医学よもやま話

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胃腸科

吐き気と嘔吐

胃腸障害と非胃腸障害に分類される。 **** 吐き気 吐き気は嘔吐が切迫した不快な感覚である。 嘔吐 嘔吐は胸腹筋肉組織の圧迫により十二指腸及び幽門洞の逆方向収縮により胃内容物が口腔に排出されることである。 2から3時間前に食べた物を嘔吐した場合…

盲腸、虫垂、虫垂炎の違い

日本人が盲腸というとき、それは虫垂炎を意味している。 **** Credit: 腹腔鏡下虫垂切除術、Laparoscopic appendicectomy、Brisbane Surgeon 盲腸 盲腸は英語では”cecum”で「一端が開口した空洞」を意味する。大腸の最初の器官で袋状であり、上行結腸と…

胃癌の治療と予後 ― 根治手術と緩和手術

早期なら完治し、末期なら余命1年未満 **** Photo: オリンパス上部消化管内視鏡 外科療法 遠位の胃癌(幽門部の胃癌)では肝門と膵頭部のリンパ節とともに胃の部分切除を行う。 近位の胃癌(胃底部及び胃体部の胃癌)では胃の全摘出を行う。更に、死亡率…

特定健診では早期の胃癌は見つからない

バリウム造影剤検査と上部消化管内視鏡検査 **** Credit: X線検査用バリウム造影剤、佼成病院 良性対悪性腫瘍 良性の潰瘍は底部が滑らかであるが、悪性の潰瘍の底部が不規則で、腫脹があり、不規則なひだがある。 従来、放射線検査で得られた腫瘍の特徴…

国が推奨する精度が低い大腸癌検査 - 便潜血検査

国が健康診断で推奨する本当の理由 **** Photo: 便潜血検査キット 便潜血検査は大便に血液が混じっていないか(潜血)を調べる生理学検査である。 大便中の潜血があると大腸癌や大腸又は直腸にポリープがある可能性が高い。しかし癌やポリープからの出血…

胃癌は検査を受けなければ、早期発見できない - 胃癌の症状と検査

胃癌は定期的に検査を受けて早期に治療できれば完治可能である。 **** Credit: 血液検査、My Blood Test 胃癌の症状と徴候 胃癌の初期段階では、症状が現れないか、特定な症状が生じないために、検査を受けなければ胃癌と気づかない。胃癌が進行すると、…

胃癌ができるわけ - 組織病理学要因と遺伝子要因

ピロリ菌感染と遺伝子メカニズムの変異 **** Credit: ピロリ菌、The Cause of Stomach Ulcers! 胃癌の組織病理学的要因 胃癌の組織病理学上の特徴として腫瘍の分化、胃壁への侵食、リンパ節転移、及び腫瘍内の印環細胞の有無がある。 この他の特徴として…

胃にできる悪性腫瘍

胃癌は初期段階では無症状であるが、進行すると最も痛みが出る癌の1つである。 **** 胃にできる腫瘍は大部分が悪性で、90から95%が腺癌である。悪性腫瘍としてまれに非ホジキンリンパ腫やや平滑筋肉腫が生じる。胃にできる良性の腫瘍として平滑筋腫、類…

バレット食道にかかったら(その2)

鎮静剤の点滴投与で内視鏡検査が楽になる。 **** 検査 バレット食道と診断されると、定期的に内視鏡検査を受けることになる。検査を受ければ咽頭の病変や食道癌を早期に発見できる。 鎮静剤の点滴投与 内視鏡検査は苦痛を伴うので、鎮静剤の点滴投与が推…

好酸球性食道炎

免疫異常又は食物及び空気アレルゲンに対する抗原反応で、食道粘膜に慢性的な炎症が現れる。 **** Photo: ステロイド点鼻薬フルチカゾン、コーアイセイ株式会社 好酸球性食道炎は児童や青年に多く見られるが、成人でも発症する。患者は他のアレルギー疾…

バレット食道にかかったら(その1)- 徴候、症状、診断

胃壁の扁平円柱上皮が胃食道接合部の近位にある。 **** 徴候と症状 バレット食道を発症するリスクを高める要因として、早い年齢からの胃酸の逆流、胃酸の逆流の長時間化、夜間の胃酸の逆流の重症化、及び食道炎、潰瘍、狭窄、及び出血のような胃食道逆流…

バレット食道とは

食道管腔表面の扁平上皮が柱状上皮に置き換わる食道粘膜の重度の損傷 **** Photo: オリンパス上部消化管内視鏡 バレット食道は遠位食道管腔表面の扁平上皮が柱状上皮に置き換わる重度の食道粘膜の損傷である。バレット食道はロング型とショート型にわけ…

消化性狭窄

胃食道逆流疾患を放置しておくと消化性狭窄による嚥下障害を発症する。 **** Credit: バリウム食道造影検査(食道狭窄部を検出)、Double Contrast Esophagram Steps 胃食道逆流疾患が悪化すると合併症として食道狭窄が起こる。長期に胃酸の逆流により生…

胃食道逆流症にかかったら(その2)- 治療と予後

プロトンポンプ阻害薬による長期の維持療法が必要となる場合は、症状を緩和に必要な最小用量に減薬する必要がある。 **** Photo: プロトンポンプ阻害薬オメプラール、アストラゼネカ 治療 アルコール、コーヒー、辛い食べ物、寝る前の食事はいずれも胃食…

胃食道逆流症にかかったら(その1)- 症状と診断

逆流疾患はバリウムを使用したX線検査では検出できない。 **** Credit: 上部消化管内視鏡、Olympus 臨床症状 胃食道逆流疾患の典型的な症状は胸焼けと胃酸の逆流である。まれに、胸痛、嚥下障害、及び嚥下痛が起こる。逆流疾患は食道外の症状としては、…

胃食道逆流疾患とは

胃食道逆流疾患は1週間に1度以上胸焼けが生じる病態。 **** イラスト: 横隔膜と下部食道括約筋の関係、東京慈恵会医科大学 胃食道逆流疾患は胃内容物が食道への逆流により、不快な症状や合併症が生じる。 疫学 胃食道逆流疾患は1週間に1度以上胸焼け…

食道機能検査

様々な検査により嚥下障害、胸やけ、及び胸の痛みの症状と原因を調べる。 **** credit: オリンパス上部消化管内視鏡 食道は食べた物を口から胃に送るための管状の器官である。食道は更に胃から食べたものが逆流しないようにするメカニズムも備えている。…

外傷性脊髄損傷により臓器の影響と治療

脊髄がダメージを受けると、排尿や排便も思うようにできなくなる **** credit: Spine, OrthoInfo 腹壁の筋肉組織は胸神経T7からT12の支配を受ける。胃、小腸、肝臓、膵臓、及び近位の大腸の3分の2は胸神経T5から腰神経L2の支配を受ける。 脊髄損傷がこれ…

虫垂の役割 ― アメリカジューク大学の研究

虫垂は善玉菌を保護する **** Credit: Duke University Medical Center 一般人にとって、虫垂と言えば、炎症を起こし切除した経験しかないはずである。手術により、手術痕が残る。しかし、虫垂とは何かについては、話題に上ることは少ない。 虫垂とは 虫…

虫垂炎 ― 虫垂の炎症

高齢患者が虫垂炎にかかると穿孔のリスクが高くなり、死に至る場合がある **** credit: Appendix, Unita General Surgery 急性虫垂炎は虫垂の炎症である。虫垂炎を発症すると、腹部の緊急手術が行われる。人間が一生で虫垂炎にかかる割合は約7%である。…

憩室症と憩室炎

憩室炎から腹膜炎を併発することがある **** credit: 憩室、WebMD **** 消化器官に微小で膨らんだ嚢が出来る疾患(憩室)を憩室症と呼ぶ。これらの嚢が炎症を起こしたり、感染すると、この病態を憩室炎と呼ぶ。 憩室症 嚢状のヘルニアが結腸、特にS状結…

吐血と喀血の違い

吐血は胃からの血液でどす黒く、喀血は肺からの血液で鮮やかな赤色である。 **** credit: 体の教科書 吐血 吐血は血液を胃から吐くことである。嘔吐物の色は吐血時の胃の内容物の量と性質及び血液が胃に存在する時間により異なる。胃酸は血液の色を鮮や…

大腸癌の予防

大腸癌はライフスタイルを改善することにより防止可能である。 **** 薬剤による予防 アスピリンなどの非ステロイド抗炎症薬はシクロオキシゲナーゼやその後のプロスタグランジンの産生を抑制することにより、腺腫の成長の抑制と癌化の防止が期待されてい…

大腸癌の病期分類と予後

結腸癌が転移すると5年生存率は6から8%と非常に低くなる。 **** 大腸癌の病期分類(ステージ決定) 大腸癌のの予後と効果がある治療法を決定するために正確に病期分類(ステージ決定)する必要があります。他の癌と異なり、大腸癌のステージは大きさで…

大腸癌検診

大腸癌は早期に高精度に検出できれば、治癒可能である。 **** 大腸癌検診の目的は早期な治療可能な段階で大腸癌を検出して、患者が疾病から回復できるようにすることです。 credit: colonic polyp WEO 腺腫が癌に成長するまでには10から20年の長い潜伏期…

大腸癌の診断

潜血検査法はガンの発症を検査し、内視鏡検査法は腺腫性ポリープの検査と切除を行う。 **** 大腸癌の診断には病歴、理学検査、及び臨床検査と放射線検査結果の適切な判断が基本です。病歴には以前の大腸癌、腺腫性ポリープ、及びこれらの疾病の家族の病…

結腸直腸癌 ― 結腸直腸の腺癌

大腸癌が進行すると、腸閉塞や穿孔が起こる。 **** 腺癌とは結腸、直腸、乳房、食道、肺、膵臓、及び睾丸などの体の各部の腺上皮細胞の癌です。結腸直腸癌は長い年月における複数の遺伝子の疾患の蓄積により起こります。疾患が進行すると、組織の構造の…

腺腫性ポリープの切除と予後

内視鏡によるポリープ切除術で直腸結腸癌の発症や死亡が低減する。 **** 腺腫性ポリープは一般的に症状は現れませんが、無症候性の便潜血又は血便が見つかることがあります。腺腫を切除した患者が生涯で再発する可能性は30から50%です。腺腫が癌化する…

腺腫性ポリープの疫学と病理学

ポリープが進行したり、多くあると癌化するリスクが非常に高くなる。 **** 腺腫性ポリープは悪性化するリスクのある腫瘍性ポリープで、緩やか又は急激に成長します。腺腫性ポリープにはいろいろな大きさがあり、更に無柄、平坦、又は有柄のものもありま…

大腸憩室炎

憩室炎で大腸穿孔が起こると致死率が高くなる。 **** 大腸の内層に憩室と呼ばれる小さな膨らみが出来る場合があります。40歳を過ぎるとよく出来、まれに障害が起こります。大腸憩室は大腸の筋肉層を介した粘膜下組織に出来るヘルニアです。憩室症の疾…

内視鏡検査における合併症

検査を受ける前に合併症リスクを知る必要がある。 **** 内視鏡検査は非常に安全な検査法ですが、後遺症が出る場合もあります。 Credit: Gatoru stand トヨダプロダクツ

内視鏡検査

内視鏡の進歩により胃腸管が最もアクセスしやすい臓器になった。 **** 内視鏡の重要性 内視鏡は胃腸管に容易に挿入できるため、胃腸管は他の臓器より検査や施術が容易になっています。 造影撮影と比較して、内視鏡検査の主要な利点は消化管の患部を直接…

機能性ディスペプシア

原因不明の胃の痛み **** 機能性ディスペプシアとは非潰瘍性胃痛です。以前は慢性胃炎、神経性胃炎と呼ばれていました。機能性ディスペプシアでは胃の上部に痛み、不快感等の潰瘍に似た症状がでます。膨満感、ゲップ、及び吐き気を伴うこともあります。…

ピロリ菌検査方法

ピロリ菌は胃潰瘍、十二指腸潰瘍、及び胃癌の原因菌である **** ピロリ菌検出の意味 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、及び胃癌の多くはピロリ菌により引き起こされます。 ピロリ菌を除菌することにより胃潰瘍、十二指腸潰瘍、及び胃癌の発症を防ぐことができます…

下痢のメカニズム

下痢に重大な疾病が隠れている **** 下痢には多くの原因があります。下痢の主たるメカニズムとして浸透圧負荷の増大、分泌物の増大、及び接触時間/表面積の減少があります。炎症性腸疾患による下痢は粘膜の炎症、腸管への滲出、複数の分泌促進物質及び…

胆嚢癌が起こるわけ

胆嚢癌の主たる原因は胆石 **** 胆嚢癌は胆嚢の慢性的な炎症により発症します。慢性的な炎症の原因の大半(75%以上)はコレステロールからできた胆石です。胆嚢内に胆石が増えると胆嚢癌発症リスクが4から5倍増加します。胆嚢が慢性的な炎症を起こ…

胆嚢と胆管

胆嚢は胆汁を貯めておく臓器 **** 胆嚢 胆嚢は胆汁を貯めておく小さな臓器です。胆汁には消化を助け、老廃物(主としてヘモグロビンと余分なコレステロール)を体外に排出する機能があります。胆汁に含まれる胆汁酸塩はコレステロール、脂肪、油溶性ビタ…

喀血と吐血

喀血や吐血は死の入り口ではない 寝たきりの老人が咳き込んで、血が混じった痰を吐くと、胸の病は重く死期が近づいているように思ってしまいます。現代の医療ではこの疾病をどのように捉えているのでしょうか。 呼吸器官からの出血で通常咳を伴うものを喀血…

死の足音を遠ざける

大腸癌の可能性と大腸内視鏡検査の危険性 日本人の癌による死亡原因の第3位が大腸癌だと言われています。 大腸癌の検査方法として、主に次の3種類があります。 便潜血検査 … この検査は大腸内の腫瘍からの出血を調べるもので、腫瘍から出血がない場合は癌を…

足の付根が飛び出し、違和感を感じるとき

足の付根(鼠径部)が飛び出し違和感を感じるときは、鼠径ヘルニアが疑われます。痛みの程度により直ちに外科医の診察を受ける必要があります。 鼠径ヘルニアは鼠径部へ広がり陰嚢に達することもあります。 鼠径ヘルニアを発症すると、腹膜や腸の一部が腹壁…