読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

医学よもやま話

医学情報をご提供します。

胆嚢癌が起こるわけ

advertisement

胆嚢癌の主たる原因は胆石

****

胆嚢癌は胆嚢の慢性的な炎症により発症します。慢性的な炎症の原因の大半(75%以上)はコレステロールからできた胆石です。胆嚢内に胆石が増えると胆嚢癌発症リスクが4から5倍増加します。胆嚢が慢性的な炎症を起こすこの他の原因として原発性硬化性胆管炎, 潰瘍性大腸炎、肝吸虫, 腸チフス・パラチフス、ヘリコバクター感染があります。

 

f:id:tpspi:20160727102358j:plain

 

慢性の胆嚢炎は胆嚢癌の悪性化の原因であると考えられいますが、他の要因も突き止められています。ある種の薬剤の摂取(経口避妊薬、イソニアジド、メチルドーパなど)は胆嚢癌発症リスクを高めます。

 

同様に、人体への化学物質の暴露(殺虫剤、ゴム、塩化ビニールなど)、繊維、石油、製紙、製靴産業での職業被曝は胆嚢癌発症リスクを高めます。

 

さらに、水質汚染(有機農薬)、重金属(カドミウム、クロミウム、鉛)、放射線被曝も胆嚢癌発症に関わっています。肥満も胆石、内生エストロゲン、又は肥満細胞による大量の炎症仲介物質の分泌により胆嚢癌発症を引き起こします。

 

 

胆嚢癌発症はガードナー症候群、神経線維腫症タイプⅠ、および遺伝性非ポリープ性大腸癌を含む遺伝性症候群で多く見られます。胆嚢癌と発癌性変異の関連性が研究されており、コレステロールや他の脂質の合成の触媒として作用するタンパク質をコードするシトクロムP450-1A1遺伝子(CYP1A1)の多形性が胆嚢ガン発症に関係しているとする研究があります。さらに、アポリポタンパク質B遺伝子における多形性についての研究も行われています。

 

胆嚢癌におけるαメチルアシルCoAラセマーゼ(AMACR)の酵素の過剰発現は進行したTステージに関係しています。AMACR の過剰発現はこのグループの患者の生存率低下を示す独立した指標として見ることが出来ます。

 

膵・胆管合流異常を伴う先天的異常では胆嚢癌の発症リスクが高まリます。腫瘍は通常胆嚢の基底部に発生します。胆嚢壁を介した局在的増殖は肝臓侵食を引き起こし、逆方向に増殖すれば腹膜を経て、肝臓、大腸、及び腎盂に転移します。腫瘍はまた、胃、十二指腸、小腸、膵臓、肝外胆管のような隣接した臓器を直接侵食します。

 

Related Topics

胆嚢と胆管