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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

喀血と吐血

循環器科 胃腸科

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喀血や吐血は死の入り口ではない

 

寝たきりの老人が咳き込んで、血が混じった痰を吐くと、胸の病は重く死期が近づいているように思ってしまいます。現代の医療ではこの疾病をどのように捉えているのでしょうか。

呼吸器官からの出血で通常咳を伴うものを喀血と呼びます。

いずれの疾病でも、軽度な場合も深刻な場合もあります。

喀血は咳とともに呼吸器官からの出血です。通常は痰に混じりますが鮮血を吐き出す場合もあります。口、喉、鼻からの出血が痰に混じっている場合はそれほど緊急性はありません。喫煙者の痰に血が混じっているときは精密検査が必要です。

喀血の主たる病因は気管支炎や肺炎です。さらにHIV、免疫抑制剤の使用、結核などの場合もあります。幼児の場合は下気道の感染、異物の誤飲の可能性もあります。大量の喀血の場合は肺癌、気管支拡張症、結核性肺炎が考えられます。

 

喀血の深刻な病態として大量の喀血、息苦しさ、貧血状態、疲労感、気管切開歴があげられます。

大量の喀血があった場合は直ちに救急車を呼び専門医の治療を受ける必要があります。呼吸器官の出血は気道を塞ぐ血栓となり呼吸障害が進行します。

 

専門医はX線、CT、または気管支鏡検査を行います。喀血が呼吸器官の主要な血管から発生している場合は肺動脈血管造影塞栓法で血管からの出血を止めます。X線を使って、カテーテルを血管に入れ、止血剤、ゼラチン、またはワイヤーコイルで止血します。

 

これと紛らわしい疾病に消化器官からの出血で目視できるものを吐血と呼びます。出血が多い場合は鮮やかな赤色であり、出血が緩やかな場合は胃酸により黒ずんでいます。

 

吐血の主たる原因は胃潰瘍または十二指腸潰瘍です。

吐血の深刻な状態は失神、発汗、心拍数>100、吐血量>250 mLです。このような場合は、直ちに救急車を呼び専門医の治療を受ける必要があります。

 

専門医は内視鏡(胃カメラ)や血管造影検査を行って消化器官からの吐血部位を見つけだします。吐血が胃潰瘍からの出血の場合は内視鏡検査時に吐血部を止血します。吐血量が多い場合は輸液または輸血を行います。

 

喀血や吐血だからといって死期が近いわけではありません。信頼できる専門医の診断、治療を受ければ、命は助かります。まず、喀血や吐血の原因を作らないことが何より重要です。

 

Keywords

 

喀血 hemoptysis;吐血 hematemesis;痰 sputum;呼吸器官 respiratory organs;咳 cough;気管支炎 bronchitis;肺炎 pneumonia;気管支拡張症 bronchiectasis;肺癌 lung cancer;結核 tuberculosis;免疫抑制剤 immunosuppressant;気管支鏡検査 bronchoscopy;肺動脈血管造影塞栓 bronchial artery angiography and embolization;胃酸 gastric acid;胃潰瘍 gastric ulcer;十二指腸潰瘍 duodenal ulcer;失神 syncope;発汗 diaphoresis;心拍数 heart rate;内視鏡 endoscope;血管造影検査 angiography;消化器官  digestive organs;輸血 blood transfusion