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医学よもやま話

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肺結核の症状と検査

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BCGの効果が切れて、肺結核患者が増加

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肺結核の集団感染は病院や老人ホームだけではありません。警察の留置所でも起きていました。それにより、留置を担当する警察官も結核にかかっていました。結核は身近にあります。

 

結核に罹っていることに気づかないでいると、周りの人にうつしてしまいます。

 

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結核の症状

 

活動性結核を発症すると、気分がすぐれない、食欲不振、倦怠感、体重の減少が数週間続きます。結核の代表的な症状は咳です。黄色又は緑色の痰がからんだ咳が出ます。

 

最初は、朝、目覚めるときに黄色又は緑色の痰が少しからんだ咳が出ます。結核が進行すると、痰が多く出るようになります。空洞性結核(血管の肉芽種または洞におけるカビの増殖)では痰に血が混じるようになります(喀血)。時折微熱がでます。典型的な症状として、寝汗をかくことがあります。肺の実質組織の損傷、自然気胸、または滲出性胸膜結核により呼吸困難になります。

検査

 

結核の診断では胸部X線検査、抗酸性染色検査、ツべリクリン反応検査、抗原特異的インターフェロン-γ遊離検査、又は核酸塩基検査が行われます。

 

呼吸器の障害(3週間以上続く咳、喀血、胸の痛み、呼吸困難)、説明のつかない病状、原因不明熱、ツベルクリン反応検査結果が陽性、又は抗原特異的インターフェロン-γ遊離検査結果が陽性の場合は肺結核が疑われます。発熱、2から3週間続く咳、寝汗、体重減少、及び/又はリンパ節腫脹があると結核が疑われます。

 

最初に胸部X線検査と痰培養検査します。これらの検査で結核感染が確定できないときは、ツベルクリン検査又は原特異的インターフェロン-γ遊離検査を行います。更に核酸増幅検査が行われることもあります。

 

結核と診断されたら、HIV検査とB又はC型肝炎の検査も行われます。肝機能や腎臓機能検査も行われます。

 

胸部X線検査

 

成人では、活動性結核では通常鎖骨上または後方に多結節浸潤が見られ、疾病の再発を示しています。肺尖撮影又は胸部CTで検出されます。中央又は底部の肺の浸潤は一般的であるが、症状又は病歴が最近の感染を示唆しているときは一次結核を疑うべきです。石灰化肺門節がある場合は、一次結核感染であるがヒストプラズマ症の場合もあります。

 

痰の検査と培養

 

痰の検査は肺結核診断の要です。患者が痰を出せないときは、高張生理食塩水で痰を誘発させます。痰が誘発できないときは、気管支ファイバースコープで気管支洗浄液を得ます。痰の誘発や気管支鏡の使用は医療従事者が結核に感染するリスクがあるので、場合によっては最後の手段と考えるべきです。この場合は、陰圧室で行う必要があります。

 

通常、抗酸性菌の有無を顕微鏡で調べます。塗抹顕微鏡検査では痰1mL当たり10,000個の菌が存在すれば、判定が可能です。再感染の初期やHIVの同時感染者では検出できません。

 

喀痰塗抹標本に抗酸性菌が存在すると、結核の強力な推定証拠となるため、確定診断として陽性マイコバクテリウムの培養又は核酸増幅検査を行います。薬剤感受性試験や遺伝子型決定のために菌を培養分離します。培養することにより痰1mL当たり10個の菌が存在すれば、判定が可能です。固形培地又は液体培地で培養できます。しかし、培養結果の最終確定には3ヶ月が必要です。液体培地や固形培地より感度が高く培養速度が高く、2から3週間で結果が出ます。

 

核酸増幅試験により結核判定時間が従来の1から2週間かかった検査期間を1から2日に短縮することが出来ます。最新の検査方法では最短2時間で結果が得られます。しかし、通常は、核酸増幅法は塗抹陽性標本でのみ使用されます。診断が急を要し、公衆衛生上必要な場合に限り、核酸増幅法が塗抹陰性標本で使用されます。核酸増幅法は痰塗抹法より感度が高く、結核診断のための培養と同様の感度があります。

薬剤感受性試験

 

結核患者に有効な抗結核治療薬を調べるために薬剤感受性試験が行われます。もし、3ヶ月治療後に痰の培養結果が陽性の場合や培養結果が陰性から陽性に変化した場合、試験を繰り返す必要があります。通常の方法では、8週間かかる場合もあります。しかし、新しい分子レベルの薬剤感受性試験では数時間で結果が出ます。

 

ツベルクリン反応検査

 

ツベルクリン反応検査は結核の発症、潜伏、活動を検査するためのもので、活動性結核を診断する検査ではありません。ツベルクリンの検査薬を手のひら側の前腕に皮内に注射します。注射後すぐにはっきりした膨疹が現れます。48時間以内にこの膨疹の直径を測ります。

 

  • 5mm:活動性結核発症リスクが高い。感染した場合は、過去の結核が胸部X線でわかった患者、HIV感染又は薬剤(TNF - α阻害薬又は1ヶ月以上プレドニゾンを1日あたり15mgに相当するコルチコイド)の服用患者、又は感染力のある結核患者に接触した患者。
  • 10mm:発症リスクが高い。例えば、注射による麻薬常習者、結核罹患率の高い地域からの最近移住してきた患者、感染リスクの高い施設(刑務所、ホームレス収容施設)の住人、特定の疾病のある患者(珪肺症、腎不全、糖尿病、頭頸部の癌)、胃切除術又は空回腸バイパス手術を受けた患者。
  • 15mm:発症リスクが低い。

 

ツベルクリン反応検査の結果は患者に熱があったり、高齢、又はHIVに感染、又は病気が重いと、偽陰性になります。彼らの多くはツベルクリン検査に反応しません。この状態をアネルギーと呼びます。アネルギーは阻害抗体が存在するか、多くのTセルが疾病部位に集まり、反応するTセルの数が少ないために生じます。患者が非結核性のマイコバクテリウム感染又はBCG接種を受けているとツベルクリン反応は擬陽性となります。ツベルクリン反応におけるBCG接種の影響は数年で弱まります。弱まった後に、ツベルクリン反応が陽性であると、結核感染の可能性があります。

抗原特異的インターフェロン遊離検査

 

抗原特異的インターフェロン-γ遊離検査は生体外で結核特異抗体に露出されたリンパ球によるインターフェロン-γに基づいた血液検査です。この検査結果はツベルクリン検査の結果とは必ずしも一致しません。抗原特異的インターフェロン-γ遊離検査ツベルクリン検査と同程度の感度があります。以前結核感染した人は検査結果が陰性になります。

 

 

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