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医学よもやま話

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脊髄損傷による脊髄の変化

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脊髄損傷からの時間経過

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脊髄を損傷すると病態生理学的なプロセスにより、一次損傷から二次損傷に移行します。二次損傷は即時期、急性期、中間期、と慢性期に分けられます。

 

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credit: BIOLOGY ONLINE

 

即時期(損傷から0から2時間以内)

即時期は脊髄損傷の初期です。軸索の外傷性切断、神経細胞と神経膠の即時の細胞死、及び脊髄ショック付随の現象により損傷部より下の機能が即時に消失します。

 

急性期

急性期は二次損傷のプロセスが優勢になる期間です。臨床的には、神経を最も良好に治療できる期間です。急性期は早期急性期と亜急性期に分けられます。

 

早期急性期(損傷から2から48時間)

この期間では出血の継続、浮腫の広がり、炎症が起こります。更に、遊離基の生成、イオン調節異常、グルタミン酸媒介の興奮毒性、及び免疫性神経毒症状が現れ軸索傷害と細胞死が起こります。脊髄損傷後は、通常、主要な脊髄動脈は変化しませんが、血管破裂、出血、虚血が二次損傷として起こります。損傷後、主要な脊髄動脈は変化しませんが、毛細血管の破裂、通常の自動調節メカニズム、全体の低血圧、及び間質圧による低灌流が起こります。虚血により細胞が肥大し、神経細胞と神経膠の両方が影響を受けます。軸索肥大が起こり、活動電位が遮断されます。

 

亜急性期(損傷から2日から2週間)

神経細胞移植による治療が可能な期間です。この期間では神経前駆細胞の移植により髄鞘再生や機能回復が可能です。

 

中間期(損傷から2週間から6カ月)

中間期では星状神経膠細胞に瘢痕が大きくなり再生性軸索が出芽します。挫傷性脊髄損傷では、3週間から3ヶ月で皮質脊髄路軸索が、3から8ヶ月で網様体繊維が出芽します。重度の脊髄損傷では再生医療でも顕著な機能回復は望めませんが、成人の脊髄には再生の可能性があります。神経組織ごとに異なる治療法が必要になります。

 

慢性期(損傷から6ヶ月経過)

慢性期には瘢痕と嚢胞が現れ、病変が安定します。損傷又は切断した軸索のワーラ変性は継続します。切断した軸索及び神経細胞が完全に消えるまでに数年かかります。病変として嚢胞の空洞化と、脊髄軟化症が生じ、脊髄損傷後の壊死の最終段階であることを示します。

 

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