医学よもやま話

医学情報をご提供します。

歯周炎と歯肉炎の違い

歯垢細菌による炎症であり、歯肉炎は歯周炎に進行することがある。

****

f:id:tpspi:20170729160733g:plain

Image:  デンタルフロス

Credit:  Dr Kuljeet Mehta-Periodontist, “Dental Floss

 

歯周炎

歯周炎は歯周組織(歯を支える周囲組織で、軟組織の歯肉、歯根膜と硬組織のセメント質、歯槽骨からなる)に生じる炎症であり歯茎と歯の下部の間隙に特定の病原菌が増殖することによる。

歯周炎を放置すると、炎症は顎に広がり、骨の再吸収により、歯が支持組織から抜け落ちてしまう。

35歳以上の成人で歯を失う理由の1番目が歯周炎である。歯周炎は正しい歯磨きと歯間の掃除により予防することができる。歯周炎は患部の掃除や壊死組織の除去により治療できる。

症状が重度で通常の治療法で効果がない場合は、抗生剤投与や組織の破壊を防止し再生を目的とする歯周病宿主修飾治療法が行われる。歯周炎が進行している場合は、抜歯が必要となる。

 

続きを読む

歯垢と歯石の違い

歯垢は口内細菌により歯に付着し、放置すると歯石となり、虫歯、歯周病、歯の喪失に至る。

****

f:id:tpspi:20170729114822g:plain

Image: 歯ブラシだけでは歯垢は除去できない。

Credit:  “Dental Flossing Technique”, smilearttj

 

歯垢

歯垢は食物のカスではなく、微生物のバイオフィルム、唾液の有機、無機の成分、歯肉溝浸出液、及び微生物産生物でできており、虫歯や歯周病の原因になる。歯垢を放置すると固まり、歯石になる。

歯垢に含まれている多種の細菌が虫歯、歯石、歯肉炎を引き起こしている。

歯垢ができる早さと部位は個人差があるが、歯ブラシから4時間経過後に歯に形成され始め、歯と歯茎の境目(歯肉溝)に最もできやすい。歯垢の形成を抑制するため、1日に2度以上の歯磨きと毎日のデンタルフロスによるケアが必要である。

歯垢は、72時間以上放置しておくと、歯石に変化する。

 

続きを読む

鼻炎と副鼻腔炎の違い 

鼻の粘膜の炎症と顔面空洞である副鼻腔の炎症。

****

 

f:id:tpspi:20170728165006g:plain

鼻炎

鼻炎は鼻の粘膜の炎症である。鼻炎では鼻の粘膜が感染又は刺激により鼻水、鼻詰まり、又は腫れが現れる。

鼻炎の最大の原因は風邪である。風邪は最も一般的なウイルス感染である。

風邪は3から10日で自然に治癒するが、細菌感染を併発することもある。

風邪の原因ウイルスの数は約200種類ある。ウイルスはくしゃみと咳、患者に接触することで感染する。

風邪の潜伏期間は24から72時間であり、突然発症する。

ウイルスにより鼻の粘膜に炎症が起こり、大量の透明の粘液が作り出される。

炎症は鼻孔から喉と上気道に広がり、乾性咳、頭痛、及び涙が現れる。一部の患者では筋肉痛、関節痛、疲労、脱力感が現れる。数日後、鼻の炎症は軽減し、透明な鼻水が黄緑色に変化する。

鼻炎は鼻水の変化でウイルス性かアレルギー性かの区別が可能。

 

続きを読む

髄膜炎と脳炎の違い

髄膜炎は細菌、ウイルス、その他による髄膜の炎症。脳炎はウイルスによる脳実質の炎症。

****

 

f:id:tpspi:20170728114609g:plain

Image:  日本脳炎の感染媒体としての蚊、

出典: Mosquito Information Center

 

髄膜炎

髄膜は、脳と脊髄を覆う膜である。髄膜に起こる炎症を髄膜炎と呼ぶ。髄膜炎は通常細菌やウイルスによる感染であるが、ガン、腫瘍、真菌などで起こることもある。

主な髄膜炎は細菌性髄膜炎とウイルス性髄膜炎である。ウイルス性髄膜炎は通常軽度で、合併症を生じることなく2週間以内に治癒する。

これに対して細菌性髄膜炎は重大な疾患である。ウイルス性髄膜炎は季節性の感染症であり、夏の終わりから秋のはじめに多く生じる。30歳未満の人に多く生じ、特に5歳未満の小児が最も多い。

髄膜炎にかかると、1から2日で症状が現れる。初期症状は風邪の症状に似ている。主な症状は頭痛であるが、嘔吐や吐き気が生じることもある。

高熱、首の硬直、昏迷、羞明、発作、不眠症、起床障害が起こることがある。髄膜炎菌性髄膜炎では皮膚に発疹が生じる。

 

続きを読む

蕁麻疹と湿疹の違い

蕁麻疹は治癒するが、湿疹は難治性の皮膚のアレルギー反応である。

**** 

f:id:tpspi:20170727161746g:plain

蕁麻疹

蕁麻疹はアレルギー反応により皮膚に生じ、強い痒みを特徴とするミミズ腫れである。通常、数時間で消える。短期に再発するものを急性蕁麻疹と呼び、6ヶ月以上長期に再発するものを慢性蕁麻疹と呼ぶ。主に、胸、背中、四肢、顔、又は頭皮に生じる。慢性の湿疹をアトピー性皮膚炎と呼ぶ。あらゆる年代で生じるが、20から40歳で特に多く見られる。

皮膚がアレルゲン(食物、薬剤など)、熱、寒さ、感染などに反応して、マスト細胞からヒスタミンが放出され、蕁麻疹が起こる。運動、入浴、ストレスによっても蕁麻疹が現れる。極端な例では、皮膚をたたいたり、掻いたりしても蕁麻疹が生じることがある。

真皮にできる腫脹は血管性浮腫とよばれ蕁麻疹を伴う。唇、目の周囲、喉、舌、及び肺にできる。血管性浮腫が喉にできると呼吸障害が起こるため、救急搬送が必要になる。

蕁麻疹は自然におさまるため、治療は不要である。気になる場合は、抗ヒスタミン剤で治療する。慢性蕁麻疹では長期の治療が必要であるが、蕁麻疹の原因物質を避けることにより発症が抑制できる。

 

続きを読む

湿性咳と乾性咳の違い

痰を伴う咳と伴わない咳

****

 

f:id:tpspi:20170727101932g:plain

 

痰を伴う咳と伴わない咳

咳には粘液(痰)を伴う咳と粘液を伴わない咳がある。前者を湿性咳と呼び、後者を乾性咳とよぶ。これらの咳は異なる疾患によるものである。

乾性咳では、喉に痒みと渇きを感じる。エアコン使用時のように、空気が乾燥していると咳が続く。湿性咳では喉に痒みはでないが、咳が続くと胸が痛くなる。

 

咳のメカニズム

乾性咳と湿性咳は異なるメカニズムによる。呼吸器系がアレルゲン又は病原体などの異物による攻撃を受けると、呼吸器系は粘液(痰)を分泌して異物を捕らえる。異物は粘液として咳により排出される。これが湿性咳である。しかし、粘液の粘度が高い場合は、粘液は咳とともに排出されない。これが乾性咳である。

ほとんどの咳は感染によるものであるが、アレルギーと心臓病によるものもある。

 

湿性咳の原因

湿性咳の原因として風邪、上気道感染、肺炎、気管支炎、肺気腫などがある。湿性咳が重大な病気を示唆する場合もある。

 

続きを読む

めまいと頭痛の違い

めまいは内耳の障害。頭痛は頭の障害ではなく病気の症状。

****

f:id:tpspi:20170726142439g:plain

Credit:  回転木馬、“Children's Museum Carousel in Indianapolis

 

めまい

めまいは失神及び目が回る感覚又は立っている状態又は座っている状態で正常な平衡感覚が維持できない病態であり、目のくらみ、混乱、吐き気、脱力感などを伴う。部屋や自分が回転する感覚が生じる。

急に立ち上がって、失神のような感覚を経験する人は多い。めまいが起こると、平衡感覚を維持することが困難になり、動くと症状が悪化する。

脳は目、内耳、及び体の感覚の情報を統合して、身体の平衡を維持している。

これらの器官に障害が起こると、脳は身体の平衡を維持することができなくなる。体が静止しているとき、目の動きが大きいと、乗り物酔いが生じる。

体からの情報と目からの情報が一致しないため、めまいが起こる。平衡感覚を維持するために、視覚と体の感覚がもっとも重要であるが、めまいの最大の原因は内耳の障害である。

内耳には脳が目や体から受け取る情報を微調整するためのリンパ液が入っている。片方の内耳のリンパ液の量又は圧力が変化すると、平衡感覚の情報が変化が現れる。脳に送られる平衡感覚の情報の不一致によりめまいが起こる。内耳は血流の変化に敏感であるため、高血圧や低血糖でめまいが起こる。

この他、めまいの原因として頭痛、耳の感染、アレルギー、及び神経疾患がある。

めまいは加齢により増加し、75歳以上の高齢者が診察を受ける最大の理由はめまいである。

 

続きを読む