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医学よもやま話

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脳卒中由来の失語症

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脳卒中の後遺症で声が出なくなったら

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厚生労働省発表による2016年の脳卒中患者数は118万人で、そのうち失語症で言葉を失っている人は30%だと言われています。いつ家族や自分が言葉を失うかわからないのです。

 

 

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写真出典:SpringerLink

 

脳梗塞、または脳溢血である脳卒中にかかり、脳の言語領域が損傷を受けると言葉が理解できなくなったり、話せなくなったりします。言語機能の障害は脳の言語領域であるブローカ野とウェニッケ野のどこが損傷をを受けたかにより異なります。書くことと話すことは同じように影響を受けます。

 

失語症の患者は言葉で表現したり、言葉を理解することが困難になります。

言葉の表現や理解の方法や程度は患者により異なります。脳の言語領域の損傷領域に応じて失語症は大きく2種類にわけられます。

 

ブローカ(表現型)失語症

ブローカ野が損傷を受けると、言葉の意味は理解でき、どう表現したら良いは分かりますが、言おうとする言葉が見つからなくなります。上手く話せないために、怒りで話すことをやめてしまいます。

 

ウェニッケ(感受型)失語症

ウェニッケ野が損傷を受けると、言葉を話したり書いたりするのが困難になります。患者は流暢に自然な調子で離しますが、話す言葉は混乱し、言葉が意味不明となります。患者はこれに気づきません。

 

 

コミュニュケーションの取り方

失語症があっても相手の言葉が聞き取れるならば、他の人とコミュニュケーションを取ることが出来ます。

 

コミュニュケーション用品

スマートフォン 

  • 患者に手の障害が無いか軽度なら、スマートフォンの文字音声変換アプリが使えます。文字を入力するとスマートフォンから音声が出ます。文字入力に時間がかかり、イラつくかもしれませんが、家族や他の人とコミュニュケーションが取れ生活の質は格段に向上します。歩行障害がなければ、健常者に近い生活も可能です。

 

コミュニュケーション・ボード 

  • 手に障害があるためにスマートフォンが使えない場合はコミュニュケーション・ボードが使用できます。
  • コミュニュケーション・ボードには予め基本的な言葉と50音を印刷しておきます。基本的な言葉の例として「食事」、「水」、「薬」、など生活に必須な言葉を絵付きで印刷しておきます。基本の言葉と50音を加えて言葉を作ります。
  • 「食事がしたい」なら「食事」と「したい」の2つの印刷された言葉を順にポインターで示せばよいのです。
  • 患者が全く手がが使用できないなら、ポインターを口に加えてボードの絵や文字を指し示せば、最低限度のコミュニュケーションが可能です。細かな意思の疎通は困難でしょうが、最低限度の要求を伝えることが出来ます。
  • レーザポインターを使用すれば、壁に貼るタイプのコミュニュケーション・ボードも使用できます。

 

家族や患者を世話する人はフラストレーションがたまりますが、患者はそれ以上のフラストレーションを感じています。世話する人は失語症は病気であり患者は言葉がほとんど使えないことを理解しなければなりません。

 

脳卒中の後遺症で声が出なくなっても、工夫次第で家族や周りの人、更には外でもコミュニュケーションが取れます。

 

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