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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

三叉神経痛

顔に風が当たっただけで死にたくなるほどの痛みがでる **** 疫学 三叉神経痛は三叉神経が刺激を受けると、激痛が生じる疾患。三叉神経痛の有病率は10万人に4人。年齢層は50から60代が多く、女性患者と男性患者の比率は1.5対1の割合である。 病理学 若年…

薬理学的昏睡 ― バルビツール誘発性昏睡

バルビツール薬を適量投与することにより患者を一時的に昏睡状態にして、脳の活動を抑えて、回復させる **** バルビツール誘発性昏睡はバルビツール薬を適量投与することにより患者を一時的に昏睡状態(深い無意識状態)にする療法である。 バルビツール…

外傷性脳損傷の治療

軽度又は中度の外傷性脳損傷患者は救急病院に搬送されるまでに意識が正常に戻ることがある。脳震盪が重度であると意識回復に時間がかかる。 **** 外傷性脳損傷の種類 外傷性脳損傷には緊急の外科手術が必要となるものと、そうでないものがある。穿通創、…

頭蓋内圧低下症

脳内の脳脊髄液の漏れによる脳圧低下 **** 疫学 頭蓋内圧低下症は頭痛を引き起こす疾患で、患者が仰向けになると頭痛が収まり、起き上がると悪化する。この頭痛は一次性頭痛のことも、他の疾患により引き起こされる二次性頭痛の場合もある。原因として腰…

カナダ頸椎規定

放射線画像検査で使用される放射線と造影剤は人体に有害であるため、カナダでは検査が必要な条件が規定されている **** image: Canadian C-Spine Rule カナダ頸椎規定は頭部又は頸部に障害を負った患者が救急搬送された場合、脊椎損傷の診断で放射線画像…

脊髄と脊椎の違い

脊髄は中枢神経系の一部であり、脊椎は骨格系の一部である **** credit: vertebral column, StudyBlue 脊髄は中枢神経系の一部であり脊椎の内部にある。脊椎は骨格の一部である。脊髄および脊椎は共に体の後側にある。体の発育段階では脊髄と脊椎の長さ…

外傷性脊髄損傷の診断

検査に異常がなく、脊椎に痛み、痺れ、刺痛感、脱力感がなければ、脊髄損傷の可能性は低い **** 外傷性脊髄損傷の診断では損傷の程度及び障害の重症度を判別する他に神経学検査が必要である。これに加えて、早い段階で神経障害の程度を詳細に記録する必…

視神経炎と視神経乳頭浮腫の違い

目の炎症と頭蓋内圧亢進 **** 視神経炎と視神経乳頭浮腫の違い 視神経炎 視神経乳頭浮腫 中心視力消失 あり なし 片目・両目 常に片目 常に両目 目の痛み(目を動かすとき) あり なし 直接光反射 減少 変化なし 頭部CT・MRIの所見 白質プラーク 腫瘍、…

外傷性脳損傷の画像診断と脳震盪判定

脳の損傷は画像検査で迅速な診断が必要 **** CTスキャン検査 外傷性脳損傷患者に対してはCTスキャン検査を可能な限り早く行う(造影剤は使用しない)。患者に脳画像検査の必要性はグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)及びカナダ頭部CTルールなどに基づ…

頭蓋内圧亢進症 - 頭痛が視覚障害になる

治療を誤ると視覚障害が起こる **** photo: タニタ体組成計 頭蓋内圧亢進症は出産年齢の肥満女性で原発性および特発性の疾患である。二次性の頭蓋内圧亢進症として脳静脈血栓症、脳腫瘍、水頭症、頭蓋内疾患などがある。 疫学 突発性で原発性の頭蓋内圧…

外傷性脳損傷の診断

グラスゴー・コーマ・スケールによる判定と神経学的検査 **** chart: Glasgow Coma Scale グラスゴー・コーマ・スケール 外傷性脳損傷はグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)で直ちに脳の状態を判定する必要がある。 GCSでは目の開き(4:自発的~1:無…

側頭動脈炎 - 巨細胞性動脈炎

高齢者に見られる頭痛で、合併症として失明の可能性がある **** photo: プレドニゾン、側頭動脈炎治療薬 疫学 側頭動脈炎は高齢者に多く見られる炎症である。原因は不明であるが、遺伝子が関係していると考えられている。良く見られる症状として頭痛があ…

アロデニア - 中枢性感作による過敏反応

痛みの原因がなくても痛みを感じる **** アロデニアは皮膚に痛みがでる疾患であり、通常痛みの原因にならない物で痛みが現れる。 この痛みは線維筋痛症が関係し、患者によっては慢性疲労が現れる。このほか神経症状、帯状疱疹後神経痛、及び偏頭痛が生じ…

ニューロンの機能は不滅

ニューロンは長い年月生きつづけることができるので、人は学習を行い、記憶を生涯保持することができる **** ニューロンの運命 ニューロンは生まれる前から運命が定まっている。ニューロンの脳内での役割がプログラムされており、さらに連携して機能する…

慢性連日性頭痛(その2)- 診断、治療、予防、予後

主たる原因は薬剤の過剰摂取。予防薬で悪循環を断ち切る。 **** image: medication case 診断 慢性連日性頭痛の診断は病歴に基づいて行う。この疾患の元の頭痛の種類を特定する必要がある。慢性片頭痛、慢性緊張性頭痛、新規発症持続性連日性頭痛、持続…

外傷性脊髄損傷の臨床症状

脊髄の損傷は感覚や運動機能を損なう **** 脊髄症候群 脊髄症候群としてブラウン・セカール症候群、脊髄中心症候群、及び前索症候群がある。 ブラウン・セカール症候群では、障害は脊髄の片側の病変に起因する。対側性の痛みと温度感覚と共に同側性の運…

外傷性脳損傷の臨床症状

脳のダメージは時間が立ってから現れる **** photo: Stretcher, Paramount Bed 外傷性脳損傷の徴候や症状は患者により異なる。軽度の外傷性脳損傷患者では頭痛、不安症状、及び睡眠障害が現れる。神経心理学的検査では軽度の認知障害が検出されることが…

慢性連日性頭痛(その1)  - 疫学、病理、及び症状

頭痛薬を過剰に服用すると慢性的な頭痛または症状が悪化する **** 慢性連日性頭痛は1ヶ月に15日以上現れる頭痛であり、慢性片頭痛、慢性緊張性頭痛、新規発症持続性連日性頭痛、又は慢性群発性頭痛であり、薬剤の過剰摂取による場合が多い。 疫学 人口…

灰白質と白質の違い

脳における処理は灰白質で行われ、脳と体の各器官との情報のやり取りは白質で行われる **** credit: neuron, Neuroscientifcally Challenged 人間の神経 神経系は中枢神経系と末梢神経系にわけられる。中枢神経系は脳と脊髄からなる。 脳は灰白質と白質…

群発性頭痛及び三叉神経・自律神経性頭痛 - 診断、治療、予防、予後

一次性頭痛は患者が生涯付き合う病気であるが、効果がある薬剤を調べて症状の緩和を図ることができる **** photo: インドメタシン(頭痛薬) 診断 群発性頭痛では頭の片側で眼窩痛、上眼窩上痛、又はこめかみ痛が15から180分続き、同側で結膜充血又は流…

びまん性軸索損傷

重度になると、外傷から数ヶ月後に昏睡から回復することもあるが、ほとんどの患者は植物状態である **** びまん性軸索損傷とは びまん性軸索損傷は神経の軸索が延び、変形し、破断することにより生ずる。脳損傷で最も深刻なものである。 原因 びまん性軸…

外傷性脳損傷及び脊髄損傷

軽度な外傷が時間を経て重度機能障害に至ることがある **** 疫学 外傷性脳損傷及び脊髄損傷は予防可能な疾患である。外傷性脳損傷は外傷による死亡又は障害者にいたる主要な原因になっている。 我が国の頭部外傷数は年間およそ28万人と推定されており、…

群発性頭痛及び三叉神経・自律神経性頭痛 - 疫学、病理、及び症状

群発性頭痛は毎年又は1年おきに、決まった季節に起こる **** 三叉神経・自律神経性頭痛や群発性頭痛は頭の片側に生じ、自律神経症状を伴う頭痛である。発作性片側頭痛は5から30分間継続する頭痛で、女性に多い。 持続性片側頭痛は男女で発症し、軽度の連…

一次性頭痛と二次性頭痛の違い

頭痛の状態が変化した場合や悪化した場合は、精密検査を受ける必要がある。 **** photo: 長野病院待合室 一次性頭痛は頭痛そのものであるのに対して、二次性頭痛は他の疾患が原因の頭痛である。 一次性頭痛の種類 一次性頭痛には片頭痛、緊張型、群発性…

オピエートとオピオイドの違い

オピエートは天然の鎮痛薬であり、オピオイドは同じ効果のある合成薬である **** 市販の鎮痛剤で痛みがとれないときは、人はより強い薬を服用するようになる。強い鎮痛剤は所定の用量と日数を守らないと、依存症になる。 オピエートとは オピエートは天…

片頭痛

片頭痛は遺伝性の頭痛で、視覚、感覚、又は運動性の前兆が現れる **** 片頭痛は遺伝性であり、通常は頭の片側で現れるが、両側の場合もある。頭痛は中程度から重度まであり、体を動かすと悪化する。羞明及び騒音恐怖症を伴う。頭痛は4時間から72時間続く…

反射運動 - 膝蓋反射から高度な体操競技まで

反復練習すれば意識せずに体が動くようになる **** image: 体操平行棒 反射運動は体に対する刺激に対して、神経系が行う自動的な運動であり、無意識に行われる。 膝蓋反射 膝蓋反射は最も単純な反射運動である。膝頭の真下をたたくと、神経がこの刺激を…

緊張型頭痛

長期の市販薬服用は頭痛を慢性化させる **** 緊張型頭痛は吐き気や嘔吐を伴わない脳全体の頭痛である。患者には羞明又は騒音恐怖症のいずれかが現れる。日常生活で頭痛は悪化しない。 疫学 緊張型頭痛の罹患率は日本人の22.4%を占め、総数は約3000万人…

頭痛の治療、予防、予後

頭痛は薬剤で治療、予防ができるが、慢性化するリスクが高い **** 治療 急性の頭痛は種類と強さにより治療方法が異なる。軽度の頭痛では、鎮痛薬(アセトアミノフェン、アスピリン、又は非ステロイド性抗炎症薬)を服用で十分改善する。 中程度から重度…

フォノフォビア - 騒音恐怖症

騒音により悪い記憶が呼びおこされ、何も行動ができなくなる **** 騒音恐怖症 騒音恐怖症は突然の騒音に驚き、パニックになる不安障害の一種である。この疾患は男女、人種を問わず患者数は多い。 建物には火災を知らせる火災警報器が取り付けられている…

頭痛の症状と診断

他の疾患による二次頭痛の診断を誤ると死に至る **** 頭痛患者は拍動的な痛みや、締め付けられる痛みを訴える。頭痛中程度から重度で日常生活に影響を及ぼしている。痛みは頭の片方に現れるが、両方の場合もある。片頭痛では、吐き気、嘔吐、羞明(光を…

求心性神経と遠心性神経

脊髄損傷後、患者が体を動かせるかどうかは求心性神経と遠心性神経の損傷の程度による **** image: 打診器/ティラーハンマー(かっけ診断用) 脊髄損傷は運動と感覚システムに異常をきたす。 神経系の複雑な構成 神経系は中枢神経系と末梢神経系の2つに…

頭痛の疫学と病理学

頭痛にかかる人と特徴 **** 頭痛は重大な障害により引き起こされることもあるが、通常は片頭痛、緊張型頭痛、群発性頭痛、又は発作性片頭痛である。 頭痛にかかる人 成人の約90%が一生に一度は頭痛を経験しており、小児の75%以上が15歳までに激しい頭…

肺癌検診と予防

喫煙者は自身だけでなく、周囲の人の肺癌のリスクを高めている **** 肺癌患者は肺癌が見つかったときにはすでに進行しており、治療は困難な状態である。胸部X線検査では肺癌の早期発見には役立たない。低線量CT(コンピュータ断層撮影)は胸部X線検査と…

アスベスト暴露と悪性中皮腫発症

アスベストを吸い込むと、人生の後半で突然死の宣告を受ける **** credit: アスベスト、医薬品管理センター 疫学と病理学 悪性中皮腫は体腔漿膜に生じる癌である。中皮腫の80%は胸膜腔に生じ、次いで腹膜に多く生じる。患者は通常55歳以上で、遠い昔(3…

CTとPETの違い

CTで形状を調べ、PETで機能を調べる **** credit: PET-CT Scanner, GE-Healthcare CTスキャン(コンピュータ断層撮影)とPETスキャン(陽電子放射断層撮影)は異なる画像診断方法である。PETスキャンは放射線を使用して体の機能的プロセスの3次元画像を…

小細胞肺癌の治療

転移ステージでは化学療法や標的分子療法は対処療法で生存率は上昇しない **** 小細胞肺癌治療の中心は化学療法である。この病気は進行が早く、体の遠位に転移する。過去10年間で、小細胞肺癌の治療方法は大きな進歩は見られない。 限局ステージ 小細胞…

非小細胞肺癌の治療

将来の非小細胞肺癌の治療はゲノム情報、薬理反応、及びプロテオミクスに基づいて治療が行われる **** image: Surgical Knives ステージI及びII ステージIとIIの非小細胞肺癌における最初の治療は癌切除。手術前に、努力呼気肺活量、肺拡散能力、及び血…

肺癌画像検査

X線、CT、PET、PET-CT **** image: PET-CT scanner X線撮影 標準的な背腹及び横方向の胸部X線撮影は低額で検査も容易であるが肺癌のステージ分類には使えない。X線線撮影では3から4mmの肺結節を検出できるが、肺門又は縦隔リンパ節の腫脹の検出は困難。 …

産科医は今後、新生児のへその緒を切リ急がなくなる

鉄欠乏症の防止と免疫機能の向上 **** これまで産科医は新生児のへその緒を生後直ちに切断していた。 近年、この常識が変化してきている。新生児の両親はへその緒が直ちに切断されないことに驚いてはいけない。 米国産婦人科医学会の勧告 米国産婦人科医…

肺癌の診断 ― 非小細胞肺癌と小細胞肺癌

小細胞肺癌は診断時ですでに転移している **** 肺癌の診断は採取した組織の細胞検査、喀痰検査、気管支肺胞洗浄検査、又は経気管支/軽胸腔的針吸引で行われる。 これら各検査方法で採取した腫瘍細胞の数が多ければ診断が正確になる。 孤立性肺結節 孤立…

肺癌の初期では症状がなく、人間ドックや他の検査で見つかることが多い

肺癌の症状と徴候 **** 肺癌の症状と徴候 肺癌の症状や兆候は、癌の進行により変化する。肺癌が局所で増殖や浸潤が起こる。次に、肺癌がリンパ節及び隣接組織へ転移。最後に、肺癌が遠位に転移する。患者によっては腫瘍随伴性症候群が起こる。 肺癌の非…

肺癌は腫瘍遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、及び成長因子の変化により発症

肺癌の病理学 **** 肺癌は長い年月をかけて多くのステップを経て増殖する。タバコの煙などの発癌物質により遺伝子に変異が起こり、細胞増殖の正常な制御メカニズムが機能しなくなる。肺癌は腫瘍遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、及び成長因子の変化により発症す…

肺癌の危険因子

タバコだけでなく周囲の発癌物質に注意しなければ肺癌のリスクは無くならない **** タバコの喫煙と肺癌との関係 タバコの喫煙が肺癌の原因の約85から90%をしめている。タバコの煙には40種以上の発癌物質を含む。発癌リスクは1日に吸うタバコの本数、喫…

肺癌の種類と疫学 ― 癌死亡の男性第1位、女性第2位は肺癌

タバコを吸い続けていると、高齢になってから肺癌で苦しむことになる。 肺癌の種類 肺癌は気道上皮に生じる。肺癌は主に非小細胞性肺癌と小細胞性肺癌の2つのグループに分類される。小細胞性肺癌は肺癌全体の約85%を占める。この他の呼吸器系の癌として腺扁…

良性乳房疾患

良性乳房疾患と診断されても、時間の経過で乳癌に変化することがある **** 良性乳房疾患には乳房痛(痛みと圧痛)、乳腺炎(感染性と非感染性炎症)、外傷、及び良性腫瘍がある。乳房痛は乳房外に原因がある場合があり、心筋虚血、肺炎、胸膜炎症、食道…

乳癌検診 ― 乳房自己検査、臨床的乳房検査、マンモグラフィ

マンモグラフィで見逃される乳癌がある **** 乳癌検診として乳房自己検査、臨床的乳房検査、及びマンモグラフィ検査が行われている。 乳癌の早期発見の重要性が広く認識されており、臨床的乳房検査とマンモグラフィ検査が重要であり、これらを受診するこ…

乳癌予防 ― 手術、薬剤、生活習慣改善

乳房摘出しても乳癌リスクはなくならない **** 乳癌は死亡リスクが高いため、予防の関心が高まっている。現在行われている方法は手術、薬剤、及び生活習慣の改善である。 予防的乳房摘出と卵巣摘出 癌抑制遺伝子BRCA1又はBRCA2に変異がある場合、乳癌発…

癌の骨への転移

女性では乳癌、男性では前立腺癌が骨への転移が起こりやすい **** credit: 骨シンチグラフィ検査装置、東芝メディカルシステムズ 骨に転移する癌 癌が進行すると、癌は体の様々な臓器や組織に転移する。女性では、乳癌が、男性では前立腺癌が骨に転移し…

乳癌の支持療法

乳癌は治癒しても、様々な症状が出るため、長期にわたる医療サポートを受ける必要がある 骨の健康維持 乳癌において最も癌が転移する部位が骨である。患者で最も病状が強く現れる所が骨である。 ホルモン療法又は化学療法とともに、骨吸収阻害薬であるビスホ…