医学よもやま話

医学情報をご提供します。

転移性大腸癌の全身療法と併用療法

advertisement

併用療法は転移性大腸癌患者の平均生存率を大幅に伸ばすことが可能である。

****

転移性大腸癌患者には出現部位(結腸又は直腸)にかかわらず同じ治療が行われます。

 

治療不能な転移性大腸癌を発症した場合、対処療法だけでは、患者の平均生存期間は約6ヶ月です。しかし、全身療法を受けることにより生存期間を約2年に伸ばすことが可能になります。

 

例えば、フルオロピリミジン単薬で治療を受けると平均生存期間が10から13ヶ月となり、有効な癌治療薬を1剤(イリノテカン又はオキサリプラチン)追加することにより平均生存期間は15から20ヶ月に伸び、これら2剤に5-FUを追加することにより平均生存期間を23ヶ月まで伸ばすことが出来ます。

 

f:id:tpspi:20161123054248g:plain

 

credit:  Xeloda, Capecitabine, Chugai Pharmaceutical Co., Ltd.

カペシタビンは経口プロドラッグで、体内で3つの酵素ステップで5-FUに変化します。カペシタビンは5-FUの代わりに、又はオキサリプラチンと併用して服用できます。

 

近年、生物製剤が転移性大腸癌患者に画期的な治療法として広範に使用されています。現在、効果のある生物製剤としてモノクローナル抗体が注目されています。

 

ベバシズマブはヒト・モノクローナル抗体で、血管形成の重要な介在物質である血管内皮細胞成長因子の働きを阻害します。ベバシズマブは単剤で使用した場合は、大腸癌の治療効果は、ほとんどありませんが、イリノテカン又はオキサリプラチンと併用した化学療法を行うときは癌が進行すること無く服用回数を減らすことが出来ます。

 

大腸癌が進行した患者には一次選択治療としてベバシズマブとFOLFOX又はFOLFIRIの併用療法が行われます。

 

更に、上皮増殖因子受容体(EGFR)は細胞の増殖や成長を制御する上皮成長因子 (EGF) を認識し、シグナル伝達を行う受容体であり、進行した大腸癌を抑制するための重要な標的です。

 

セツキシマブやパニツムマブはEGFRの働きを阻害するモノクローナル抗体です。これらの薬剤は単剤で大腸癌の治療に効果があります。これらの薬剤を化学療法薬と併用して使用することにより無増悪生存率を向上させることができます。