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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

外傷性脳損傷の診断

外科 救急医療

グラスゴー・コーマ・スケールによる判定と神経学的検査

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chart:  Glasgow Coma Scale

 

グラスゴー・コーマ・スケール

外傷性脳損傷はグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)で直ちに脳の状態を判定する必要がある。

 

GCSでは目の開き(4:自発的~1:無反応)、言語反応(5:指示に従う~1:無反応)、及び運動反応(6:指示に従う~1:無反応)で数値を合計する。合計が14又は15ポイントでは脳の損傷は軽度、9から13ポイントでは中度、3から8ポイントでは重度と判定する。

 

神経学的検査

神経学的検査により損傷の範囲と障害の重症度を判定する。

検査項目 

  • 精神状態(意識レベル、方向、記憶、言語機能、判断力)
  • 脳神経機能(視力、眼底、視野、瞳孔、眼球運動、顔の各部位の動き(顎、顔、口蓋、首、舌))
  • 運動系(筋緊張、筋肉の大きさ、筋肉強度)
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側頭動脈炎 - 巨細胞性動脈炎

免疫 血管

高齢者に見られる頭痛で、合併症として失明の可能性がある

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photo:  プレドニゾン、側頭動脈炎治療薬

 

疫学

側頭動脈炎は高齢者に多く見られる炎症である。原因は不明であるが、遺伝子が関係していると考えられている。良く見られる症状として頭痛がある。有病率は10万人毎に12人である。年齢とともに有病率が増加する。80歳を超えると10万人毎に51人に増加する。女性が男性より多く発症する(3:1)。リウマチ性多発性筋痛を伴う。

 

臨床症状

連続して、広汎性の頭痛が生じ、時に拍動性がみられる。こめかみに痛みが生じ、患者は日常生活で支障が出る(食べ物を噛むときや髪を梳かすとき)。片目が一時的に見えなくなったり、物が二重に見えたりする。

 

診断と治療

赤血球沈降速度の上昇やC 反応性蛋白が生じる。側頭動脈生検で巨細胞が見つかる。コルチコステロイドで治療する。早期に治療すれば、失明などの合併症が防げる。この病気は長引くことがある。

アロデニア - 中枢性感作による過敏反応

神経学

痛みの原因がなくても痛みを感じる

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アロデニアは皮膚に痛みがでる疾患であり、通常痛みの原因にならない物で痛みが現れる。

 

この痛みは線維筋痛症が関係し、患者によっては慢性疲労が現れる。このほか神経症状、帯状疱疹後神経痛、及び偏頭痛が生じる。

 

アロデニアの病態

アロデニアには3つの病態がある。患者には1つ以上の病態がある。

 

触覚性アロデニア - 接触による痛み。皮膚に接触する衣類を含む。例えば、ベルト、ブラのストラップ、靴下の伸縮部。

 

摩擦性アロデニア - 皮膚を擦ることにより起こる。タオル、シーツ、皮膚に吹き付ける風。

 

熱性アロデニア - 皮膚に損傷を与えない程度の熱または冷気による。

手足が冷たくて青くなるときは、レイノー症候群である。

 

アロデニアは痛覚過敏症とは異なる。痛覚過敏症は痛みのレベルを上げる疾患で通常の痛みが悪化するが、アロデニアは急性の痛みである。

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ニューロンの機能は不滅

脳科学

ニューロンは長い年月生きつづけることができるので、人は学習を行い、記憶を生涯保持することができる

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ニューロンの運命

ニューロンは生まれる前から運命が定まっている。ニューロンの脳内での役割がプログラムされており、さらに連携して機能する。

 

ニューロンは時に損傷により死滅することがあるが、ニューロンが新たに作られることはほとんどない。正常のニューロンは死滅したニューロンを補完する役割がある。

 

ニューロンの成長

ニューロンは前駆細胞から分裂し成長する。完成すると、成長は止まる。このプロセスの大部分は母体の子宮で行われる。脳の一部は誕生後非常に短い期間で成長が止まる。新生児が生まれるとき、運動と体のバランスを司る小脳はまだ完全には出来上がっていない。生まれてから、小脳が成長して新生児は運動出来るようになる。そのため、新生児が動けるようになるのに時間がかかる。

 

細胞死

すべての細胞には自殺機能があり、この機能が働くと細胞は死滅する。細胞死はこのプログラムされている。体内のほとんどの器官の細胞は古くなったり、有害になると自殺し、新しい細胞と入れ替わる。

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慢性連日性頭痛(その2)- 診断、治療、予防、予後

脳神経疾患

主たる原因は薬剤の過剰摂取。予防薬で悪循環を断ち切る。

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image:  medication case

 

診断

慢性連日性頭痛の診断は病歴に基づいて行う。この疾患の元の頭痛の種類を特定する必要がある。慢性片頭痛、慢性緊張性頭痛、新規発症持続性連日性頭痛、持続性片側頭痛など。

 

持続時間が4時間未満の頭痛でも慢性連日性頭痛である。群発性頭痛、発作性片側頭痛、睡眠時頭痛(主に高齢者)、一時的刺痛性頭痛など。

 

二次性頭痛を除外することが最も重要。外傷後頭痛、血管障害性頭痛(巨細胞動脈炎、動静脈奇形、頸動脈及び椎骨動脈解離)、非血管障害性頭痛(脳圧亢進、脳圧低下、感染)など。

 

MRI検査及び血液検査(高齢者では、赤血球沈降速度)が推奨される。必要に応じ、脊椎穿刺で脳内圧を調べる。

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外傷性脊髄損傷の臨床症状

整形外科

脊髄の損傷は感覚や運動機能を損なう

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脊髄症候群

脊髄症候群としてブラウン・セカール症候群、脊髄中心症候群、及び前索症候群がある。

 

ブラウン・セカール症候群では、障害は脊髄の片側の病変に起因する。対側性の痛みと温度感覚と共に同側性の運動、触覚、固有受容性感覚、及び振動感覚が失われる。

 

脊髄中心症候群は上肢両側の運動機能が失われる(下肢の機能は残る)。近位の麻痺が遠位の麻痺より強くなる。痛みと温度感覚は低減するが、固有受容性感覚及び振動感覚は失われない。

 

前索症候群は前側及び片側脊髄柱に起因する障害である。病変より下の触覚、痛み、及び運動機能が失われるが、後側脊髄柱の固有受容性感覚及び振動感覚は失われない。

 

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外傷性脳損傷の臨床症状

脳外科

脳のダメージは時間が立ってから現れる

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photo:  Stretcher, Paramount Bed

 

外傷性脳損傷の徴候や症状は患者により異なる。軽度の外傷性脳損傷患者では頭痛、不安症状、及び睡眠障害が現れる。神経心理学的検査では軽度の認知障害が検出されることがある。

 

中度の外傷性脳損傷では、患者は感覚異常、運動及び知覚の変化、言語障害が現れる。神経の検査結果は異常を示す。重度の外傷性脳損傷では患者は昏睡状態におちいる。最善でも、患者の目は開いたままで、刺激に対して除皮質姿勢又は除脳姿勢を示す。

 

限局性傷害では衝撃を受けた部位に神経傷害が現れる。眼窩前頭及び前側側頭葉が最も影響を受ける。血腫や浮腫は傷害から時間が立ってから現れることがあるので警戒が必要。

 

外傷性脳損傷では全身動脈圧が一時的に上昇することがある。呼吸停止又は脳機能障害が現れることもある。微細血管の裂傷により障害が増悪する。