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医学よもやま話

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腺腫性ポリープの切除と予後

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内視鏡によるポリープ切除術で直腸結腸癌の発症や死亡が低減する。

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腺腫性ポリープは一般的に症状は現れませんが、無症候性の便潜血又は血便が見つかることがあります。腺腫を切除した患者が生涯で再発する可能性は30から50%です。腺腫が癌化する可能性は5%未満です。腺腫が癌になる可能性はポリープの大きさと形成異常の悪性度の2つの要素により変化します。ポリープの大きさが1センチ未満では、癌化のリスクは1から3%です、1から2センチでは10%、2センチ以上では40%以上になります。すべての腺腫性ポリープはある程度の形成異常がありますが、更にこれらの形成異常を低度と高度に分類して癌化のリスクが表されます。腺腫性ポリープの形成異常の悪性度が高いと癌化するリスクが27%に上昇します。

 

 

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credit:  snare polypectomy  Olympus

診断

結腸と結腸の腺腫性ポリープは内視鏡検査で正確に診断できます。大腸内視鏡検査法は精度が高く、検査と同時に、ほとんどのポリープが切除出来るため、腺腫診断で最も望ましい診断方法です。

 

切除

内視鏡検査では内視鏡に付属したスネアを使って腺腫性ポリープを切除することが出来ます。内視鏡によるポリープ切除により直腸結腸癌のその後の発生率や死亡が低減することが科学的に裏付けられています。有柄性腺腫は通常、内視鏡に付属したスネアを使って切除されます。切除された腺腫が癌化してないか病理検査が行われます。無柄性ポリープは内視鏡に付属したスネアで少しづつ切除されます。内視鏡で切除できない大きな腺腫は外科手術で切除されます。切除されたポリープは組織検査により、癌化していないか調べる必要があります。癌化している場合は、組織の悪性度、血管及びリンパ管への浸潤、及び癌の範囲を判定する必要があります。切除したポリープが未分化の組織である場合、血管及びリンパ管への浸潤がある場合、及び内視鏡による切除が不完全な場合は外科手術が必要になります。有柄性ポリープが癌化しており、粘膜下組織に留まっている場合で、予後不良の組織病理学的徴候がなければ、外科的切除でなく、内視鏡切除が可能です。

 

予後

腺腫性ポリープを切除したことのある患者はその後、腺腫の再発及び癌を発症するリスクが高くなります。このリスクはポリープの大きさ、組織、腺腫の数、及び治療間隔により異なります。1又は2個の小さな管状腺腫のある患者のリスクは低いので、5年以内に大腸内視鏡を受けることが推奨されます。3個以上の腺腫のある患者、1センチ以上の腺腫がある患者、絨毛状腺腫又は悪性度の高い形成異常の腺腫のある患者は3年以内に大腸内視鏡検査を受ける必要があります。11個以上の腺腫のある患者は3年以内に大腸内視鏡検査を受ける必要があります。2センチ以上の大きな腺腫のあった患者又は腺腫を少しづつ切除した患者は6ヶ月以内に大腸内視鏡検査により、切除が完全に行われていたことを確認する必要があります。

 

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