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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

前頭側頭葉変性症とは

変性が生じる大脳の領域により症状が異なる。 **** credit: tau protein, Neuroscience News 前頭側頭葉変性症は神経変性疾患であり、症状として実行機能喪失による行動と態度の障害が現れる。前頭側頭葉変性症には更に言語障害と四肢運動障害が生じる。…

肺炎の原因

寝る前に歯磨きをしないと、肺炎になることがある。 **** 口腔咽頭物質の誤嚥 口腔咽頭物質(歯に付着した食べ物の滓や歯垢など)の微量誤嚥により肺に感染が起こる。これが肺炎で一番目に多い原因である。健康な人でも睡眠時に肺炎の原因が作られている…

レビー小体型認知症の診断と治療

認知障害、神経精神障害、運動障害、睡眠覚醒調節障害。 **** photo: 抗パーキンソン病薬、レボドバ レビー小体型認知症には4つの主要な症状がある。認知障害、神経精神障害、運動障害、及び睡眠覚醒障害。 認知障害はアルツハイマー型認知症と一部重複…

脳死

医学的にも法律的にも人の死と認められる。 **** 脳死は臨床的に脳の機能がすべて不可逆的に停止したことが検査で示されたとき人の死の判定に使われる言葉である。病気や外傷により脳が破壊されるか、脳の臨床機能が不可逆的に失われると、人は死を迎え…

レム睡眠行動障害

夢を見ながら体を動かしている人は、パーキンソン病などの神経変性疾患にかかるリスクが高い。 **** レム睡眠 通常の睡眠には2つの状態がある。ノンレム睡眠とレム睡眠である。レム睡眠時には、眼球は早く動き、呼吸は乱れ、血圧は上昇し、筋緊張が失わ…

レビー小体型認知症とは

大脳辺縁系や皮質にできたレビー小体により発症する認知障害。 **** レビー小体型認知症では認知症とパーキンソン病の両方の症状が現れるが、歩行障害以上に他の症状(幻覚、震え、及び睡眠障害)が強く現れる。 レビー小体型認知症の診断基準 次の条件…

血管性認知症

リスク要因は心臓血管疾患、糖尿病、及び高血圧。 **** 血管性認知症は脳梗塞が原因の認知症である。 脳血管疾患による認知障害で、認知症ほど重くない疾患を血管性認知障害とよぶ。 脳血管疾患による認知症候群の判断基準 臨床的に注意すべき脳血管疾患…

最小意識状態

植物状態より改善の可能性は高いが、予後は良好ではない。 **** photo: レボドバ、ドーパミン作用薬 最低意識状態は植物状態より軽度な意識障害で、患者はほとんど刺激に対する反応が重度に欠乏しているが、自己や環境に対する自覚が断続的に生じる。 最…

認知症患者のための知能評価検査

認知障害の初期段階では臨床検査では判別が困難なため、知能評価テストを行う必要がある。 **** 高齢者の神経精神障害を調べるには神経の検査に加えて、知能評価テストが必要である。知能評価テストには気分、情緒、及び認識力が含まれる。 簡単な判別テ…

アルツハイマー病の診断と鑑別診断

神経変性疾患による認知症とアルツハイマー病との違いは運動機能障害の有無である。 **** 診断 アルツハイマー病の診断は病歴と臨床検査に基づく。病歴で重要な要素は認知障害の緩やかな発症と前向健忘である。知能評価検査により短期記憶障害と他の記憶…

植物状態の診断と治療

現在、植物状態を改善する治療法は存在しない。 **** photo:NEC脳波計EE2500シリーズ 植物状態の患者の約40%が最初、最低意識状態と診断されている。 植物状態の症状 患者には意識や刺激に対する反射応答がなく、話すことができない。 睡眠覚醒サイク…

アルツハイマー病の症状 ― 前向健忘と視空間失認

軽度では時折の失念であるが、重度になると身の回りの世話ができなくなる。 **** 前向健忘 アルツハイマー病の初期では前向健忘により新たな情報が記憶できなくなる。患者は最近の出来事や会話の内容を忘れ、物の置き忘れ、今日の日付が分からなくなる、…

植物状態の疫学と病理

覚醒しているが意識がなく、永続的に変化しない病態。 **** 植物状態は意識障害で、臨床検査上、患者は覚醒しているが意識がない病態である。植物状態は昏睡状態から意識状態への自然治癒の過渡状態の場合がある。又は、植物状態は永続的に変化しない病…

アルツハイマー病の原因

アルツハイマー病は神経突起斑と神経原繊維変化により生じる。 **** アルツハイマー病は海馬の萎縮が特徴的で、MRIにより海馬の容積の減少が確認できる。 萎縮が進むことにより、エピソード記憶障害が起こり、その後に言語機能、視空間機能、及び実行機…

昏睡の予後

原因が中毒性又は代謝性でなければ意識回復はほぼない。 **** 昏睡の予後は患者により異なり、病因、ステージ、脳損傷の程度、及び可逆性による。 外傷性脳損傷による昏睡の予後はグラスゴー・コーマ・スケールのスコアによる。 心肺停止から蘇生し、中…

昏睡患者の緊急治療

診断、生命維持、及び治療を同時に行う。 **** すべての患者に必要なことは呼吸、循環、及び発作の管理である。昏睡の原因が不明又は髄膜炎でない患者に対しては、診断時にブドウ糖、チアミン(ウェルニッケ脳症防止)、及び必要に応じてナロキソン(麻…

昏睡の症状

昏睡と閉じ込め症候群との区別が必要。 **** 患者が昏睡状態になると、刺激に反応しなくなり、目覚めることがなくなる。患者の意識は耳元で名前を大きな声で呼んで確かめる。 患者が閉じ込め症候群にかかっていないことを確認するために、患者にまばたき…

アルツハイマー病とは

アルツハイマー病を発症すると、その時から未来の記憶は失われる。 **** アルツハイマー病の主要な症状は前向健忘症である。前向健忘症とは発症後新しい情報が記憶できない記憶障害。 アルツハイマー病の前向健忘症候群の判定基準 認知症であること。 新…

昏睡が起こるわけ

昏睡は脳の組織の損傷又は脳の広範なニューロンに対する代謝作用又は中毒により起こる。 **** 昏睡、昏迷、睡眠の違い 昏睡は患者が自覚も覚醒もしない目を閉じて刺激に反応しない病的状態である。 昏睡は1つの病的状態ではなく、刺激に対する反射応答の…

軽度認知障害(その2)

軽度認知障害患者は自己の症状が気になるが、認知症患者は気にならない。 **** photo: アルツハイマー病治療薬ドネペジル 症状 軽度認知障害患者は物忘れなどの認知障害を悩むようになり、医師の診察を受けることになる。 患者は直前に行った動作や会話…

軽度認知障害(その1)

物忘れを他人に指摘され、悩むようになる。 **** credit: Memo Board, Umbra 軽度認知障害は正常な認知状態から認知症に至る途中の病態である。軽度認知障害患者は認知機能に異常を感じるが、日常生活に重大な影響はない。この病気では認知領域の一部に…

閉じ込め症候群

患者は目のまばたきでしか、意思を伝えることができなくなる **** credit: コミュニケーションボード、ryubundo 閉じ込め症候群は覚醒及び意識があるが、四肢麻痺と下部脳神経麻痺により感情を顔で表現したり、体を動かしたり、話をすることができなくな…

認知症の予後と終末期医療

患者の終末期は対処療法又は延命療法? **** 予後 二次性認知症や重度の脳腫瘍又は無酸素性脳症のような障害による認知症疾患を除き、多くの認知症患者では認知機能が数年で確実に悪化する(個人差があり、更に患者の既往症により異なる)。 終末期医療 …

意識障害の比較 ― 昏睡、植物状態、及び脳死

脳が低酸素虚血障害により不可逆損傷を受けると患者は植物状態または脳死に至る **** 脳死、昏睡、植物状態、最小意識状態、及び閉じ込め症候群はそれぞれ意識障害として区別される。 人の意識は2つの脳神経系検査項目で判定される。 1番目が覚醒してい…

認知症の病理と症状

患者は認知機能に障害があることが理解できない **** credit: Maze, Pixabay 病理 認知症は大脳半球特に連合皮質、海馬体、これらを支持する皮質下核構造体(尾状核、視床)、および白質相互接続部が機能しなくなる疾患である。 症状 認知症にかかると主…

認知症の条件と有病率

認知症は認知機能が低下して、自分ひとりで日常生活が送れない病態 **** 認知症は日常生活を送る能力損なわれ、独立して生活ができなくなる病態。認知症患者は症状が現れる前は正常の認知機能があり、長い時間をかけて症状が悪化する。 卒中、脳炎、又は…

外傷性脳脊髄損傷の予後

頭にホールが当たって、安易にスポーツを続けると悪化して死に至ることがある **** 外傷性脳損傷 外傷性脳損傷患者の予後は最初に行われる神経学検査で精度高く予測できる。重度の外傷性脳損傷の予後の指標としてグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)が…

外傷性脊髄損傷により臓器の影響と治療

脊髄がダメージを受けると、排尿や排便も思うようにできなくなる **** credit: Spine, OrthoInfo 腹壁の筋肉組織は胸神経T7からT12の支配を受ける。胃、小腸、肝臓、膵臓、及び近位の大腸の3分の2は胸神経T5から腰神経L2の支配を受ける。 脊髄損傷がこれ…

三叉神経痛

顔に風が当たっただけで死にたくなるほどの痛みがでる **** 疫学 三叉神経痛は三叉神経が刺激を受けると、激痛が生じる疾患。三叉神経痛の有病率は10万人に4人。年齢層は50から60代が多く、女性患者と男性患者の比率は1.5対1の割合である。 病理学 若年…

薬理学的昏睡 ― バルビツール誘発性昏睡

バルビツール薬を適量投与することにより患者を一時的に昏睡状態にして、脳の活動を抑えて、回復させる **** バルビツール誘発性昏睡はバルビツール薬を適量投与することにより患者を一時的に昏睡状態(深い無意識状態)にする療法である。 バルビツール…

外傷性脳損傷の治療

軽度又は中度の外傷性脳損傷患者は救急病院に搬送されるまでに意識が正常に戻ることがある。脳震盪が重度であると意識回復に時間がかかる。 **** 外傷性脳損傷の種類 外傷性脳損傷には緊急の外科手術が必要となるものと、そうでないものがある。穿通創、…

頭蓋内圧低下症

脳内の脳脊髄液の漏れによる脳圧低下 **** 疫学 頭蓋内圧低下症は頭痛を引き起こす疾患で、患者が仰向けになると頭痛が収まり、起き上がると悪化する。この頭痛は一次性頭痛のことも、他の疾患により引き起こされる二次性頭痛の場合もある。原因として腰…

カナダ頸椎規定

放射線画像検査で使用される放射線と造影剤は人体に有害であるため、カナダでは検査が必要な条件が規定されている **** image: Canadian C-Spine Rule カナダ頸椎規定は頭部又は頸部に障害を負った患者が救急搬送された場合、脊椎損傷の診断で放射線画像…

脊髄と脊椎の違い

脊髄は中枢神経系の一部であり、脊椎は骨格系の一部である **** credit: vertebral column, StudyBlue 脊髄は中枢神経系の一部であり脊椎の内部にある。脊椎は骨格の一部である。脊髄および脊椎は共に体の後側にある。体の発育段階では脊髄と脊椎の長さ…

外傷性脊髄損傷の診断

検査に異常がなく、脊椎に痛み、痺れ、刺痛感、脱力感がなければ、脊髄損傷の可能性は低い **** 外傷性脊髄損傷の診断では損傷の程度及び障害の重症度を判別する他に神経学検査が必要である。これに加えて、早い段階で神経障害の程度を詳細に記録する必…

視神経炎と視神経乳頭浮腫の違い

目の炎症と頭蓋内圧亢進 **** 視神経炎と視神経乳頭浮腫の違い 視神経炎 視神経乳頭浮腫 中心視力消失 あり なし 片目・両目 常に片目 常に両目 目の痛み(目を動かすとき) あり なし 直接光反射 減少 変化なし 頭部CT・MRIの所見 白質プラーク 腫瘍、…

外傷性脳損傷の画像診断と脳震盪判定

脳の損傷は画像検査で迅速な診断が必要 **** CTスキャン検査 外傷性脳損傷患者に対してはCTスキャン検査を可能な限り早く行う(造影剤は使用しない)。患者に脳画像検査の必要性はグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)及びカナダ頭部CTルールなどに基づ…

頭蓋内圧亢進症 - 頭痛が視覚障害になる

治療を誤ると視覚障害が起こる **** photo: タニタ体組成計 頭蓋内圧亢進症は出産年齢の肥満女性で原発性および特発性の疾患である。二次性の頭蓋内圧亢進症として脳静脈血栓症、脳腫瘍、水頭症、頭蓋内疾患などがある。 疫学 突発性で原発性の頭蓋内圧…

外傷性脳損傷の診断

グラスゴー・コーマ・スケールによる判定と神経学的検査 **** chart: Glasgow Coma Scale グラスゴー・コーマ・スケール 外傷性脳損傷はグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)で直ちに脳の状態を判定する必要がある。 GCSでは目の開き(4:自発的~1:無…

側頭動脈炎 - 巨細胞性動脈炎

高齢者に見られる頭痛で、合併症として失明の可能性がある **** photo: プレドニゾン、側頭動脈炎治療薬 疫学 側頭動脈炎は高齢者に多く見られる炎症である。原因は不明であるが、遺伝子が関係していると考えられている。良く見られる症状として頭痛があ…

アロデニア - 中枢性感作による過敏反応

痛みの原因がなくても痛みを感じる **** アロデニアは皮膚に痛みがでる疾患であり、通常痛みの原因にならない物で痛みが現れる。 この痛みは線維筋痛症が関係し、患者によっては慢性疲労が現れる。このほか神経症状、帯状疱疹後神経痛、及び偏頭痛が生じ…

ニューロンの機能は不滅

ニューロンは長い年月生きつづけることができるので、人は学習を行い、記憶を生涯保持することができる **** ニューロンの運命 ニューロンは生まれる前から運命が定まっている。ニューロンの脳内での役割がプログラムされており、さらに連携して機能する…

慢性連日性頭痛(その2)- 診断、治療、予防、予後

主たる原因は薬剤の過剰摂取。予防薬で悪循環を断ち切る。 **** image: medication case 診断 慢性連日性頭痛の診断は病歴に基づいて行う。この疾患の元の頭痛の種類を特定する必要がある。慢性片頭痛、慢性緊張性頭痛、新規発症持続性連日性頭痛、持続…

外傷性脊髄損傷の臨床症状

脊髄の損傷は感覚や運動機能を損なう **** 脊髄症候群 脊髄症候群としてブラウン・セカール症候群、脊髄中心症候群、及び前索症候群がある。 ブラウン・セカール症候群では、障害は脊髄の片側の病変に起因する。対側性の痛みと温度感覚と共に同側性の運…

外傷性脳損傷の臨床症状

脳のダメージは時間が立ってから現れる **** photo: Stretcher, Paramount Bed 外傷性脳損傷の徴候や症状は患者により異なる。軽度の外傷性脳損傷患者では頭痛、不安症状、及び睡眠障害が現れる。神経心理学的検査では軽度の認知障害が検出されることが…

慢性連日性頭痛(その1)  - 疫学、病理、及び症状

頭痛薬を過剰に服用すると慢性的な頭痛または症状が悪化する **** 慢性連日性頭痛は1ヶ月に15日以上現れる頭痛であり、慢性片頭痛、慢性緊張性頭痛、新規発症持続性連日性頭痛、又は慢性群発性頭痛であり、薬剤の過剰摂取による場合が多い。 疫学 人口…

灰白質と白質の違い

脳における処理は灰白質で行われ、脳と体の各器官との情報のやり取りは白質で行われる **** credit: neuron, Neuroscientifcally Challenged 人間の神経 神経系は中枢神経系と末梢神経系にわけられる。中枢神経系は脳と脊髄からなる。 脳は灰白質と白質…

群発性頭痛及び三叉神経・自律神経性頭痛 - 診断、治療、予防、予後

一次性頭痛は患者が生涯付き合う病気であるが、効果がある薬剤を調べて症状の緩和を図ることができる **** photo: インドメタシン(頭痛薬) 診断 群発性頭痛では頭の片側で眼窩痛、上眼窩上痛、又はこめかみ痛が15から180分続き、同側で結膜充血又は流…

びまん性軸索損傷

重度になると、外傷から数ヶ月後に昏睡から回復することもあるが、ほとんどの患者は植物状態である **** びまん性軸索損傷とは びまん性軸索損傷は神経の軸索が延び、変形し、破断することにより生ずる。脳損傷で最も深刻なものである。 原因 びまん性軸…

外傷性脳損傷及び脊髄損傷

軽度な外傷が時間を経て重度機能障害に至ることがある **** 疫学 外傷性脳損傷及び脊髄損傷は予防可能な疾患である。外傷性脳損傷は外傷による死亡又は障害者にいたる主要な原因になっている。 我が国の頭部外傷数は年間およそ28万人と推定されており、…