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医学よもやま話

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地震とPTSD

脳科学

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熊本地震では4月14日のマグニチュード7の地震が前震であり、4月16日午前1時に発生したマグニチュード7.3の地震が本震である可能性が高いと気象庁が発表しています。

 

前の地震で相当の被害が起こり、その後も強い余震に見舞われ、さらに4月16日の地震が本震だという発表を聞くと、被災者はもちろんのこと、被害に遭遇しなかった人でも精神的ショックは非常に強くなります。

 

 

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倒壊家屋の下敷きになり、かろうじて救出された人、自分の家は無事だったが、周りの住宅が被害を受けた人、余震の恐怖で震えていることだと思います。

 

この怖い経験を引きずると心的外傷後ストレス障害(PTSD)と言う病に罹ることがあります。

 

症状

  • 地震のことでうなされる。単に思い出すのではなく、実際に起こっているように再現してしまう。ちょっとした振動でも、地震が起こったと思ってしまう。周りのことに気が回らなくなる。
  • 地震を思い出させることに出会うと、精神的または肉体的苦痛を強く感じる。地震の映像を見ただけで恐怖に襲われる。
  • 地震を思い出させるすべてのこと、活動、状況、または人々を避けてしまう。
  • 地震の重要な部分は思い出すことができない。
  • 感情的に麻痺して、他人を避ける。鬱症状が出る。以前楽しかったことに興味を示さなくなる。
  • 地震についての考えがゆがんでしまい、起こったことについて自分自身または他人を非難する。罪の意識が強くなる。他の人が死んだときは、自分が生きていることに罪の意識を感じる。恐れ、恐怖、怒り、恥などのマイナスの感情しか持たなくなる。幸福、満足、愛などという感情は持てなくなる。
  • 眠れなくなり、集中できなくなる。
  • 警告に対して極度に警戒するようになり、些細な事で驚かされる。
  • 無謀な行動をとったりまたは怒りが爆発する。
  • 心配を減らすために、病的な行動を取る。

 

治療方法

治療方法として、心理療法と薬物療法があります。

 

心理療法として開放療法が行われています。心的外傷となった場面の記憶に直面させ、感情移入及び思いやりを持って、精神的苦痛を受け入れます。患者の反応は当然であると確信させて、記憶に直面するように勇気づけます。

もし、生き残ったことに罪の意識を感じるなら、心理療法によりネガティブで歪んだ考え方を理解させて、改めさせます。

 

薬物療法として抗鬱剤、特に選択的セロトニン再取込み阻害薬は特に有効です。

プラゾシン(高血圧症治療薬)は悪夢の症状を抑えるのに有効です。

気分を安定させる薬剤(バルプロエート)や精神病治療薬が使用されていますが、効果は明確ではありません。

 

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熊本地震とクラッシュ症候群

 

Keywords

抗鬱剤 antidepressant;心的外傷後ストレス障害 PTSD (Post Traumatic Stress Disorder);選択的セロトニン再取込み阻害薬 selective serotonin reuptake inhibitor;バルプロエート valproate;プラゾシン Prazosin