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下痢のメカニズム

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下痢に重大な疾病が隠れている

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下痢には多くの原因があります。下痢の主たるメカニズムとして浸透圧負荷の増大、分泌物の増大、及び接触時間/表面積の減少があります。炎症性腸疾患による下痢は粘膜の炎症、腸管への滲出、複数の分泌促進物質及び腸細胞の機能に影響を及ぼす細菌の毒素により起こります。

 

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浸透圧負荷

非吸収性で水溶性の溶質が水分を含み大腸にあると下痢が起こります。このような溶質としてポリエチレングリコール、マグネシウム塩、リン酸ナトリウムが緩下薬として使用されています。糖不耐症(例えば、ラクターゼ欠乏症による乳糖不耐症)により浸透圧性下痢が起こります。ヘキシトール(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)又は高果糖コーンシロップ(キャンディー、ガム、フルーツジュースで使用)を大量に摂取すると、吸収されないため、浸透圧性下痢が起きます。緩下薬のラクツロースも同様のメカニズムで下痢が起きます。

 

分泌物の増加

腸が電解質や水分を過剰に分泌すると下痢が起こります。原因として、感染、非吸収性脂質、薬品、多種の内因性/外因性の分泌促進物質が考えられます。

分泌性下痢は主に感染(例えば、胃腸炎)が原因です。急性の下痢の多くは感染と食中毒が併発して起こります。腸毒素は小腸や結腸のナトリウム - カリウム交換を妨げ、液体が吸収できなくなります。

吸収不良症候群や回腸切除により食用油脂や胆汁酸が吸収されないと、結腸の分泌が刺激され、下痢が起きます。

キニジンなどの薬剤は脂質の吸収を直接又は間接的に妨げ、小腸からの分泌を刺激します。

内分泌腫瘍は分泌促進物質を作り出し、小腸通過、結腸通過、または両方を加速させます。

胆汁酸の吸収障害があると水分や電解質の分泌が促進され、下痢が起きます。便は緑色又はオレンジ色になります。

 

接触時間/表面積の減少

小腸通過が短時間の場合や小腸の表面積が減少すると水分吸収を妨げられ下痢が起きます。原因として小腸又は大腸切除、バイパス、胃切除、及び大腸炎が考えられます。他の原因としては、顕微鏡的大腸炎(コラーゲン性又はリンパ球性大腸炎)及びセリアック病が考えられます。

緩下薬などの薬剤やセロトニンなどのホルモン薬は小腸平滑筋を刺激し、小腸通過を早めます。

 

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