読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

医学よもやま話

医学情報をご提供します。

睡眠時随伴症

睡眠状態が分離したもので、覚醒とノンレム睡眠レム睡眠の同時混在である。

****

f:id:tpspi:20170419061140g:plain

photo: EEG Waves

 

睡眠時随伴症は睡眠時に際だって又はもっぱら生じる不快又は望ましくない行動又は経験的な現象である。以前は精神疾患であると考えられていたが、現在では睡眠時随伴症は診断でき、治療可能な病態だと考えられている。

睡眠時随伴症は睡眠状態が分離したものであり、覚醒とノンレム睡眠の同時混在(昏迷覚醒、夢遊病、又は夜驚症などの覚醒障害)又は覚醒とレム睡眠の同時混在(レム睡眠行動障害)である。

ナルコレプシーと同様に、睡眠時随伴症は覚醒と睡眠は相互に排他的な状態でなく、睡眠は必ずしも脳全体の現象でないことを裏付けている。

怪奇な睡眠時異常行動を健常人でも経験することがある。睡眠時異常行動は自身や他人を傷つける恐れがあるので、脳波計を使用した検査が必要である。

原発性アルドステロン症による電解質コルチコイド性高血圧

副腎皮質球状帯の腺腫や過形成が原因の高血圧症。

****

f:id:tpspi:20170418154830g:plain

credit:  Adrenal Vein Sampling, Asheesh K. Harsha MD

 

病理

アルドステロンは遠位ネフロンの電解質コルチコイド受容体の主要なリガンドであるため、アルドステロンが過剰に産生される腎臓でのナトリウムとカリウムの交換が過剰に行われ、低カリウム血症になる。

原発性アルドステロン症で最も多い原因は片側性の副腎皮質球状帯アルドステロン産生腺腫及び両側副腎過形成である。

 

臨床症状と診断

高血圧症であり、原因不明の低カリウム血症である場合又は利尿剤を使用して過剰な低カリウム血症である場合は、電解質コルチコイド性高血圧と診断される。初期の段階では、患者の3分の1以上は低カリウム血症は現れないが、難治性高血圧ではこの病態を考慮しなければならない。

アルドステロン症の検査(血漿アルドステロン濃度及び血漿レニン濃度)は低カリウム血症又は重度の薬剤難治性高血圧患者に限定される。患者の検査結果が陽性で、抑制できないアルドステロン症である場合は、左右どちらの副腎からアルドステロンが過剰に産生されているかを調べるために副腎静脈から血液採集を行う(副腎静脈サンプリング)。

続きを読む

肺炎治療後の管理と抗生剤治療で効果が現れない場合

肺炎患者の約10%で治療効果がなく、25%で合併症が現れている。

****

f:id:tpspi:20170418121806g:plain

肺炎治療後の管理

抗生剤治療で効果があっても、臨床的な症候や症状が消えるのと比較して、胸部X線画像で病変が消えるのには時間がかかる(6から8週間)。

胸部X線写真の病変が完全に治癒しているか、線維性瘢痕が形成されているかの確認が必要。抗生剤治療終了後6から8週間目に胸部X線検査を行い再発がないか検査を行う。

胸部X線検査で病変が残存しているか、肺炎再発の場合は不顕性腫瘍、異物、気管支狭窄、気管支石灰化などの気管支閉塞を直ちに調べる必要がある。CT検査の結果に応じて、気管支鏡検査などを行う。

 

抗生剤治療で効果が出ない場合

コミュニティ肺炎患者の約10%で治療効果が現れない。約25%で合併症が現れている。ガイドラインに従った治療により、治癒が期待できる。

経験的抗生剤投与で効果が出ない場合は、特異な病原体、肺塞栓のような鑑別診断、又は胸水、膿胸、又は肺膿瘍のような肺炎の合併症を検出する。これらの場合は、胸部CT、胸水穿刺、呼吸分泌物、ブラシ擦過物、気管支肺胞洗浄液などの検査が必要。

睡眠相後退症候群と睡眠相前進症候群 ― 病的な夜型と朝型

狂った体内時計を元に戻す必要がある。

****

f:id:tpspi:20170418073746g:plain

photo:  光線療法用メガネ

 

睡眠相後退症候群

睡眠相後退症候群は夜遅くまで眠れず、朝は起きれない病態で、概日リズム睡眠障害の一種。患者は夜の希望する時刻に眠りにつくことができない。この病態は入眠障害又は朝の日中過眠症として現れる。

睡眠相後退症候群は一次性概日リズム障害で最も多い病態で、夜遅くまで活動する機会の増加が原因とされている。

この病態は概日リズム障害と同様に時間療法、光線療法及び、薬剤療法を組み合わせることにより、体内時計をリセットすることができる。治療を継続しないと、体内時計は遅れてしまう。

続きを読む

腎血管性高血圧

腎臓の動脈が狭くなることによって起こる高血圧。

****

f:id:tpspi:20170417160339g:plain

Credit: Balloon Angioplasty, Balloon Angioplasty and Stenting Animation

 

病理と症状

腎動脈狭窄の主要な原因は高齢者の全身アテローム性動脈硬化と若い女性の線維筋性異形成である。

腎動脈狭窄及び高血圧症はしばしば共存するが、患者の高血圧が腎血管性であることや、血管形成術で腎臓灌流と血圧を改善することを意味しない。

片側の腎動脈狭窄は糸球体近接細胞への灌流不足が生じる。これにより、対側の腎臓が正常な血液量を維持できても腎性高血圧を引き起こす。これに対して、両側腎動脈狭窄(腎臓が1個しかない場合の片側狭窄)では進行性腎不全及び容量依存性高血圧の原因となる。

次の臨床症状は腎血管性高血圧の手がかりとなる。

高血圧で緊急入院、再発性肺浮腫、長期の高血圧症が悪化、若年者又は50歳以上の患者での重度な高血圧、ACEやARTに対する腎臓機能の急激又は進行性の悪化、X線検査での片側の腎臓の縮小、末梢アテローム性動脈硬化、及び腹部血管雑音。

続きを読む

肺炎の治療期間

コミュニティ肺炎患者は少なくとも5日間抗生剤治療を受けなければならない。

****

 

f:id:tpspi:20170417105215g:plain

photo:  細菌培養

 

ほとんどの肺炎患者は経験的抗生剤を3日服用すれば効果が現れる。患者の症状が悪化したり、病原体培養結果が他の薬剤への変更の必要性を示さない限り72時間は薬剤の変更は行われない。

最初に注射薬で治療を受けた患者で8時間経過して、発熱がなく、咳、呼吸困難、及び白血球増加がなければ、薬剤による治療に切り替えられる。

コミュニティ肺炎患者の抗生剤治療期間は個人差があるが、少なくとも5日間継続する必要がある。治療を終了するためには、少なくとも48から72時間発熱がなく、臨床的に異常がないことが条件である。

多剤治療を行っている場合、病原体が検出されない場合は、段階的に減薬を行う。

持続性概日リズム障害 ― 時差ボケと夜勤の対処

時差ボケは、時差1時間は1日で自然解消する。

****

 

f:id:tpspi:20170417082618g:plain

 

時差ボケ

時差ボケを解消するのに一番良い方法は、直ちに生活を現地の起床就寝時間に合わせることである。時差ボケで生活に支障が出る場合は、睡眠薬で睡眠開始による不眠症が解消可能。時差ボケは、時差1時間は1日で自然に解消する。

 

夜勤労働

夜勤労働による概日リズム障害の解消は困難である。対策としてカフェイン剤などの興奮薬の服用と夜間、光線を浴びること。又は、睡眠薬を服用し、日中眠くならない環境を保つこと。夜間労働の性質から、労働者の体内時計は夜間勤務に適合しない。労働者は帰宅して日中、睡眠をとるため体内時計がリセットされてしまうからである。

 

薬剤療法

時間療法や光線療法によっても症状が改善しない場合、薬剤で治療する。過度に眠く、注意力が欠如により夜間勤務に支障が出る場合は、精神刺激薬モダフィニルが有効(モダフィニルはスポート禁止薬に指定されているので注意が必要)。

カフェインは適度の効果が得られるが、昼寝、明るい光線、又はモダフィニルには及ばない。東廻りの時差ボケについては、入眠したい時間の4から5時間前にメラトニンを服用すれば効果が得られる。

 

参考資料:” Melatonin for the prevention and treatment of jet lag” by Herxheimer A, Petrie KJ.. Cochrane Database Syst Rev.