型ペースメーカの必要性を示す検査には24時間歩行モニター検査、連続ループ記録計、埋込み式イベントモニター、及び電気生理学試験などがあります。

 

恒久型ペースメーカを使用する前に、症候性徐脈が検査結果から示されており、徐脈の他の原因が除外されている必要があります。

 

症候性徐脈の改善可能な原因には甲状腺機能低下症、電解質障害、及び一部薬剤の摂取、例えば、β-アドレナリン遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、及び抗不整脈薬などがあります。

 

恒久型ペースメーカの合併症

ペースメーカの埋め込み手術で合併症が起こることがありますが、発症率は2%未満です。合併症には気胸、心房又は心室の穿孔、リードの移動、感染、ペースメーカのポケットのびらんがあります。鎖骨下静脈の血栓症は患者の10から20%で起こり、複数のリードが使用されているときは発症率は増加します。この合併症はほとんど自覚症状がありません。

 

DDDペースメーカにおいて、心房リードが心室心房伝導により逆行性脱分極を検知した場合は、頻脈が起こります。この結果、脈拍はペースメーカの上限値に等しくなります。ペースメーカによる頻脈は心室心房後不応期を長くするなど、ペースメーカのプログラムを再設定することにより防止出来ます。

 

洞結節疾患のためのジュアルチャンバー式ペースメーカを使用した患者は将来心房細動を発症するリスクがあります。ジュアルチャンバー式ペースメーカの心室の調律を最低にすれば心房細動のリスクが40%低下すると言われています。

 

ペースメーカの心室調律時における心房心室の同期性が失われることによる症状として虚弱、めまい、運動不耐性、又は動悸が起こることがあります。

これらの症状はDDDモードの調律により心房心室の同期を回復するか、心房心室伝導がある場合はAAIモードの調律により、症状を改善させます。

ペースメーカ埋込後の長期の継続治療において対応しなければならない問題として、調律の失敗、検知の失敗、および調律心拍数の変化があります。これらの問題はプログラミング設定ミス、リードの破損、絶縁の劣化、ジェネレータの誤作動、又はバッテリーの消耗により発生することがあります。