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乳癌発症の増加原因とリスク要因

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乳癌発症リスクを取り除く

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フリーアナウンサーの小林麻央が乳癌を患っていることがニュースになっています。

 

近年、乳癌を発症する女性が増加しています。1960年代は生涯で乳癌を発症する割合は2%でしたが、現在では7%に増加しています。年間6万人以上が乳癌と診断され、乳癌で死亡する割合も増加傾向にあり、年間約1万3,000人が死亡しており、乳癌発症患者の約30%に相当します。

 

40歳を過ぎたら定期的に自分で乳房にしこりがないかを調べ、年1度は医師の診察やマンモグラフィーの検査を受ける必要があります。

 

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Credit:  マンモグラフィー Fuji Film AMULET

 

乳癌が増加した背景には、喫煙、アルコール摂取の増加、エストロゲンやプロゲステロンを使用したホルモン療法があると言われています。

乳癌発症リスクとして次の要因があります。

 

  • 年齢 … 60歳以上では60%、75歳以上で最大。50歳以上でリスク増加。
  • 乳癌の経験 … 一方の乳房から癌摘出後、残りの乳房の発癌リスクは毎年5から1.0%増加。
  • 家系 … 1親等(母親、姉妹、娘)では2から3倍リスクが増加。親等が離れれば乳癌発症リスク減少。1親等に2名以上乳癌発症者がいればリスクは5から6倍に増加。
  • 遺伝子 … 乳癌遺伝子としてBRCA1およびBRCA2が特定されている。これらの遺伝子を持つ女性は1%以下。これらの遺伝子の両方があると、乳癌発症リスクは50%から85%増加。親等の近い親族に乳癌発症者がいる場合は遺伝子検査が必要。必要に応じて両方の乳房除去が必要。
  • 乳腺線維嚢胞性変化…生検を必要とする病変があると乳癌発症リスクが高まる。乳房のしこりがあるが、組織学的に異常がなければ乳癌発症リスクは高くない。浸潤性乳癌発症リスクがある良性病変として複合繊維腺腫、中等度又は顕症肥大(異形性の場合又は無い場合)、硬化性腺症、及び乳頭腫がある。乳癌発症リスクは異型型乳管又は小葉過形成の患者の平均の4から5倍であり、1親等で浸潤性乳癌の遺伝がある場合は約10倍高くなる。
  • 初潮の年齢、第一子妊娠年齢、及び閉経年齢 … 初潮を12歳以前に迎えると14歳以後に迎える場合と比べて乳癌発症リスクは2から1.4倍に増加。第一子妊娠年齢と閉経年齢が遅いと、乳癌発症リスクが増加。出産経験がないと乳癌発症リスクは出産経験が有る場合と比較して乳癌発症リスクは2倍に増加。原因として、エストロゲン分泌期間が長くなるため。妊娠はエストロゲンレベルが高くなるが、乳癌の発症リスクは減少する。
  • 長期の避妊薬服用又はエストロゲン療法 … 10代から経口避妊薬を服用すると乳癌発症リスクが増加。長期間、経口避妊薬を服用すると乳癌発症リスクが増加。服用中止後10年で乳癌発症リスクが減少。閉経後に併用ホルモン療法(エストロゲンとプロゲスチン)を数年間受けると、乳癌発症リスクが増加。
  • 閉経後の肥満 … 閉経後の肥満により、乳癌発症リスクが増加。月経の有る肥満女性は乳癌発症リスクは低い。
  • 放射線被曝 … 30歳前に放射線治療を受けたり、X線の過剰被爆により乳癌発症リスクが増加。

 

乳癌の発症には遺伝子と、ホルモン療法、それにライフスタイルの変化が関係しています。進行癌である乳癌から身を守るには、遺伝子検査や、乳癌発症リスクを取り除き、定期的にマンモグラフィーの検査を受け、更に喫煙や飲酒も控える必要があります。さもなければ、若くして、夫や子どもと死別することになります。

 

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