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職場は細菌培養用シャーレだ

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見知らぬ微生物との共存

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我々人間は微生物と共存しています。

人間の体内には腸内フローラが形成され、善玉菌、悪玉菌、それに日和見菌が住んでいます。善玉菌は体に良いことをするビフィズス菌、乳酸菌などで、悪玉菌は体に悪いことをするウェルシュ菌やフドウ球菌などで、日和見菌は体の体力が落ちてくると悪さをするバクテロイデス、嫌気性連鎖球菌などです。

口の中には無害な雑菌、歯周病を引き起こす歯周菌、虫歯を引き起こす虫歯菌

など様々な菌がいます。また皮膚には様々なカビ、細菌などが生息しています。

 

職場には、キーボード、エアコン、コーヒー・メーカー、プリンター、電話機等様々な事務用品が使われています。

 

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どこの職場にも必ずこれらの事務用品があり、職場はすべて単調でどこも同じだと考えがちです。

 

しかし、職場は微生物で満ち溢れています。人間の皮膚のかけらや毛髪などはもちろんのこと、細菌、カビなど。これらの微生物は人間の健康に害を及ぼす可能性があります。しかし、私たちは我々と職場を共有している見えない微生物相についてはほとんど何も分かっていません。

 

 

アメリカ北アリゾナ大学のグレッグ・カポラソ准教授は微生物調査を行い、研究成果を"mSystems "に発表しました。

 

研究チームは細菌やカビが職場で働いている人の健康にどのような健康被害を及ぼし、地面、職場、車、病院、家庭にどんな微生物が住み着いているかを調べました。

 

研究チームはアメリカの気候の異なる3都市を選び出し、これらの職場で生息している微生物を調べ、見つけた微生物のカタログを作成しました。

 

実際、職場の場所により存在している微生物が決まります。微生物の種類は建物の材質や露光や湿度のような環境要因により変化しないことが分かりました。

 

サンプルを集めた場所により存在する微生物が異なります。床には最も多くの微生物がいました。(仕事をするとき、椅子に座り、地面に座らないのには理由があるのです)。

 

微生物相は職場ごとに異なりますが、都市間で最も大きく変化します。このことは他の要因例えば、職場の規模、空調、使用頻度、などより重要です。

 

職場の微生物相はその周りの世界と密接に関係しています。人は歩くことにより、皮膚のかけらや髪の毛を撒き散らかしています(人間の皮膚の細菌は少なくとも職場の微生物相の25%を占めています)。人が物に接触すると、人に生息している微生物の一部が接触した所に残ります。空気により戸外微生物を運ばれます。泥のついた靴や外套から塵や埃が落ちます。

 

これは重大な問題ではなく、必ずしも悪い事ではありません。人間が住む環境における微生物の多様性は生命が維持出来ることの証明にもあります。洪水のような劇的な環境の変化により微生物相がどう変わるかが次の研究テーマとなる見込みです。最終目標は健康な微生物相の構造を知ることにより、職場の勤務者を健康にすることです。

 

キスをすると10秒で8000万個の微生物が移動することが分かっています(オランダ応用化学研究機構のレムコ・コルト氏らの研究グループが、ミクロバイオム誌で2014年11月17日に発表)。

 

多くの日本人がキスをするようになると、平均寿命が短くなるかもしれません。

 

共存している微生物を知ればより健康になれそうです。

  

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悪玉菌 pathogenic bacteria;ウェルシュ菌 Clostridium perfringens;カビ fungus;細菌 bacterium;雑菌 various bacteria;歯周菌 periodontal disease bacteria;歯周病 periodontal disease;シャーレ petri dish;善玉菌 probiotics;腸内フローラ intestinal bacterial flora;乳酸菌 lactic acid bacterium;微生物 microorganism;微生物相 microbiome;ビフィズス菌 bifidobacteria;日和見菌 opportunistic pathogen;フドウ球菌 Staphylococcus;虫歯 decayed tooth;虫歯菌   decay-causing bacteria