医学よもやま話

医学情報をご提供します。

耳鼻咽喉科

嚥下と咳反射の機能不全 ― 誤嚥

気道保護メカニズムの障害 **** Photo: ガムを噛んで嚥下力を強化する。 誤嚥は気体以外の異物を肺に吸い込むことである。誤嚥物は主に胃内容物や口腔咽頭の分泌物である。 臨床的に有害な誤嚥 ほとんどの誤嚥は自然治癒する。臨床的に有害な誤嚥として…

食道癌にかかったら

喉に異常がでたら躊躇せずに上部消化管内視鏡検査を受ける。 **** Photo: 上部消化管内視鏡 症状と徴候 食道扁平上皮形成異常では症状は現れないが、食道扁平上皮癌は食道中央に多く生じ、症状は嚥下障害、嚥下痛、非定型又は定形胸痛、胃腸管出血、吐…

閉塞性睡眠時無呼吸のシーパップ以外の治療法

減量とシーパップで症状の軽減と合併症を防止する。 **** Photo: タニタ電子体重計 一般治療 睡眠姿勢と鼻の治療 - 閉塞性睡眠時無呼吸患者が背臥位(仰向け)で睡眠する場合、睡眠の姿勢を変えることで、シーパップ(持続陽圧呼吸療法)と同程度に無呼…

有毒物と有害物の誤飲の治療法

第1が気道確保、第2が救急搬送。 **** Credit: 腹部突き上げ法による異物除去、How to Give the Heimlich Maneuver 異物による気道閉塞 気道に異物が詰まった場合は、幼児の場合は背中をたたいて取り出す(背部叩打)。妊婦や肥満患者の場合は、ハイムリ…

閉塞性睡眠時無呼吸におけるシーパップと酸素療法

シーパップに順応する工夫 **** Credit: シーパップ睡眠、Sleep Review シーパップ 閉塞性睡眠時無呼吸の直接の影響として低酸素血症が現れる。そのための治療方法としてシーパップ(持続陽圧呼吸療法)又はバイレベル・パップ(バイレベル気道陽圧呼吸…

有毒物と有害物の誤飲の対応

無理に吐かせず、救急搬送により、病院で治療を受けること。 **** Photo: 有毒物の誤飲 - ボタン電池 有毒物や有害物の誤飲は幼児、高齢者、認知症患者、アルコール中毒患者で多く見られるが、健常人でも毒物を飲まされる事件も報道されている。 有毒物…

眠気が引き起こす重大事故の原因

居眠り運転で重大事故を起こしたり、工場で機械に挟まれて大怪我をすることがある。 **** Photo: 恐ろしい車の事故 睡眠時に無呼吸状態になり、睡眠が妨げられる。睡眠不足から、日中に我慢できない眠気に襲われる。交通事故、作業での怪我、仕事でのミ…

いびきや閉塞性無呼吸の治療の切り札

シーパップ療法 **** Photo: シーパップ用マスク、OrganicDeal Storefront シーパップはContinuous Positive Airway Pressureの頭文字の日本語読みで、持続陽圧呼吸療法のことである。この治療法では患者に鼻から一定の圧力の空気を送り、呼気の最後で肺…

タバコとアルコールの相乗効果で食道癌のリスクが高まる

食道扁平上皮癌 **** 2020年東京オリンピックを控えて、厚生労働省は屋内完全禁煙を目指しているが、圧力団体(タバコ業界、飲食業、それに一部政治家)が猛烈に反対しているため、実現は不可能だと思われる。近くに喫煙者がいれば、受動喫煙は避けられ…

閉塞性睡眠時無呼吸の治療

連続気道陽圧療法 - CPAP **** Photo: CPAP装置、パシフィクメディコ 閉塞性睡眠時無呼吸は睡眠断片化、無酸素症、心血管および脳血管のストレスを引き起こす。 この病態の最も一般的な治療法が連続気道陽圧療法(CPAP療法)(CPAP:Continuous Positiv…

食道運動障害にかかったら

噴門痙攣(アカラシア)の症状と治療方法 **** 症状 噴門痙攣の主な症状は液体と固形食物の嚥下障害、胃酸の逆流、及び胸痛である。患者によっては胃酸の食道うっ滞による胸やけ、体重減少、及び誤嚥性肺炎などのはっきりしない症状が現れる。このような…

閉塞性睡眠時無呼吸のポリソムノグラフィ検査

閉塞性睡眠時無呼吸では覚醒時には低換気にはならないが、他の低換気障害では低換気症状が現れる。 **** Photo: 気道陽圧自動滴定装置、TOP SNORING MOUTHPIECES 睡眠性呼吸障害には閉塞性睡眠時無呼吸以外に睡眠により症状が悪化する低換気・ガス交換障…

食道運動障害とは

食道括約筋が弛緩できなくなり、嚥下障害や誤嚥性肺炎が起こる。 **** Photo: 舌圧子(口腔内や咽頭を見るとき、舌を押し下げるために用いるへら状の器具) 食道運動障害は口腔咽頭機能障害と噴門痙攣にわけられる。 口腔咽頭機能障害 食道の輪状咽頭部…

薬剤性食道炎

薬は正しく服用しないと食道に傷害が起こる。 **** 薬剤は腐食性酸性溶液(アスコルビン酸、硫酸鉄)を作り出したり、腐食性塩基性溶液(アレンドロン酸ナトリウム)を作り出したり、高浸透圧溶液(塩化カリウム)が食道粘膜に触れたり、又は食道粘膜に…

バレット食道にかかったら(その2)

鎮静剤の点滴投与で内視鏡検査が楽になる。 **** 検査 バレット食道と診断されると、定期的に内視鏡検査を受けることになる。検査を受ければ咽頭の病変や食道癌を早期に発見できる。 鎮静剤の点滴投与 内視鏡検査は苦痛を伴うので、鎮静剤の点滴投与が推…

閉塞性睡眠時無呼吸の病理

過剰な体重で病状が悪化し、体重減少により症状が改善する。 **** Photo: タニタ電子体重計 病因 閉塞性睡眠時無呼吸は咽頭の一部が完全又は部分的に閉塞して起こる。この病態では最小10秒間、空気の流れが停止する。 部分閉塞は呼吸低下とよばれ、機能…

バレット食道にかかったら(その1)- 徴候、症状、診断

胃壁の扁平円柱上皮が胃食道接合部の近位にある。 **** 徴候と症状 バレット食道を発症するリスクを高める要因として、早い年齢からの胃酸の逆流、胃酸の逆流の長時間化、夜間の胃酸の逆流の重症化、及び食道炎、潰瘍、狭窄、及び出血のような胃食道逆流…

バレット食道とは

食道管腔表面の扁平上皮が柱状上皮に置き換わる食道粘膜の重度の損傷 **** Photo: オリンパス上部消化管内視鏡 バレット食道は遠位食道管腔表面の扁平上皮が柱状上皮に置き換わる重度の食道粘膜の損傷である。バレット食道はロング型とショート型にわけ…

消化性狭窄

胃食道逆流疾患を放置しておくと消化性狭窄による嚥下障害を発症する。 **** Credit: バリウム食道造影検査(食道狭窄部を検出)、Double Contrast Esophagram Steps 胃食道逆流疾患が悪化すると合併症として食道狭窄が起こる。長期に胃酸の逆流により生…

ステーキハウス症候群

肉の塊が食道を塞ぐことにより生じる。 **** photo: beef steak, wish-bone.com ステーキハウス症候群は食べ物の塊(食塊)が食道の遠位部に留まる病態である。食道は筋肉でできた管状の器官で口から胃に食物や液体を送り出す機能がある。 病因 ステーキ…

食道疾患の症状

食べ物を噛まずに急いで食べると、食道がつまり(ステーキハウス症候群)、誤嚥の原因となる。 **** credit: Stake House 66 食道疾患で最も多く見られる症状は胸焼である。胸骨下灼熱とも呼ばれている。胸焼を伴わない胸痛起こる食道疾患として、胃食道…

喉の不快な症状の直し方(その1)

喉の奥に付着した粘液の基本的な排出方法 **** credit: 加湿器、e-goods いつも咳払いをしている人を見かける。喉の奥に粘液がたまり、咳払いをしてもなかなか解消しない。ガムを噛んだり、アメをなめたり、トローチを試しても一時的で症状が治まらない…

食道の構造と機能 ― 上部食道括約筋、蠕動運動、下部食道括約筋

食道は食塊を口咽頭から胃に送り、胃に入った食塊が食道に戻ることを防止する。 **** credit: 食道の働き、Digestion in Human Beings 3D CBSE Class 7 Science 食道の構造 食道は咽頭から胃に延びた筋性膜性の管路であり、長さは男性では平均24.71cm,…

めまいの原因を特定する ― めまいとバーティゴ

何ら病気にかかっていない場合から重症な疾患の症状の場合まである **** めまいはそれ自体が病気ではなく、体に異常によるものと、よらないものがある。原因の特定、治療の必要性、及び治療法は症状が現れる状況により異なる。 食べ過ぎによるめまい あ…

薬剤性食道炎と焼灼性傷害

ボタン電池の誤飲は早期に治療を受けないと食道癌のリスクがある **** 薬剤性食道炎は薬剤により食道に炎症が起こる疾患。 苛性酸溶液(アスコルビン酸及び硫酸鉄)、苛性アルカリ液(アレンドロン酸ナトリウム、ボタン電池)、高モル濃度溶液(塩化カリ…

耳硬化症

あぶみ骨が固化して難聴になる **** 耳硬化症は卵円窓に骨が異常で形成される疾患です。白人に多く、日本人の罹患率は非常に低く、全耳疾患の1%程度です。 credit: head mirror 松吉医科器械株式会社 病態 耳硬化症は新しい骨が異常に形成され、あぶみ…

聴覚器官の仕組みと働き

老人性難聴は改善の可能性がある **** 人が音を聴くとき、音波は空気で満たされた中耳の3個の小骨を介して鼓膜(空気伝導)から蝸牛内にある液体で満たされた卵円窓と基底膜に伝わります。 小骨は鼓室から卵円窓への音の利得を約18倍に増大し、音波が…

難聴の病因と治療法

伝音性難聴、感覚神経性難聴、中枢聴覚障害の違い **** 難聴は伝音性難聴、感覚神経性難聴、中枢聴覚障害の3つに分類されます。 伝音性難聴 伝音性難聴は外耳又は中耳の障害です。すべての周波数領域でほぼ均等に難聴が起こり、会話は良好に聞き取れま…

耳鳴りと補聴器

補聴器による耳鳴り解消 **** 「ついに!耳鳴りが治る 原因解明&治療最前線―NHK ためしてガッテン(放送2015年3月4日)」の復習です。 鳴り止まない耳鳴りの原因は? 加齢による聴力低下による難聴。 難聴による耳鳴りが起こるメカニズムは蝸牛が加齢に…