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医学よもやま話

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過活動膀胱症候群

泌尿器科

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旅行をするとき窓側の席を予約出来ますか?

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トイレに行く回数が多すぎませんか?

夜中にトイレに行きませんか?

トイレが間に合わなかったことはないですか?

生活習慣を変えて、トレーニングをすれば改善します。

 

 

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過活動膀胱症候群はトイレに急に行きたくなったり、頻繁にトイレに行ったり、トイレに行く前に漏らしてしまう(切迫失禁)ことで症状を言います。膀胱トレーニングにより症状は改善します。

 

一定量の尿が膀胱に溜まると、尿意を感じます。トイレに行き、排尿をすると、排尿筋は収縮し、尿道と骨盤筋が緩みます。

 

脳と、膀胱、それに骨盤底の筋肉の間で神経を通して信号がやり取りされます。この結果、膀胱に尿がたまっていることが分かり、トイレで排尿の筋肉を収縮または緩めます。

 

 

過活動膀胱症候群

膀胱に尿が十分たまっていないときに、突然、膀胱が収縮すると過活動膀胱が起こります。過活動膀胱症候は膀胱炎や前立腺肥大を発症していなくとも、普通に起こる原因不明の症状です。

 

症状

  • 突然性。トイレが我慢できない。
  • 高頻度。1日8回以上。多くの場合、1日10回を超える場合もある。
  • 夜間多尿。夜間、2回以上トイレに行く。
  • 切迫失禁。急に尿意を感じて、トイレに行く前に漏らしてしまう。

 

研究によれば、大人の6人に1人が過活動膀胱の症状があるといわれています。症状は人により異なります。過活動膀胱症候の3人に1人は切迫失禁の症状があります。

 

過活動膀胱症候群の原因

過活動膀胱症候群の原因は特定されていません。排尿を望まない時に、排尿筋が過活動になり、収縮するために起こると考えられています。

 

通常、膀胱が尿で満たされると、排尿筋は緩みます。膀胱が徐々に伸びて、膀胱に尿が半分満たさえると、排尿したいと感じます。

 

正常の人は尿意を感じてから、トイレに都合の良い時間まで我慢することができます。しかし、過活動膀胱の人は、排尿筋が誤ったメッセージを脳に伝えてしまいます。膀胱は実際より多く尿が満たされていると感じてしまいます。

 

膀胱に尿が十分たまっていなくとも、また排尿を望まなくとも、膀胱は非常に速く収縮します。この結果、突然トイレに行たくなり、排尿が我慢できなくなります。

 

過活動膀胱が起こる原因は分かっていませんが、ストレスがたまると過活動膀胱の症状は悪化します。症状はお茶、コーヒー、コーラなどのカフェイン飲料やアルコール飲料で悪化する場合があります。

 

過活動膀胱症候群の治療法

  • 生活スタイルを変える。
  • 膀胱トレーニングを行う。半数の症例で有効。
  • 膀胱トレーニングの代わり、または併用して薬剤を服用する。
  • 必要に応じて、骨盤底訓練を行う。

 

生活習慣を変えるだけで症状を改善することも出来ます。

  • トイレに行きやすくする。トイレの使い勝手が悪かったら、使い勝手を良くする。例えば、トイレに手摺を付けたり便座の高さを変える。室内便器を用意する事も出来る。
  • カフェイン。カフェインはお茶、コーヒー、コーラや一部の鎮痛剤に含まれている。カフェインを摂取すると尿が多く作られる(利尿効果)。カフェインは膀胱に直接刺激して切迫症状を悪化させる。症状が改善するか1週間位、カフェイン飲料を控える。
  • アルコール。場合によっては、アルコールが症状を悪化させる。カフェイン飲料と同じ対応を取る。
  • 水分摂取量を標準の量に抑える。トイレの回数を減らすために、摂取する水分量を減らす人もいるが、水分摂取量を減らすと、尿が濃縮され排尿筋が刺激され、症状が悪化する。毎日、適量の水分を摂取することが必要。1日の水分摂取量は2リットルで、暑い日は増量する。
  • 必要なときにだけトイレに行く。人によっては、必要以上に頻繁にトイレに行く習慣がある。強い尿意を感じなくとも、トイレに行く習慣がついてしまっている。膀胱がいっぱいにならなくとも、排尿すると、過活動膀胱の症状は起こらないと考えてしまいがちである。しかし、長期的に見れば、症状が悪化する。頻繁にトイレに行くとことにより、膀胱は少量の尿の保持に慣れてしまう。膀胱が少し伸びただけで、膀胱は敏感になり、過剰に反応してしまう。トイレを少し長く我慢する必要がある場合(外出先など)、症状は以前より悪化してしまう。

 

膀胱トレーニング

膀胱が徐々に多量の尿を保持できるように、膀胱が徐々に拡張できるようにしていきます。トレーニングを積めば、排尿筋は過活動するすることが少なくなり、膀胱をよりコントロールできるようになります。尿意を感じてからトイレに行くまでの時間を長くすることが出来ます。この結果、尿漏れは減少します。

 

排尿の日記を付ける必要があります。日記には排尿時間、排尿量を記録します。また、尿漏れがあった場合この時間も記入します。

 

日記を開始したら、2から3日間、普通にトイレに行きます。これによりトイレに行く頻度と各回ごとの排尿量の基準が決められます。もし、過活動膀胱の症状がある場合、1時間毎にトイレに行き、一回あたり排尿量は100から200ml位だと言われています。

 

基準を決めてから2から3日後、トイレに行くことをできるだけ長く我慢します。最初はトイレを我慢することは困難かもしれません。トイレを我慢するときは、次のようにすると気を紛らわせることができます。

  • 硬い椅子にまっすぐ座る。
  • 100から数を減らして数えてゆく。

 

時間が経てば、膀胱が多量の尿の保持に慣れてゆき、トイレを容易に我慢できるようになります。トイレに行く間隔を開けて、膀胱がより簡単に広がるように訓練します。トレーニングには数週間必要かもしれません。トイレに行く回数を5から6回に減らすことを目標にします(3から4時間に1回)。トイレに行く度に、基準値以上の排尿をする必要があります(正常の人がトイレに行くごとの排尿量は平均250から350mlであると言われています)。トレーニング開始から数ヶ月で、正常の排尿感覚が持てるようになるでしょう。この結果、トイレに行くことを都合の良い時間まで我慢できるようになります。

 

膀胱トレーニングは困難かもしれませんが、時間をかけ、努力することにより排尿のコントロールが出来るようになります。膀胱訓練をするときは、標準の水分摂取を厳守する必要があります。

 

過活動膀胱の治療に薬や外科手術も行われています。膀胱トレーニングで症状が改善しないときは、専門医の診察をうける必要があります。

 

膀胱トレーニングを積めば、旅行をするとき窓側の席を予約することが出来ます。

 

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Keywords

過活動膀胱 overactive bladder;骨盤底訓練 pelvic floor exercise;切迫失禁 Urge incontinence;尿管 ureters;尿道 urethra;排尿筋 detrusor;膀胱トレーニング bladder training;夜間多尿 nocturia