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医学よもやま話

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アルコールによる酩酊と禁断症状

精神疾患

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アルコールの血液濃度が高くなると意識を失い、死に至る。

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アルコールを摂取すると急性および慢性の症状が現れます。急性の症状としては酩酊と禁断症状があります。慢性の症状はほとんどの臓器に影響が現れます。

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急性の症状

アルコールによる酩酊

アルコールが血液に入ると、すぐに血液脳関門を通過するため、人は酩酊状態になります。酩酊状態はアルコールの血中濃度に比例します。アルコール中毒の人はアルコール耐性があるため、そうでない人と比較して、血中アルコール濃度により影響は強く現れません。

 

アルコール不耐性人では血中アルコール濃度が0.02%から0.10%になると軽度の酩酊状態になり、陶酔、軽度の筋肉協調不能、及び軽度の認知機能障害などが現れます。

 

血中アルコール濃度が更に上昇すると(0.10%から0.20%)、より顕著な神経機能障害が現れます。例として、重度の精神機能障害、運動失調、及び応答時間の遅延が起こります。更に、ろれつが回らなくなり、協調運動障害が現れます。

 

これらの症状は血中アルコール濃度が高くなると更に顕著になり、0.30%から0.40%になるとアルコール耐性がない人では意識混濁、昏睡、又は死に至ります。血中アルコール濃度が非常に高い場合の主な死因は呼吸抑制状態と血圧低下です。

アルコール禁断症状

人がアルコール摂取を減らしたり、完全に止めると、アルコール禁断症状が現れる場合があります。アルコール禁断症状の程度は人により大きく異なります。禁断症状が現れても、多くの場合、治療は必要ありませが、症状が重い場合は、治療が必要になります。

 

アルコールは中枢神経系の抑制剤として機能するため、アルコールの禁断状態は神経を過剰興奮状態にします。この状態はアルコールにより開放された適応神経メカニズムが引き起こすと考えられています。このメカニズムは多種の神経ホルモンを放出するため、神経に様々な影響が現れます。アルコールを常に摂取していると、GABA 受容体の数が減少し、適応神経メカニズムの機能が損なわれてしまいます。

 

アルコール禁断症状により、活動亢進状態になり、頻脈や多量発汗が現れます。この状態になると、さらに振戦、不安、不眠症にかかることもあります。より重篤なアルコール禁断症状になると、吐き気や嘔吐を引き起こし、代謝障害になります。アルコール禁断症状が中度から重度になると、視覚及び聴覚の幻覚や精神運動性激越を含む知覚障害が現れます。禁断症状として大発作が起こりますが、急性の禁断症状でなければ治療は必要ないとされています。

 

人によりアルコール禁断症状が現れる時期は異なり、症状は数日続きます。禁断症状として、通常、震えが最初に現れます。この症状は、最後の飲酒から8時間以内に現れます。振戦や運動機能亢進の症状は通常24から48時間以内にピークに達します。禁断症状が軽度のうちは、手が震え、重度になると、全身に震えがでます。その結果、基本運動機能が損なわれます。知覚異常は最後に飲酒してから24から36時間以内に始まり、数日で症状が消えます。禁断症状により全身性強直間代発作が起こる場合があります。この症状はアルコール摂取を止めてから12から24時間以内に起こります。それ以降に、発作が起こる場合もあります。アルコール禁断症状で最も重篤な症状は震顫譫妄です。症状として方向感覚の喪失、錯乱、幻覚、多量発汗、発熱、及び頻脈が起こります。震顫譫妄は禁酒から2から4日で現れ、最悪、死に至ります。

 

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