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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

お薬手帳

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お薬手帳は被災民も国の財政も救う

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クリニックで診察を受け、薬を処方されると、患者は調剤薬局で薬を受け取ります。薬局で健康保険証の提示とお薬手帳を求められます。

調剤薬局ではお薬手帳に処方医、処方薬、調剤薬局のデータを記したシールを貼ってくれます。

 

 

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イメージ出典:まちの薬局

 

通常、患者は処方箋とともにお薬手帳を調剤薬局に渡しているだけで、何が記されているかには関心を払っていません。

 

このお薬手帳に記されているデータは使い方によっては非常に役に立ち、日本の医療制度を大きく変える可能性があります。

 

山陽新聞電子版(2016年5月14日)には次の記事が出ていました。

14日で発生から1カ月を迎えた熊本地震で、避難時に服薬履歴を書いた「お薬手帳」を持ち出すことの有効性が再確認されている。手帳を見て病名や薬の種類が分かり、適切な処置につながった半面、手帳がないために、どの薬を出すか判断が難しいケースがあったからだ。熊本県益城町(ましきまち)で支援活動に当たった経験を踏まえ、岡山赤十字病院(岡山市北区青江)の薬剤師浅野志津さん(48)は「外出時は必ず手帳を持って」と訴える。

 

持病があり処方薬を服用している人が災害にあった場合、特に、糖尿病患者、癌患者等は薬の服用を中断することになり、病気の悪化や命の危険すらでてきます。

 

お薬手帳の情報があれば、患者は病気を悪化させずにすみ、被災地の医療チームも患者に処方薬を渡すことができます。

 

しかし、災害が突発的に発生した場合、人は貴重品すら持ち出す余裕はありません。まして、お薬手帳はなおさらです。

 

サイズの問題だけではなく、お薬手帳をいつも持ち歩くことは不可能です。

 

そこで、IT社会においては、お薬手帳を紙から電子データに変えて、クラウドに置くことは容易なことです。患者個人のお薬手帳のデータはQRコードで管理すれば良く、健康保険証に印刷または貼り付ければ良いのです。

 

クラウド上のお薬手帳のデータは行政、医療機関、調剤薬局、それに患者本人のみがアクセス出来るようにすれば秘密保持も可能です。

 

この結果、患者はお薬手帳を持ち歩く必要が無くなり、QRコートが付いた保険証を紛失しても、行政や医療機関が患者の個人情報に基づいて検索できるようにすれば、災害時でもお薬手帳のデータにアクセス可能です。

 

お薬手帳のデータがクラウドに有るということは全国どこからでもアクセスでき、被災民の処方薬データを集めて、緊急医療物資として必要や薬を被災地に届けることもできます。

 

クラウド化するとハッキングによりプライバシー漏洩の問題を心配する声もかならず出ると思いますが。利点は欠点を遥かに超えます。

 

患者の利点としては、お薬手帳を持ち歩く必要がなく、旅先で病気になっても、現地の医師から服用している薬を処方してもらえます。

 

医師は患者が他のクリニックで処方されている薬を知ることができ、正しい薬を患者に処方することが出来ます。

 

お薬手帳のデータはまさにビッグデータであり、薬の効果や副作用、さらに患者、医療機関、調剤薬局の健康保険の不正もすべて容易に見つけ出すことが出来ます。

 

このことから国は薬の効果や薬害の情報を患者に知らせたり、健康保険に関する不正を見つけ出すことができ、薬にかかる国の財政負担を大幅に削減できます。

 

お薬手帳は被災民も国の財政も救うことができます。