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医学よもやま話

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学ばなければ死が待っている!

医学史

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歴史最悪な医学アドバイス

 

アメリカのヒストリーチャンネルで「歴史上最悪の医学アドバイス- Worst Medical Advice?」という番組がありました。(アメリカ放送日Feb 18, 2016)

 

歴史上最悪の医学アドバイスは

  • 喫煙は健康に良い。
  • 瀉血は万病に効く。(瀉血とは体から血を抜いて毒を出すことです。近代まで欧米で行われていました。)
  • 大脳白質切除で精神病は治る。
  • 適当に歯を抜くことで脳に刺激を与えられ、鬱病が治る。
  • 水銀を飲むと便秘、梅毒、その他の病に効く。
  • 尿を飲むと体が浄化される。

 

現代の常識からすると、滑稽であり恐ろしいことばかりです。喫煙や尿を飲むことは最悪のアドバイスですが、直ちに死に至ることはありません。水銀を飲むことや瀉血は死に至ることもあります。

 

しかし、大脳白質切除は医学的理由をつけて何万人の患者に行われました。手術を受けた患者は後遺症のために、通常の生活に戻ることができませんでした。

 

 

最新の医学アドバイスも、近い将来、最悪の医学アドバイスと考えられるかもしれません。我々は治療に激痛があったり、生活が変わったり、効果が無かったりしても、疑いもせず最善のものとして治療を受けています。

 

しかし、意味のない医学アドバイスであるが直ちに害が及ばないものについて考えて見る必要があります。

 

その一例が根拠の無い健康食品です。メディアには健康食品の宣伝があふれていますが、本当に効果があるかは不明です。タレントが出演して効果を強調していますが。テロップに「これは個人の見解です」と表示されています。販売会社は責任を負わないと言っているわけです。

 

少し乱暴ですが、「尿を飲むと体が浄化される」と言うことと変わりがありません。宗教による治癒もこれに分類されます。

 

これらの健康食品の摂取は無害かもしれませんが、他の栄養のある食品を摂取していればより健康でいれたかもしれません。しかも無駄な費用なく。

 

現在、美容整形が盛んですが、健康な体にメスをいれるわけで、感染のリスク、歳を取った時、整形箇所がどうなるかも不明です。これも将来最悪の医学アドバイスと言われるようになるかもしれません。

 

 

現在行われている医学アドバイスで将来最悪の医学アドバイスの候補として次のものがあります。

 

  • 治療後の継続的なオピオイドの服用。
  • 普通の風邪に抗生剤を処方すること。
  • 自閉症のリスクを軽減するために予防接種を避けること。
  • 悪性腫瘍に効果が不明確な化学療法を行うこと。
  • 悪性腫瘍に局所放射線治療を行うこと。

 

オピオイドの蔓延により、患者は精神障害を起こし、これが社会問題化しています。

抗生剤の過剰投与により耐性菌が増加し、死亡者増加につながっています。

悪性腫瘍に効果が不明確な化学療法を行うことにより血管、肺、内分泌系が損傷を受けます。

悪性腫瘍に高線量の放射線治療を行うことにより、脳、神経、軟組織、骨、消化系に損傷を受けます。

化学療法と放射線療法は多くの癌患者を救ってきましたが、療法自体の重篤な副作用により死に至る場合もあります。

 

医学の進歩により、正確な診断と治療ができるようになってきています。

患者は医学アドバイスの有効性に注意しなければならいません。

物の場合は不都合があれば買い直せますが、命は一つです。

医学アドバイスを受ける患者として、治療の利点と欠点を十分に理解し、その医学アドバイスがメディアで誘導されたものか否かを判断する必要があります。

 

学ばなければ、死が待っています。

 

参考資料: MedCity News  http://medcitynews.com/2016/03/the-worst-medical-device-advice-in-history/

 

瀉血      bloodletting

大脳白質切除    lobotomy

うつ病                depression

便秘      irregularity

梅毒      syphilis

宗教儀式に基づいた治癒            faith-based cure

オピオイド        opiate

自閉症  autism

便秘      constipation

転移      metastasize