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医学よもやま話

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急性白血病と慢性白血病の違い

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体に異常な症状が現れて、様子を見ていると、死に至る場合がある。

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急性白血病は症状が現れてから短時間に悪化する白血病であり、慢性白血病は症状が現れるのに時間がかかりその後急激に悪化する白血病です。

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Source:  USC

 

白血病は病状が現れる速度の違いにより急性白血病と慢性白血病に区別されます。急性白血病は急激に病状が悪化し、慢性白血病は病状が現れるのに時間がかかりその後急激に悪化します。白血病は更に癌化した細胞の種類によりリンパ性と骨髄性に区分されます。白血病の病因として放射線、遺伝子、抗癌剤、などが考えられていますが、多くは不明です。

急性リンパ性白血病

 

急性リンパ性白血病はリンパ球に成長する細胞が癌化し骨髄の中で正常の細胞と急速に入れ替わる病です。

 

  • 症状: 発熱、疲労感、顔が青白くなる。
  • 検査: 血液検査、骨髄液検査。
  • 治療: 化学療法。

 

急性リンパ性白血病は年代に関係なく、発症しますが15歳未満の児童では発症する癌の25%を占めます。急性リンパ性白血病は2から5歳の小児に多く発症します。成人では45歳以上で多く発症します。

 

急性リンパ性白血病では未成熟の白血病細胞が骨髄に蓄積して、正常な血液細胞を作る細胞を破壊して入れ替わります。白血病細胞は血流から肝臓、脾臓、リンパ節、脳、及び精巣に運ばれ、増殖を繰り返します。白血病細胞は体内のどこでも蓄積し、脳や脊髄を覆う膜に浸潤し(白血病性髄膜炎)貧血、肝臓及び腎臓不全、その他の臓器の障害を引き起こします。

 

急性骨髄性白血病

 

急性骨髄性白血病も命にかかわる疾病で、好中球、好塩基球、好酸球、及び単核白血球に成長すべき細胞が癌化して急速に骨髄中の正常な細胞と入れ替わります。

 

  • 病状: 疲労、顔が青白くなる、感染し発熱、傷ができ出血しやすくなる。
  • 検査: 血液検査、骨髄液検査。
  • 治療: 寛解のための化学療法、再発防止に追加の化学療法。

 

急性骨髄性白血病は年代層に関係なく発症しますが、特に成人に多く発症します。急性骨髄性白血病は他の癌治療で使われた化学療法や放射線治療が原因となることもあります。

 

急性骨髄性白血病では未成熟の白血病細胞が急速に骨髄に蓄積し、正常な血液細胞を作る細胞を破壊して入れ替わります。白血病細胞は血流に入り、他の臓器を浸潤し増殖を繰り返します。白血病細胞は皮膚や歯茎の上下や、目の中など体内の各所で小塊(緑色腫)を形成します。

 

急性骨髄性白血病には数種類の亜型があり、白血病細胞の特徴により分類されます。

 

急性前骨髄球性白血病は急性骨髄性白血病の主要な亜型です。この亜型では、好中球に成長する前段階の細胞である前骨髄球における染色体の変化により未成熟の細胞が蓄積します。

慢性リンパ性白血病

 

慢性リンパ性白血病は通常徐々に進行する病で、成熟したリンパ球が癌化し徐々にリンパ節中の正常な細胞に入れ替わります。

 

  • 症状: 無症状、一般症状として倦怠感。リンパ節の腫れ、腹部の異常な張り。
  • 診断: 血液検査、骨髄液検査。
  • 治療: 化学療法薬、単クローン抗体、必要に応じて放射線療法。

 

慢性リンパ性白血病の患者の3/4は60歳以上で、小児では発症しません。男性の罹患率は女性の2から3倍です。この白血病は遺伝子が関係しており、欧米人に多く、日本人では稀です。

 

血液、骨髄、及びリンパ節中に癌化したリンパ球が増加します。癌化したリンパ球は肝臓と脾臓に浸潤し、増殖を始めます。骨髄中で癌化したリンパ球が正常な細胞を押し出しだすことにより、赤血球が減少し、血液中の正常な白血球と血小板が減少します。免疫系は異常な働きを行い、体の正常な組織を攻撃します。この結果、赤血球や血小板が破壊されます。

 

慢性リンパ性白血病はBリンパ球(B細胞)の障害です。B細胞性慢性リンパ性白血病以外の慢性リンパ性白血病の亜型に毛様細胞性白血病とT細胞性白血病があります。

 

毛様細胞性白血病は緩慢型B細胞性白血病であり顕微鏡下で観察可能な異常な毛様突起を有する白血球細胞を大量に作ります。T細胞性慢性リンパ性白血病(Tリンパ球性白血病)の罹患率はB細胞性慢性リンパ性白血病よりはるかに低くなっています。

 

セザリー症候群は一種の慢性リンパ性白血病と考えられています。菌状息肉腫(皮膚のT細胞リンパ)の細胞が血流に入るとセザリー症候群が起きます。

慢性骨髄性白血病

 

慢性骨髄性白血病は徐々に進行する病で、好中球、好塩基球、好酸球、及び単核白血球に成長すべき細胞が癌化します。

 

  • 病状: 非特異的症状期では疲労感、食欲不振、体重減少。進行期ではリンパ節、脾臓の肥大、顔が青白くなる、傷や出血がおこる。
  • 検査: 骨髄液検査、分子検査、染色体分析。
  • 治療: イマチニブなどの化学療法。

 

慢性骨髄性白血病は年代層や性別に関係なく発症しますが、10歳未満の幼児での発症は稀です。この病は40から60歳の成人で多く発症します。この病の原因は2つの特別な染色体に転座が起こりフィラデルフィア染色体と呼ばれるものに変化して発生します。フィラデルフィア染色体は異常な酵素(チロシンキナーゼ)を作り、慢性骨髄性白血病における白血球の異常な増殖を引き起こします。この他の遺伝子異常(変異)により慢性骨髄性白血病の治療がより困難になります。

 

慢性骨髄性白血病の病状には3つの段階があります。(1)慢性期:病気が非常にゆるやかに進行する数ヶ月から数年続く期間、(2)加速期:病気がより早く進行し、治療の効果が少なくなり、症状が悪化する期間、(3)急性転化期:未成熟の白血病細胞(芽細胞)が作られ、病状は更に悪化し、重大な感染や過剰な出血などの合併症が起こる期間。

 

慢性骨髄性白血病では、ほとんどの白血病細胞は骨髄で作られますが、一部は脾臓や肝臓で作られます。大量の芽細胞が作られる急性白血病と異なり、慢性骨髄性白血病の慢性期では、正常の白血球や血小板が増大します。病気の進行により骨髄に白血病細胞が増加し、血流に入ります。

 

最終的に、白血病細胞が変化して、病気は加速期に移り、最後に急性転化期に至ります。急性転化期では、未成熟な白血病細胞が作られ、病気が非常に悪化します。急性転化期では発熱や体重減少に加えて脾臓が肥大します。

 

内出血、感染症、臓器の腫れなど体に異常を感じたら白血病を疑い専門医の診察を受ける必要があります。急性白血病の場合は急速に症状が悪化し死に至ります。

 

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