医学よもやま話

医学情報をご提供します。

西洋医学と漢方医学

advertisement

医は科学的根拠に基づかなければならない

 

現在の医学に対して、明治以前の医学を漢方医学と呼び、これに従事した医師を漢方医と呼びました。漢方医学には鍼、灸、指圧、按摩などの手技や、漢方薬を含みます。

 

これらの手技や、漢方薬は中国から伝わり、日本で発展しました。これらの手技には鎮痛効果があり、漢方薬には薬効のあるものもあり、江戸時代研究が進み多くの人が恩恵を受けました。

 

しかし、明治政府は漢方医学を捨て西洋医学に乗り換えました。西洋医学を習得した者のみを医師と認め、これまでの漢方医は医師と認めなくなりました。明治時代には抗生薬(フレミング1928年に発見)も、X線(レントゲン1895年に発見)も普及してない時代に政府が西洋医学に乗り換え理由は西洋医学が科学的根拠に基づいていたからです。漢方薬については成分分析の結果有効成分が含まれていることから、現代医学に取り入れられており、1967年より薬価に収録され、2007年から医学部でのカリキュラムに取り入れられています。漢方薬は現在では、薬効が認められているものも多数あり、漢方の本場の中国、香港などからの爆買いが起こっているとのニュースがありました。

 

これに対して西洋医学は幕末にはオランダから日本に伝えられました。杉田玄白らが解体新書の翻訳を行い、これにより日本の医学は西洋医学へと大きく舵を切る事になりました。日本の近代医学は緒方洪庵により始められました。緒方洪庵はは大阪で適塾(現在の大阪大学)を開き人才の育成に貢献しました。1849年には種痘の接種を開始しています。

 

 

日本では、西洋医学を正規の医学と考え、漢方医学を補完・代替医療と捉えています。鍼、灸、指圧、按摩の効果は痛みの軽減、腫れを鎮め、筋肉のこわばりを緩めることです。体に対する手技は感染症やその他の疾病につながることもあり、民間療法等として放置しておくことは出来ず、国は手技に携わる者に試験を課し合格して者のみに業務を認めています。業として手技を行えるのは、医師、鍼灸師、柔道整復師、按摩マッサージ指圧師です。漢方薬については、処方は医師が行い、調合は漢方薬・生薬認定薬剤師が行います。

 

医師は科学的根拠に基づいた診断や治療を行いますが、医療過誤により症状が悪化したり、死亡する場合もあります。体に異常があるのに医師が疾病を見落とし、何ら検査や治療を行わない場合があります。患者が自然治癒により回復すれば、医師が何ら科学的根拠に基づかないで診断を行ったとしても、患者は医師を信頼してしまいます。もし、患者に進行性の癌があり医師が見落とせば、患者が他の医療機関で診察を受けても、手遅れで死に至ることもあります。

 

以前、ホームレスを入院させて臓器の手術を行い、不当な保健請求により、摘発されたニュースがありました。また、準備不足で、患者の脂肪吸引を行い患者を死亡させたり、眼科医が不適切な方法でレーシック手術行い、患者を失明させることもありました。また、審美歯科治療では正常な歯を削り、高額なセラミックを被せる療法も行われています。患者はずっと高額な費用を払い続けなければなりません。患者は不要な手術で一生苦しむことになります。

 

 

医療従事者は科学的根拠に基づいた医療に心がけてもらいたいと思います。

 

次の、一節は緒方洪庵の訳による、ベルリン大学教授のフェーフェランドの戒めの言葉です。

 

扶氏医戒之略

一、医の世に生活するは人の為のみ、おのれがためにあらずということを其業の本旨とす。安逸を思はず、名利を顧みず、唯おのれをすてて人を救はんことを希ふべし。人の生命を保全し、人の疾病を復治し、人の患苦を寛解するの外他事あるものにあらず。

 

関連ページ  ヒポクラテスが泣いている

 

 

補完及び代替医療          complementary and alternative medicine

科学的根拠に基づいた医療        evidence-based practice.

鍼          acupuncture

指圧      chiropractic treatment

灸          moxibustion

按摩      massage

漢方薬                Kanpo