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慢性腎臓病と人工透析

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腎臓を痛めると大変なことになりますよ!

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腎臓の機能が低下して機能が10%以下になると人工透析が必要になります。

 

日常生活で腎臓へ負担がかかります。

 

腎臓に負担をかける主たる要因はタンパク質と塩分です。塩分は血管を痛め、タンパク質を消化するとき老廃物がたくさん出ることにより、腎臓の負担が多くなります。

 

 

 

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Photo:  人工透析装置

 

更に、腎臓は血液や血管の状態によっても大きく影響を受けます。血管が傷つくと、慢性の腎臓病となります。糖尿病は毛細血管を傷つけ、高血圧は動脈硬化を起こします。糖尿病が原因の腎臓病を糖尿病性腎症と呼び、高血圧が原因の腎臓病を腎硬化症と呼び、痛風が原因で起こる腎臓病を痛風腎と呼びます。

 

急性の腎臓病は急激に症状が現れますが、治療により回復な場合もあります。

 

これに対して、慢性の腎臓病では自覚症状がありません。腎臓がほとんど機能しなくなるまで気づきません。腎臓が機能しなくなると、老廃物が体外に排出されなくなるため、尿毒症を起こし、死に至ります。

 

腎臓の機能が低下した場合は、腎移植か透析を受けることになります。

 

将来的には、iPS 細胞から出来た腎臓移植も可能だと言われていますが、現在の主流の治療法は透析です。

 

透析には血液透析と腹膜透析の二種類があります。血液透析は病院で機械を使って血液を浄化します。これに対して腹膜透析では、自宅で透析液を使って容易に行うことも出来ますが、最終的には(5から8年で)血液透析に切り替える必要があります。

 

腹膜透析は1日数回毎日行わなければなりません。

これに対して、血液透析は通常1日3から5時間、週3回行います。

 

透析の主たる目的は水分と電解質のバランスが崩れることを防止し、毒素を体外に排出することです。

 

透析を行う長期の目的としては血圧を最適にし、尿毒症を防止し、寿命を伸ばすことです。

 

透析量は透析時間、血液の流量、透析膜の表面積、透析膜の多孔度を増加させることにより調整できます。ライフスタイルに合わせて、夜間の血液透析(6から8時間、週5から6回)、日中の血液透析(1.5から2.5時間、毎日)を上手く組み合わせることも可能です。

 

血液透析を行う前に、血液透析の出入り口である動静脈フィステル(内シャント)を手術で作ります。フィステルが作られていない時や、作れない時は中心静脈カテーテルを使用します。

 

フィステルがカテーテルより長期に使用でき、感染のリスクが少なく優れています。

 

血液透析の出入り口により血栓、感染、動脈瘤、または偽動脈瘤の合併症のリスクが有ります。手術でフィステルを作っても実際に使用できるようになるのに3から6月が必要です。血液透析が必要な場合は、透析開始を見越してフィステルを作っておく必要があります。

 

フィステルは橈骨動脈、上腕動脈、または大腿動脈を隣接する静脈とを静脈の端を動脈の横につなげるように吻合します。必要に応じて血管の移植を行います。

 

血液透析の合併症が起こると、透析は上手くいかなくなり、長期の罹患率および死亡率が上昇します。患者や担当医師は血液透析の出入り口に異常がないか注意する必要があります。

透析による合併症

 

透析を行うと、血圧が低下します。

 

透析を受けている患者の多くは下肢静止不能症候群、痙攣、掻痒症、むかつき嘔吐、頭痛、および胸と背中の痛みなどの合併症が出る場合があります。

 

多くの場合、これらの合併症は初回透析症候群と言われ、血清から尿素と他の浸透圧調整物質が急激に除去されるため脳への液体の浸透圧の変動となって起こります。

 

透析性平衡障害が重症な場合は方向感覚の喪失、不安、眼のかすれ、錯乱状態、発作、更に死に至ることもあります。

 

予後

 

血液透析患者の全体に調整されて年間死亡率は約20%です。糖尿病で血液透析患者の5年生存率は糸球体腎炎の患者より低くなっています。死亡原因の一位は心血管疾患で、次いで感染と、血液透析の中断が挙げられます。

 

慢性の腎臓病にかかると、透析が必要となり、ライフスタイルも大幅に変更しなければならず、余命にも影響が出ます。生活習慣病にかからないように気をつけ、定期的に検診を受けて、腎臓が機能不全にならないようにしなければなりません。

 

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