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医学よもやま話

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仏作って魂入れず

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総合診療医とかかりつけ医

 

NHKの人気番組に「ドクターG」があります。

ドクターGとはジェネラル・ドクターすなわち総合診療医のことです。

 

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「ドクターG」では現役医師が担当した症例をドラマ化し、新人研修医に病名を当てさせる番組です。研修医は患者の症状、問診、検査から本当の病名を突き止めます。最初は適切な診断が出来ず、さらに再現ドラマを進めて、医師のヒントで最終的に本当の病名にたどり着く番組です。まさに、クリニックと総合診療医のいる病院との格差を見せつけられています。

 

総合診療医とは広範な医学知識と経験を持ち、難病の患者の診察、治療が行える医師です。

 

一部の個人クリニックでは内科、外科、小児科を一人の医師で対応していますが、これは総合診療医レベルではなく、広く浅くというだけで、患者にとっては有り難い存在ではありません。日本のほとんどのクリニックでは、医師は内科、外科、小児科など診療科に別れ、複数の診療科があるクリニックではそれぞれ担当の医師が診察を行っています。現在、総合診療科を設けているのは大学附属病院、公立病院などの大病院に限られており、一般患者が総合診療医の診察を受ける機会はほとんどありません。

 

クリニックにかかるのは、近くに病院がないか、症状が軽いか、持病があり薬を処方してもらっている時だけです。クリニックでは十分な検査が受けれないので、患者は選定療養費を払ってでも、中核の病院で診てもらっているのが現状です。病状が重い場合、クリニックの診察や検査が無駄になり、さらに紹介状の作成費用が必要だからです。もっと重要なことは、医師の「処方する薬を飲んで、様子を見ましょう」という言葉に従ったために、病状が進行し、手遅れになることを恐れるからです。

 

国が推進している「かかりつけ医」の制度は広範な医療知識を医師に要求するものとされています。さらに、認定は3年毎に更新することになっています。この制度が厳密に実施されたら、日本の医療レベルは確実に向上するでしょう。しかし、認定が地域の医療団体に丸投げされ、骨抜きになっているなら、医師の医療レベルの向上は望めません。

 

制度の真の目的が、大病院の混雑緩和を理由に、患者を一般クリニックへ

誘導することであったら問題です。官と業界の慣れ合いです。かかりつけ医というステータスで患者を安心させ、さらに大病院に高額な選定療養費を徴収させることにより、患者をクリニックに誘導する。これは少しうがった見方でしょうか。

 

制度が厳密に実施されれば、認定医は一定のステータスを持つこととなり、患者の信頼も厚くなり。患者は大病院に行く必要もなくなり、大病院の混雑も緩和されます。すべては、かかりつけ医の認定基準の厳格運用にかかています。

 

仏像を金色に輝かせても有り難みはありません。ご利益があるから、信者は有り難いのです。

 

仏作って魂入れずでは困りものです。

 

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Keywords

かかりつけ医 family doctor;総合診療医 general doctor;研修医 intern;内科 internal medicine;外科 surgery;小児科 pediatrics