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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

感謝の気持ちで

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家族が認知症になったら

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日本の平均寿命の伸びは日本の医療水準の高さを示していますが、その反面、現在の医学では克服できない病気により社会問題がますます顕著になってきます。

 

65歳以上の高齢者の15%が罹患すると言われている認知症対策は待ったなしです。

家族が認知症になっても慌てることなく、患者の認知症が急激に進まないように気をつけ、家族と患者の関係が悪くならないようにして、患者の残りの人生を少しでも幸せとなるように準備しておきましょう。

  

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患者と家族の安全対策

 

患者と家族がが安全に生活できるようにしましょう。患者が転倒の危険性のあるとことを抜き出しおき。対策を講じましょう。廊下やベッドには手摺を取り付け、2階での暮らしを1階に変えたりして、患者が転倒しないように気をつけましょう。転倒すると、骨折により、入院することにより認知症が急速に進みます。

 

入院することになったら、家族は毎日のように患者に会いにゆき、孤独感を感じさせないようにしましょう。

 

正常な人では何とも無い物が認知症患者には危険な物となります。そのため、患者は普段どのように行動するかを考えておく必要がります。

  •  ナイフは患者の目に触れさせない所にしまっておく。
  • ストープは電源を抜いて、患者がスイッチを入れても火がつかないようにしておく。
  • 煙検知器を取り付ける。万一、火の不始末があってもすぐに対応できるようにする。
  • 留守にしても安全なように家にカメラを設置して家の外からスマートフォンで患者の状態をチェックできるようにする。
  • トイレを詰まらせない対策をとる。認知症が進むと、患者は下着や尿漏れパッドなどをトイレに流して、詰まらせてしまい、水がトイレに溢れてしまう。一度つまらせたら、トイレで、ポータブルの便器を使用させ、水洗式の便器は使わせないようにする、もしくは水が流れないようにする。
  • 認知症患者によっては便をいじる患者もいる(弄便と言う)。一度弄便があったら、トイレは使用させず、おむつに切り替え、かつパジャマはつなぎタイプを使用させて、患者が便に触れさせないようにして弄便を防ぐ。トイレを溢れさせたり、弄便があると家族のストレスが増し、患者との関係が悪化するので、ポータブルのトイレやおむつとつなぎパジャマの使用により関係悪化を防ぐ。
  • 薬は、はっきり見えるところに置く。飲み忘れがないように一回分をまとめて患者が良く見える所に貼り付けておく。
  • 車は見えない所に移動させる、車のキーを目の届かない所に隠して、運転させないようにする。認知症患者は安全に運転できない。
  • 患者に喫煙の習慣があったら、タバコ、ライタ、マッチを隠して、一人では吸わさせない。吸わせるときは、必ず家族の誰かを付き添わせる。
  • 認知症が進むと、家のトイレの場所がわからなくなり、失禁してしまう。これを防ぐために、トイレの場所を矢印などで患者がすぐ分かるようにしておく。
  • 患者が徘徊するようなら、GPS装置を患者に取り付ける。これにより、患者が、外で迷子になっても容易に追跡できる。
  • 症状が重くなると、家族の介護は限度があるので介護ヘルパーを有効に活用する。経済的に余裕があるなら、介護施設への入所を検討する。

 

患者の環境対策

  • 認知症が軽度の時や中度の時は、患者は家族と暮らしたほうが安心出来る。孤独な環境だと認知症が早く進行する。
  • 自宅で介護するかまたは施設に入所させるかを問わず、患者が自分で身の回りの世話ができ、尊厳が感じれるように環境を整える。
  • 大きなカレンダーと大きな時計を部屋に置き、患者が今日が何月何日か分かるようにして、時間の観念を持たせる。今日やることをボードに大きな字で書き込んでおく。これにより、患者の適応力が維持でき、認知症の進行を遅らせることが出来る。
  • 周りの環境や、日課、周囲の人々が変わったら、些細な事は省いて、正確に、わかりやすく説明する。患者に疎外感を感じさせなようにする。患者に、これからする事を伝える(例えば、食事を摂ること、病院へ行くこと、入浴することなで)。十分理解させたうえで、行動させると反抗はなくなる。
  • 患者の親族や友人から患者と話をしにきてもらう。患者の社会性が維持できる。
  • 患者が適応力を維持し、注意力を失わないようする。部屋は適度に明るくし、絶えず患者に刺激を与える(ラジオやテレビを付けて、音楽などが聞こえるようにしておく)。
  • 患者を静で、暗い部屋で一人にしておかない。認知症が急激に進行する。
  • 患者に何か活動を行わせると認知機能が維持できる。認知症が始まる前に好きだったことをやらせる。例えば、簡単な手作業をさせる。楽器を弾かせる、歌を歌わせる。絵をかかせる。ゲームをさせる。活動は楽しいもので、刺激を与えるものを選ぶ。難しい活動は避ける。
  • 体操をさせて、不安を取り除き、バランス感覚を維持させる。体操をさせることにより、患者は良く眠れるようになり、異常な行動を防止できる。徘徊も防止できる場合もある。
  • 患者にペットや会話をするロボットなどを与え、心をなごませる。
  • 作業療法や音楽療法により運動能力が維持され、言語以外の刺激が与えられる。
  • グループ療法(回想療法や社会活動)ではグループ数名で共通する話題を選び思い出を語り合わせる。気持ちを和ませ、感情を安定させることができる。話をする事で孤独感を無くし、楽しい時間を過ごさせることができ、精神面や行動面が安定する。

 

家族が認知症を発症したら、介護は大変ですが、感謝の気持ちを持って、患者の残りの人生を過ごしてもらいたいものです。

 

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Keywords

認知症 dementia;弄便 coprophilia;介護施設 nursing home;グループ療法 group therapy;徘徊 wandering;介護ヘルパー home health aide;音楽療法 music therapy;作業療法 occupational therapy;回想療法 reminiscence therapy;対人能力 interpersonal skill