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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

薬理学的昏睡 ― バルビツール誘発性昏睡

バルビツール薬を適量投与することにより患者を一時的に昏睡状態にして、脳の活動を抑えて、回復させる **** バルビツール誘発性昏睡はバルビツール薬を適量投与することにより患者を一時的に昏睡状態(深い無意識状態)にする療法である。 バルビツール…

頭蓋内圧低下症

脳内の脳脊髄液の漏れによる脳圧低下 **** 疫学 頭蓋内圧低下症は頭痛を引き起こす疾患で、患者が仰向けになると頭痛が収まり、起き上がると悪化する。この頭痛は一次性頭痛のことも、他の疾患により引き起こされる二次性頭痛の場合もある。原因として腰…

外傷性脊髄損傷の診断

検査に異常がなく、脊椎に痛み、痺れ、刺痛感、脱力感がなければ、脊髄損傷の可能性は低い **** 外傷性脊髄損傷の診断では損傷の程度及び障害の重症度を判別する他に神経学検査が必要である。これに加えて、早い段階で神経障害の程度を詳細に記録する必…

視神経炎と視神経乳頭浮腫の違い

目の炎症と頭蓋内圧亢進 **** 視神経炎と視神経乳頭浮腫の違い 視神経炎 視神経乳頭浮腫 中心視力消失 あり なし 片目・両目 常に片目 常に両目 目の痛み(目を動かすとき) あり なし 直接光反射 減少 変化なし 頭部CT・MRIの所見 白質プラーク 腫瘍、…

外傷性脳損傷の画像診断と脳震盪判定

脳の損傷は画像検査で迅速な診断が必要 **** CTスキャン検査 外傷性脳損傷患者に対してはCTスキャン検査を可能な限り早く行う(造影剤は使用しない)。患者に脳画像検査の必要性はグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)及びカナダ頭部CTルールなどに基づ…

頭蓋内圧亢進症 - 頭痛が視覚障害になる

治療を誤ると視覚障害が起こる **** photo: タニタ体組成計 頭蓋内圧亢進症は出産年齢の肥満女性で原発性および特発性の疾患である。二次性の頭蓋内圧亢進症として脳静脈血栓症、脳腫瘍、水頭症、頭蓋内疾患などがある。 疫学 突発性で原発性の頭蓋内圧…

慢性連日性頭痛(その2)- 診断、治療、予防、予後

主たる原因は薬剤の過剰摂取。予防薬で悪循環を断ち切る。 **** image: medication case 診断 慢性連日性頭痛の診断は病歴に基づいて行う。この疾患の元の頭痛の種類を特定する必要がある。慢性片頭痛、慢性緊張性頭痛、新規発症持続性連日性頭痛、持続…

慢性連日性頭痛(その1)  - 疫学、病理、及び症状

頭痛薬を過剰に服用すると慢性的な頭痛または症状が悪化する **** 慢性連日性頭痛は1ヶ月に15日以上現れる頭痛であり、慢性片頭痛、慢性緊張性頭痛、新規発症持続性連日性頭痛、又は慢性群発性頭痛であり、薬剤の過剰摂取による場合が多い。 疫学 人口…

群発性頭痛及び三叉神経・自律神経性頭痛 - 診断、治療、予防、予後

一次性頭痛は患者が生涯付き合う病気であるが、効果がある薬剤を調べて症状の緩和を図ることができる **** photo: インドメタシン(頭痛薬) 診断 群発性頭痛では頭の片側で眼窩痛、上眼窩上痛、又はこめかみ痛が15から180分続き、同側で結膜充血又は流…

びまん性軸索損傷

重度になると、外傷から数ヶ月後に昏睡から回復することもあるが、ほとんどの患者は植物状態である **** びまん性軸索損傷とは びまん性軸索損傷は神経の軸索が延び、変形し、破断することにより生ずる。脳損傷で最も深刻なものである。 原因 びまん性軸…

外傷性脳損傷及び脊髄損傷

軽度な外傷が時間を経て重度機能障害に至ることがある **** 疫学 外傷性脳損傷及び脊髄損傷は予防可能な疾患である。外傷性脳損傷は外傷による死亡又は障害者にいたる主要な原因になっている。 我が国の頭部外傷数は年間およそ28万人と推定されており、…

群発性頭痛及び三叉神経・自律神経性頭痛 - 疫学、病理、及び症状

群発性頭痛は毎年又は1年おきに、決まった季節に起こる **** 三叉神経・自律神経性頭痛や群発性頭痛は頭の片側に生じ、自律神経症状を伴う頭痛である。発作性片側頭痛は5から30分間継続する頭痛で、女性に多い。 持続性片側頭痛は男女で発症し、軽度の連…

一次性頭痛と二次性頭痛の違い

頭痛の状態が変化した場合や悪化した場合は、精密検査を受ける必要がある。 **** photo: 長野病院待合室 一次性頭痛は頭痛そのものであるのに対して、二次性頭痛は他の疾患が原因の頭痛である。 一次性頭痛の種類 一次性頭痛には片頭痛、緊張型、群発性…

片頭痛

片頭痛は遺伝性の頭痛で、視覚、感覚、又は運動性の前兆が現れる **** 片頭痛は遺伝性であり、通常は頭の片側で現れるが、両側の場合もある。頭痛は中程度から重度まであり、体を動かすと悪化する。羞明及び騒音恐怖症を伴う。頭痛は4時間から72時間続く…

緊張型頭痛

長期の市販薬服用は頭痛を慢性化させる **** 緊張型頭痛は吐き気や嘔吐を伴わない脳全体の頭痛である。患者には羞明又は騒音恐怖症のいずれかが現れる。日常生活で頭痛は悪化しない。 疫学 緊張型頭痛の罹患率は日本人の22.4%を占め、総数は約3000万人…

頭痛の治療、予防、予後

頭痛は薬剤で治療、予防ができるが、慢性化するリスクが高い **** 治療 急性の頭痛は種類と強さにより治療方法が異なる。軽度の頭痛では、鎮痛薬(アセトアミノフェン、アスピリン、又は非ステロイド性抗炎症薬)を服用で十分改善する。 中程度から重度…

頭痛の症状と診断

他の疾患による二次頭痛の診断を誤ると死に至る **** 頭痛患者は拍動的な痛みや、締め付けられる痛みを訴える。頭痛中程度から重度で日常生活に影響を及ぼしている。痛みは頭の片方に現れるが、両方の場合もある。片頭痛では、吐き気、嘔吐、羞明(光を…

頭痛の疫学と病理学

頭痛にかかる人と特徴 **** 頭痛は重大な障害により引き起こされることもあるが、通常は片頭痛、緊張型頭痛、群発性頭痛、又は発作性片頭痛である。 頭痛にかかる人 成人の約90%が一生に一度は頭痛を経験しており、小児の75%以上が15歳までに激しい頭…

ミソフォニア

普通は問題にならない音を聞くと不安や怒りが押さえられなくなる病気 **** 無害な音が人を怒らせ、不安に陥れる不思議な苦痛の症状をミソフォニアと呼ぶ。 ミソフォニア患者は物を食べたり、飲んだりしている音など特定の音により、脳の感情を制御する領…

パーキンソン病と運動

運動障害は運動で症状を改善させる **** credit: Treadmill, Cybex パーキンソン病患者に起こる認知、運動障害 パーキンソン病患者には認知障害の他、体の虚弱、硬直、歩行困難、平衡感覚の低下、転倒が起こる。 運動指導の欠如 パーキンソン病患者に対…

パーキンソン病患者の主たる死因

65歳以上の老人がかかりやすい神経変性障害 **** credit: Dopamine in Neuron, Clinical Advisor パーキンソン病はアルツハイマー病に次ぎ2番目に発症者が多い神経変性障害であり、人口の1,000人に1人の割合で、65歳以上の高齢者の1%が発症している。男…

失語症の治療

早期の治療で、症状が残ったとしても、生活の質は改善する。 **** 治療の必要性 失語症は脳卒中などの命に関わる疾病の徴候の場合があります。次の症状が現れたら直ちに、治療を受ける必要があります。 話しづらい。 相手が話していることが分からないい…

健忘症の治療

消えた記憶は戻らない。 **** 影響 健忘症は軽度でも日常生活に影響が現れ、仕事、学業、及び社会活動に支障がでます。健忘症で、失われた記憶を回復させることは出来ません。健忘症が重度の場合は施設で介護を受ける必要があります。 image: pill case …

健忘症の病因

頭を強打すると自分だ誰だか分からなくなることがある。 **** 診察を受ける必要のある健忘症 これまで経験したことのないような物忘れ、頭の外傷、錯乱、又は見当識障害(時間・空間・関係・性質・人物鑑別などの感覚が喪失した状態)を経験した場合は、直ち…

健忘症

忘れたことを自覚できるのが健忘症、自覚できないのが認知症。 **** 健忘症は事実、情報、経験などの記憶が失われる疾病です。健忘症では自分が誰だか分からなくなることはありません。 **** 健忘症患者は通常平静であり、自分が誰であるか分かりますが…

コルサコフ症候群

アルコール中毒が進むと、無意識のうちに作り話をするようになる。 **** コルサコフ症候群は持続性のウェルニッケ脳症を発症してから現れる合併症で、記憶障害、錯乱、及び行動の変化が起こります。 **** コルサコフ症候群はウェルニッケ脳症患者が治療…

オートファジーと医学

オートファジーの父にノーベル医学生理学賞が贈られる **** 2016年ノーベル医学生理学賞が東京工業大の大隅良典栄誉教授に贈られることになりました。授賞理由は「オートファジー(自食作用)の仕組みの発見」です。 この研究は、脳神経疾患であるパ…

アルコールが神経系に及ぼす慢性的影響

暴飲はアルコール中毒から痴呆へと進む。 **** アルコールによる慢性疾患の症状は個人差があります。アルコールに耐性があると、慢性疾患の症状は長期間、現れない場合があります。 画像: ビタミンB1を多く含む食物(枝豆) しかし、長期にわたり、ア…

脳深部刺激療法

脳の組織を切除せずに同じ効果が得られる **** 脳深部刺激療法はパーキンソン病や関係する症状引き起こす脳の部位を切除することなくこの部位の活動を停止させる治療法です。脳深部刺激療法では震えやパーキンソン病の症状を無くすために視床部または淡…

パーキンソン病の症状、検査、生活、サポート

完治しない病との向き合い方 **** パーキンソン病は1000人あたり1人の割合で起こる原因不明の脳神経の病気です。高齢者がかかりやすく、運動障害を伴います。この病は完治しないためパーキンソン病と診断されたら、症状を悪化させずに、生活の質を…

永六輔とパーキンソン病

手の震えから始まる不治の病 **** 作詞家でラジオのパーソナリティとして国民に広く愛されてきた永六輔氏が83歳で亡くなりました。氏は2010年にパーキンソン病を発症しましたが、投薬の効果が有り症状は改善しました。しかし、歩行障害により転倒…