読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

医学よもやま話

医学情報をご提供します。

一粒で2度美味しい

循環器科 癌治療

advertisement

乳癌検査で心臓疾患のリスクが分かる

 

「一粒で2度美味しい」はグリコ製菓の「アーモンドグリコ」のキャッチフレーズです。アーモンド入のキャラメルです。1955年(昭和30年)に発売され、60年もの長い間、日本人に親しまれています。

 

f:id:tpspi:20160404083513j:plain

 

報道によると、マンモグラム(乳房X線画像)を使った乳癌検査で検出された乳房動脈内のカルシウムの量と心臓冠動脈内のカルシウムの量に強い相関があることが分かりました。冠動脈内のカルシウム量は狭心症や心筋梗塞の心臓疾患の主要な予測因子であるため、マンモグラムで心臓疾患のリスクが診断できることになります。

 

f:id:tpspi:20160404083533j:plain

 

乳癌は女性の死亡原因第1位で、14人に1人が罹患すると言われています。年間約6万人が乳癌と診断され、そのうち13,000人余りが死亡しています。

そのため、近年マンモグラムを受ける女性が急増しています。

 

 

女性の心臓病死亡者数は乳癌死亡者数の10倍であることから、今回の研究成果は非常に重要です。2015年(平成25年)の統計では女性の心臓病死亡者数は約105,000人にのぼっています。これまで、診療科の垣根があるため、乳腺科の医師たちはマンモグラフによる乳房血管の映像を使って循環器科領域である心臓疾患のリスクの判定に使うことは出来ませんでした。

 

乳癌になると乳房組織にカルシウムにが沈着します。同時に、乳房内の血管にもカルシュウムが沈着し石灰化が起きます。このカルシウムの沈着はプラークにより血管が狭くなっていること(アテローム性動脈硬化症)が起きていることを示しています。

 

この結果、患者の乳房組織の石灰化が癌の徴候を示していなくとも、乳房の血管にカルシュウムの沈着があれば心臓疾患のリスクが判定できるわけです。

 

マンモグラムは女性にとって最も罹患率の高い疾患である心臓疾患のリスクを判定することができる重要なツールとなるわけです。

 

これまで、コレステロール値、血圧値、及び血糖値を測定して心臓疾患のリスクを判定していました。これからはマンモグラムを使って、より短時間で、約15秒で、心臓病疾患のリスクを判定できます。

 

これからは、マンモグラムを乳癌検査だけに使用するのではなく、健康診断の必須検査項目として、罹患率の高い心臓疾患のリスクの判定に活用できそうです。これにより、被爆線量、検査時間、費用の低減が図れるようになり、これまで検査に時間がかかった重大疾病のリスクが瞬時に分かるようなるのです。「一粒で2度美味しい」検査です。

 

Keywords

マンモグラム mammogram;アテローム性動脈硬化症 atherosclerosis;乳癌検査 breast cancer screening;冠動脈        coronary artery;狭心症 angina;心筋梗塞 myocardial infarction;石灰化 calcification;プラーク plaque