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遺伝子病の発症を抑える遺伝子発見

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親の変異した遺伝子を子供が受け継ぐと、子供が遺伝子病になる確率が高くなリます。遺伝子病を引き起こす変異した遺伝子があっても、遺伝子病を発症せずに健康な人がいることが分かってきました。

 

親の嚢胞性繊維症のような遺伝性先天性欠損症を引き起こす変異した遺伝子を子供が受け継ぐと、子供はその病気に罹ったり、障害を持つことになります。

 

Nature Biotechnologyの記事によると、アメリカの研究チームは変異した遺伝子を受け継ぎましたが、遺伝的な運命を避けることができた、まれな例を見つけました。

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写真出典:My Code

 

約600,000人の遺伝子構造を分析した結果、その中の13人は恐ろしい小児病を発症する変異した遺伝子を受け継ぎましたが、病気を発症せず、健康であることが分かりました。

 

変異した遺伝子の発現をどのように抑える事ができるかが分かれば先天的欠損症に対する治療が可能となります。

 

この研究は変異した遺伝子から人を守る「変更遺伝子」の発見につながることが期待されています。

 

 

変更遺伝子の機能を使った薬剤や治療法が見つかれば先天的欠損の治療や防止が可能となり、新たな戦略への第一歩となります。

 

研究チームでは親から子に受け継がれ、1個の遺伝子の変異により引き起こされる遺伝病であるメンデル障害に注目しました。

 

研究チームは病気を発症する変異のある遺伝子を受け継いでいるが発病していない健康な人を対象としました。

 

研究チームは遺伝子検査を行っている多数の研究チームの協力を受けて590,000人の遺伝子データを集めました。

 

被験者それぞれについて125の異なるメンデル障害に関係し、完全に受け継がれた874個の変異のある遺伝子を調べました。変異のある遺伝子を受け継いでいる人の健康状態について、いずれかの軽微な病気を発症していないかが調べられました。

 

解析の結果8つのメンデル障害の病状に完全に適応力のある13人を見つけ出すことができました。

 

メンデル障害として重篤な肺疾患である嚢胞性線維症、致死的な発育障害であるスミス・レムリ・オピツ症候群、幼児の早い段階で致死率の高い神経疾患である家族性自律神経異常症、小児期に発症する自己免疫疾患であるAPECED、皮膚に水疱ができる単純型表皮水疱症や骨格障害が受け継がれていましたが、発病しておらず、健康な人でした。

 

今後の追跡調査により、被験者が自己を保護する特殊な遺伝子を持っているのか、あるいは、特殊な環境要因が彼らを通常避けられない遺伝疾患から防いでいるかかが判明するでしょう。

 

研究チームの一部では遺伝疾患を受け継いでいるが、発病しておらず、健康な被験者について研究を行っています。

 

研究チームはこの先進的なプロジエクトにより適応力のある被験者を見つけ出し、これにより遺伝子病発症の防止に直接役立つ遺伝子の検出につながることを期待しています。

 

適応力のある被験者数は非常に少ないので、幸運な人を見つけるために、さらに数百万人の遺伝子を解析する必要があります。

 

医学の研究においても、ビッグデータが活用され、研究が加速度的に進み、遺伝子病の発症を防ぐ遺伝子の研究が進むことでしょう。

 

Keywords & Related Topics

遺伝子構造 genetic makeup;遺伝子病 hereditary disease;家族性自律神経異常症 familial dysautonomia;自己免疫疾患  autoimmune disease;水疱 blister;先天的欠損症 birth defect;単純型表皮水疱症 epidermolysis bullosa simplex;嚢胞性繊維症 cystic fibrosis;変更遺伝子 modifier gene;メンデル障害 Mendelian disorder