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健忘症の病因

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頭を強打すると自分だ誰だか分からなくなることがある。

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診察を受ける必要のある健忘症

これまで経験したことのないような物忘れ、頭の外傷、錯乱、又は見当識障害(時間・空間・関係・性質・人物鑑別などの感覚が喪失した状態)を経験した場合は、直ちに意志の診察を受ける必要があります。

 

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credit:  大脳辺縁系 Searching for the Mind

病因

記憶が正確に行われるためには脳の多くの箇所が関係しており、脳に影響を及ぼす病気や外傷は記憶に影響を与える可能性があります。

 

人間の感情や記憶は大脳の辺縁系でコントロールされています。辺縁系は脳の中央にある視床、脳の側頭葉にある海馬などから構成されています。この辺縁系が損傷すると健忘症を発症します。

 

脳の外傷や損傷により起こる健忘症を神経性健忘症と呼びます。神経性健忘症を引き起こす原因には次のものがあげられます。

  • 脳卒中
  • 脳の炎症(脳炎)― 単純疱疹ウイルスの感染、癌に対する免疫反応(腫瘍随伴性辺縁系脳炎)又は非癌性免疫反応
  • 脳内の酸素不足 ― 心臓発作、呼吸困難、又は一酸化中毒
  • 長期のアルコール中毒 ― ビタミンB1欠乏症(ウェルニッケ・コルサコフ症候群)
  • 記憶をつかさどる領域にできた腫瘍
  • アルツハイマー病やその他の認知症などの退行性脳疾患
  • 発作
  • 一部の薬剤 ― ベンゾジアゼピン(精神安定剤)など

 

脳震盪を起こす頭部の損傷は、交通事故又はスポーツに限らず、錯乱及び記憶の問題を引き起こします。これは、回復時に顕著に現れます。しかし、頭部の損傷は重度の健忘症を引き起こすことはありません。

 

健忘症の稀な病態として解離性(心因性)健忘症があります。この疾病は犯罪の被害に遭ったりして心的外傷を受けると発症します。この疾病では、患者は自分の個人の記憶を無くすことがありますが、通常短期間で元に戻ります。

 

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