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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

大腸癌と放射線治療

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放射線は癌細胞のDNAを損傷させ、癌を死滅させる。

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放射線療法の特質

放射線は細胞内の酸素を超酸化物、過酸化水素、又は水酸基に変化させます。これにより、DNAは損傷を受け、細胞死に至たります。放射線療法は限りなく細胞分裂を繰り返す腫瘍に非常に有効です。

 

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credit:  Cyberknife, Austin

 

手術や放射線療法はいずれも、不明確な腫瘍の広がり、正常な組織に隣接した腫瘍の位置、及び遠位の転移によっては有効性には限界があります。正常な組織の耐性は臓器や組織により異なり、癌を死滅させるため一律に放射線を照射することは出来ません。腫瘍は酸素が欠乏する傾向があります。この特性は腫瘍低酸素性と呼ばれ、放射線治療に影響を及ぼします。大きな腫瘍は放射線抵抗性が高く、酸素を多く含んだ腫瘍は効果的に治療可能です。

 

放射線療法は多モダリティ治療法の主要な治療法の他、補助療法や緩和ケアとして使用されます。更に、放射線療法は早期悪性腫瘍を治癒することが出来ます。化学療法と放射線療法を併用した場合、相乗的毒性が現れることがあります。

 

強度変調放射線療法のような新しい治療法では標的に対する線量を正確に調整することが出来、周囲の正常な組織の損傷が防止出来ます。定位放射線療法やガンマナイフは0.5 mmまでの精度があり、正常な組織を害すること無く、原発性又は転移性腫瘍の治療が可能です。

 

低線量から中線量の放射線療法により治療が不可能な癌の症状を緩和することが出来ます。

大腸癌のための放射線療法

大腸癌では、放射線治療は治癒又は症状軽減のために行われます。一般的に、放射線治療は結腸癌よりも直腸癌の治療に大きな効果があります。放射線治療はリスクの高い結腸癌の切除後の癌増殖防止に効果がある考えられています。

 

結腸癌切除後に切除面に癌細胞が残っている場合や局所に穿孔がある場合には腫瘍床に補助的に放射線治療が行われます。放射線治療は更に結腸癌(上行結腸、下行結腸)が再発するリスクが高い場合に推奨されています。

 

結腸癌が骨、脳、肝臓、及び肺に転移した場合の治療の他、放射線療法は出血、閉塞、及び局所の進行性の切除不能の癌の治療を行うことが出来ます。

 

更に、放射線療法は切除可能な直腸癌の周術期治療が可能です。原発性結腸癌と同様に、放射線療法により出血、閉塞、及び直腸癌の一部の転移において症状を緩和することも可能です。