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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

リウマチの診断と治療

整形外科

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気づかないうちに進行し、完治しない病

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診断

リウマチ(筋骨格疾患)の診断では年齢、性別、病歴などを考慮する必要があります。

  • 年齢  幼少期に血友病にかかると、多くの場合、関節炎が現れます。若者には、炎症性化膿性関節炎が、老人には、変形性関節症が、中年には、関節リウマチが多く現れます。高齢者では、リウマチ性多発性筋痛、関節リウマチ、又は全身紅斑性狼蒼の可能性もあります。
  • 性別 ― 女性では関節リウマチや他の自己免疫疾患がよく現れます。これに対して、男性ではヒト白血球抗原に関係した強直性脊椎炎や他の脊椎関節症がよく現れます。男性では痛風関節炎が一般的で、女性では閉経前には、ほとんど現れません。
  • 職業及びスポーツ ― 職業及びスポーツは身体及び精神面にストレスが生じます。仕事やスポーツで繰り返し、関節を損傷すると、変形性関節症にかかりやすくなります。筋骨格疾患はスポーツによる損傷の場合があります。
  • 家系 ― 自己免疫疾患、脊椎関節症、及び痛風は家系により罹患率が高い場合があるため、近親者の病歴が調べられます。

 

 

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発症と症状の進行

筋骨格疾患の発症、部位、及び進行のパターンに基いて診断が行われます。症状が数時間から数日で悪化する疾患の多くは炎症性又は外傷性の急性関節炎です。症状が6ヶ月以上続く場合は慢性関節炎と診断され、数日から数週間続く場合は亜急性関節炎と診断されます。

  • 症状の分布 ― 筋骨格疾患の診断では、症状の分布が調べられます。関節痛(主観的な関節痛)と関節炎(客観的な関節の腫れ、変形、又は機能障害)が区別されます。
  • 炎症状態と非炎症状態の区別 ― 筋骨格疾患の診断では炎症性か非炎症性かが区別されます。炎症性疾患では関節が熱を持ち、紅斑が現れます。また、朝、筋肉のこわばりが60分以上続き、体を動かすと痛みとこわばりが改善します。非炎症性疾患では、朝、こわばりが無く、体を動かすと痛みが強くなります。
  • 全身及び他の関節の症状 ― 病状が注意深く調べられ、全身及び他の関節の症状が見つけ出されます。全身に病状があり、複数の臓器が関係している場合で筋骨格に症状がある場合は、びまん性自己免疫疾患(全身紅斑性狼蒼など)が疑われます。

 

検査

筋骨格疾患は4つのステップで検査が行われます。

  • 目視 ― 非対称性、変形、紅斑、及び腫れが検査されます。
  • 触診 ― 圧痛、熱、滑液の厚みと滲出、骨の肥大、及び摩擦音が触診で調べられます。
  • 可動域 ― 他動関節可動域又は自動関節可動域(又は組み合わせて)が調べられます。
  • 特殊な検査 ― 支持組織(靭帯と腱など)及び主根管症候群の症状検出のため腕の状態(ティネル徴候など)が調べられます。

 

客観的な関節の所見

関節周辺の疾患と関節疾患を区別するために注意深く検査が行われます。関節に圧痛があるだけでは関節炎と確定診断が出来ないため、この症状と客観的、視覚可能、又は触診可能な異常との関連付けが必要です。

 

関節の赤み(紅斑)は関節の炎症の急性と重症性により変化し、赤みが出ると感染又は結晶性関節炎の可能性があります。関節の熱は炎症の急性度により変化します。関節の腫れは関節炎の決定的な症状です。関節からの滲出(過剰な滑液)又は滑膜(滑膜炎)が炎症を起こしています。

 

関節周囲の骨の肥大(骨棘肥大)は変形性関節症の特徴です。摩擦音は関節を動かしている間、手で感じることができます。なめらかな摩擦音は慢性増殖的な滑膜炎を表し、荒い摩擦音は軟骨上面が荒くなっているか、ガラス質の軟骨が完全に失われていることを表しています。関節の損傷や変形は以前の関節炎又は損傷(靭帯の弛緩、関節の亜脱臼、腱の破断、又は拘縮)を表しています。

 

関節可動域検査

関節の機能は自動関節可動域と他動関節可動域で評価されます。

 

自動関節可動域は患者が自分で関節を動かします。自動関節可動域を検査するときは、関節の動きの他、神経、筋肉、及び腱の機能が調べられます。他動関節可動域検査では関節の動きのみが調べられます。他動関節可動域と自動関節可動域を組み合わせて調べることにより、患者の負担が最小となり、検査の速度と効率を最大にすることが出来ます。関節を動かすと痛みが出る場合は、自動関節可動域検査により、関節の痛みと機能障害の程度が調べられます。

 

特別な関節所見

多くのリウマチ疾患は複数の器官が関係しているため、関節以外の症状も調べられます。関節リウマチでは、皮下結節、指血管炎、及びその他の全身の症状が調べられます。

 

治療

診断に基づいて治療が行われます。診断が正式に行われていない場合は、重い症状の治療が優先されます。急性度と重症度により即時の治療が必要か、経過観察で良いかが判断されます。例えば、1つの関節に炎症が起きている場合(化膿性関節炎又は結晶性関節炎)では即時の治療が必要です。これに対して、多発性関節炎では即時の治療は行われません。しかし、全身に症状が現れている多発性関節炎を発症している場合は、びまん性自己免疫疾患、原発性の感染、又は悪性腫瘍と区別するために、直ちに検査が行われます。

 

関節穿刺を行って診断が行われます。滑液を吸引することにより、症状を和らぎます。必要に応じて、コルチコステロイドが投与されます。

 

慢性的な筋骨格疾患に向き合うためには、患者と家族に適切な指導が必要です。多くの患者は診断に従って、治療を受け、すぐに効果が得られることを期待しがちですが、治療目標は痛みの管理、関節破壊の防止、及び自分で身の回りの世話ができることです。このため、治療は患者ごとに異なり、早期で正確な症状の特定、確実な診断、迅速な治療、および治療効果の注意深い確認が必要です。

 

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