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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

デ・ケルバン腱滑膜炎

整形外科

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手首と親指を酷使すると疼痛で物がつかめなくなる。

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デ・ケルバン腱滑膜炎は手首の親指側の腱の疼痛疾患です。デ・ケルバン腱滑膜炎にかかったら、手首を回したり、何かをつかんだり、握りこぶしを作ると手首に疼痛が現れます。

 

デ・ケルバン腱滑膜炎の原因は明確になっていませんが、手や手首を繰り返す動作により発症すると考えられています。動作の例として野球、テニス、等の球技や、庭仕事や子守でも発症します。

 

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症状

デ・ケルバン腱滑膜炎を発症すると、次の症状が現れます。

  • 親指の付け根の痛み
  • 親指の常根の腫れ
  • 何かを握ったりつかんだりするとき、親指と手首を動かしにくい。
  • 親指を動かすとき、親指が何かに貼り付いている感じがする。

 

治療を行わないで疾患を放置すると、疼痛が親指、手首、さらに肘まで広がります。物をつかんだり、握ったり、親指や手首を動かすと、疼痛が更に悪化します。

 

合併症

デ・ケルバン腱滑膜炎を治療せずに放置しておくと、手と手首が動かし難くなり、手首の可動域が狭くなります。

 

診断

フィンケルスタイン・テスト(Finkelstein test)でこの疾患を調べます。

フィンケルスタイン・テストでは親指を手のひら側に折り曲げて、他の指で親指を覆い、手首を小指方向に曲げます。疼痛がでれば、テスト結果は陽性で、デ・ケルバン腱滑膜炎であることがわかります。

 

治療

デ・ケルバン腱滑膜炎を発症した場合、治療により炎症を抑え、親指の動きを回復して、再発を防止します。

 

早期に治療すれば、多くの場合、4から6週間で症状は改善します。妊娠時にデ・ケルバン腱滑膜炎を発症した場合は、出産又は授乳が終わる頃、症状が改善します。

 

投薬治療

イブプロフェンなどの市販鎮痛剤を服用すると、疼痛や腫脹を抑えることが出来ます。

 

デ・ケルバン腱滑膜炎の症状が現れてから、6ヶ月以内に、コルチコステロイドを腱鞘に注射すれば完治するとの症例が多数報告されています。

 

緩和療法

デ・ケルバン腱滑膜炎を発症したら、次の方法で症状を緩和することが出来ます。

  • 親指と手首を副子でまっすぐに固定して腱を休ませる。
  • 親指を繰り返して使う動作は可能な限り避ける。
  • 手首を動かしながら親指で物をつかむ動作を避ける。
  • 患部を冷湿布する。
  • 手首、手、及び腕のエクササイズ方法を学び、手首に加わるストレスの軽減、筋肉強化、疼痛低減、腱の刺激制限を行う。

手術療法

症状が重いときは、手術を受けることが出来ます。通常、入院せずに手術を受けることが出来ます。手術では腱鞘の状態を調べ、ストレスを受けている腱鞘を開放して、腱が動きやすくします。

 

術後、リハビリ方法と、筋力増強方法を学び、再発を防止します。

 

対症療法

手術を必要としない場合は、疾病の再発防止と同様に、症状の管理が重要です。次の方法で症状が悪化しないようにします。

  • 手首を同じ状態で繰り返して動かさない。
  • 必要に応じて、副子を着用する。
  • 推奨される手首、手、及び腕のエクササイズを行う。
  • 疼痛、腫脹、又は麻痺を起こす動作を記録し、これらの動作を避け、医師やセラピストのアドバイスを受ける。

 

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