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癌の転移 -- 癌の進行度と転移ルート

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癌を原発巣から広げないことが肝要!

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癌の進行度は癌の大きさ、周辺のリンパ節への転移、遠隔臓器への転移の3つの要素で決められています。

 

癌の転移は癌が原発巣から体の他の部位に移動して増殖することです。

 

癌は大きさに応じて危険度が増します。転移がなくても、周辺臓器や血管、神経に影響を与え、障害が出ます。

 

癌が他臓器へ転移した場合、予後は悪くなります。

 

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組織の1つの細胞の遺伝子が徐々に損傷を受けることにより、無限に細胞分裂を繰返すようになります。この状態が悪性腫瘍です。

 

細胞が無制限に分裂すると異型発生腫瘍になり、腫瘍を形成する細胞は異形性、退形成を経て悪性腫瘍になります。悪性腫瘍から転移して体の他の部位で腫瘍を形成します。

 

ある種の癌細胞はリンパ管および・または血管壁に侵入する能力を獲得します。その後癌細胞は血流を通り体の他の組織に至ります。

 

このプロセスをそれぞれリンパ節転移と血行性転移と呼びます。癌細胞が他の部位到達すると、管壁に再び侵入して増殖を繰り返して臨床的に検出可能な腫瘍になります。

 

この新しい腫瘍を転移性腫瘍と呼びます。転移は癌の顕著な特徴で良性な腫瘍と区別されます。ほとんどの腫瘍は程度の差はありますが転移します(しかし、基底細胞癌はほとんど転移しません)。

 

転移は癌の進行度決定の重要な要素です。

 

 

癌の転移ルート

 

ガン転移の経路には次のものがあります。

 

1. 経体腔

 

体腔への悪性腫瘍の転移は腹膜、胸膜、心膜、蜘蛛膜下腔の表面への侵入で起こります。卵巣腫瘍は腹膜を経て肝臓の表面に転移します。

 

2. リンパ節転移

 

リンパ節転移では腫瘍細胞がリンパ節を経て体の他の部位に転移します。癌腫ではリンパ節転移が起こります。これに対して、肉腫ではリンパ節転移はほとんど起こりません。リンパ系は実際に奇静脈を介して全身の静脈系につながっているので、これらの転移細胞は血管系を介して転移します。

 

3. 血行性転移

 

血行性転移は主として肉腫で起こりますが、腎臓を原発とするをある種の癌腫(腎細胞癌)でも起こります。静脈は動脈より血管壁が薄いため、静脈はより転移細胞の侵入を受けやすく、静脈を介して転移が起こります。

 

4.リンパ節転移陽性

 

癌細胞は原発巣の近くのリンパ節(領域リンパ節)に転移することがあります。この転移をリンパ節への転移またはリンパ節転移陽性と呼びます。腫瘍を検査または切除するときは原発巣近辺の少なくとも2つのリンパ節を病理検査します。原発腫瘍の近くの領域リンパ節への限定的な転移は通常転移とは数えません。リンパ管を介した転移は癌の初期転移で最も多く見られます。

器官特異的標的

 

特定の腫瘍は特定の臓器で増殖が早まります。転移細胞が特定の臓器に転移する傾向を「器官特異的標的」と呼びます。例えば、前立腺癌は常に骨に転移します。胃癌は女性ではしばしば卵巣に転移します。

 

癌を原発巣のうちに治療できれは、治癒率は高くなります。早期発見が非常に重要です。

 

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