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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

カルシウム拮抗薬

長時間作用型ジヒドロピリジン系が効果、忍容性、安全性が最も優れている。

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photo:  ジヒドロピリジン系アムロジン

 

作用機序

カルシウム拮抗薬は心筋細胞及び血管平滑筋細胞の電位開口型Ca2+チャネルを塞ぐため、不整脈、狭心症、及び高血圧に効果がある。

細胞質ゾルのCa2+信号の低下により心拍及び心室収縮性が低下して血管の平滑筋が弛緩する。

血圧降下は主に末梢動脈拡張が関係し、ジヒドロピリジン系、ジルチアゼム、及びベラパミルの順に効力が弱くなる。

陰性変時作用(心拍数を減らす作用)と陰性変力作用(心室の収縮能力を弱める作用)では、ベラパミル、ジルチアゼム、及びジヒドロピリジン系の順に効力が弱くなる。

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食道疾患の症状

食べ物を噛まずに急いで食べると、食道がつまり(ステーキハウス症候群)、誤嚥の原因となる。

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credit:  Stake House 66

 

食道疾患で最も多く見られる症状は胸焼である。胸骨下灼熱とも呼ばれている。胸焼を伴わない胸痛起こる食道疾患として、胃食道逆流と噴門痙攣のような運動障害がある。

食道疾患感で現れる食道痛や胸焼は狭心症と区別がつきにくく、冠動脈疾患のリスクが高い患者では、胸焼は狭心症の可能性が高い。

 

嚥下障害

食道疾患のこの他の主要な症状として嚥下障害がある。固形物のみの嚥下障害は器質性障害であり、食道狭窄が起こる。液体と固形物の嚥下障害は運動性の障害である。

口腔咽頭嚥下障害患者は喉の奥に食べ物が付着した感覚が生じ、食塊を口から咽頭に送ることができない。患者は食塊を胃に送るために複数回飲み込む動作が必要となる。

脳神経は嚥下の初期段階を制御するが、同様に他の機能も支配しているため、口腔咽頭嚥下障害の症状として流涎(よだれを垂らすこと)、構語障害(舌の機能不全による)、鼻からの飲食物の逆流(鼻道の密封障害)、咳と誤嚥(喉頭前庭の上昇及び封鎖障害)がある。

食道の異常による嚥下障害を胸や首の疾患であると誤診されることがある。痛みの位置は必ずしも疾患の位置を表さない。

嚥下障害患者では食事において多く徴候が見られる。例えば、食事に時間がかかる、食事を嫌う、硬い食べ物を避ける、固形物を食べるときは大量の液体が必要。

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肺炎の院内感染とは

肺炎の院内感染による死亡率は30から50%と高率である。

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疫学

入院4日以内で感染する早期の肺炎や人工呼吸器による肺炎は抗生物質耐性細菌によるものが多く、入院後しばらくしてから感染する遅発性肺炎は病状が重く、致死率が高い多剤耐性病原体によるものである。肺炎の院内感染による死亡率は30から50%と高率である。

 

病理学

院内感染肺炎や人工呼吸器による肺炎の主要な原因菌は好気性グラム陰性桿菌である。

持病のない外来患者にはグラム陰性菌による肺炎はまれである(免疫不全や慢性閉塞性肺疾患患者を除く)。

多くの症例が多菌性感染であり、黄色ブドウ球菌などのグラム陽性菌感染が増加している。多剤耐性細菌の発生は患者、医療機関、抗生剤の使用ごとに異なるため、病原体や薬剤感受性の日常的な監視や検査が抗生剤の適切な投与のために重要である。

緑膿菌、アシネトバクター属菌、ステノトロフォモナス・マルトフィリア、及びバークホルデリア・セパシア菌類は多剤耐性を獲得しやすいので、特に懸念される。

多剤耐性病原体は重度の慢性疾患及び遅発性院内感染肺炎患者、及び人工呼吸器による肺炎患者に多く見られる。

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喉の不快な症状の直し方(その1)

喉の奥に付着した粘液の基本的な排出方法

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credit:  加湿器、e-goods

 

いつも咳払いをしている人を見かける。喉の奥に粘液がたまり、咳払いをしてもなかなか解消しない。ガムを噛んだり、アメをなめたり、トローチを試しても一時的で症状が治まらない。このような人は次の対応方法で症状が改善する。

 

基本

咳を我慢しないこと。咳は喉の奥に付着した異物を体外に排出するための反射運動である。塩を含んだぬるま湯でうがいをする。水分を十分に摂取する。加湿療法を行うか薬剤を服用する。自然療法を試みる。粘液を作り出す食べ物(乳製品)の摂取を控える。最後に、粘液を作り出している原因を突き止め、治療を行う。

 

喉の基本的なケア

  1. 喉に付着している痰や粘液を咳で排出する。人のいない所で咳払いや空咳をして粘液を緩める。咳払いは強く行ったり、何度もすると、喉に炎症が起こる。
  2. ぬるま湯に塩を入れて、うがいをする。220ccのぬるま湯に小さじ1杯分の塩を溶かす。この溶液を口に含み、頭を後に傾けて、喉の奥に溶液が来るようにして、うがいをする。
  3. 水分を多く摂取する。水分が喉の内側を通ることにより付着していた粘液がゆるくなる。粘液を排出しやすくする実証済みの方法:
  • 温かいレモンと蜂蜜入りの紅茶を飲む。この方法を基本にする。レモンの酸味は粘液を分解し、蜂蜜は喉に保護膜を作る。
  • 温かいスープを飲む。薄いチキンスープが望ましい。薄いチキンスープは粘液を分解する。
  • 冷たい水を飲む。喉の渇きに従って、満足するまで水分補給を行う。
  1. 加湿治療を行う。蒸気を鼻から喉に送り、喉に溜まっている粘液を緩める。次の緩和方法を試みる。
  • お湯から出ている蒸気を吸う。更に良い方法は、お茶の葉(カモミールが最適)を大きなポットのお湯に入れて、ポットからの蒸気を吸う。
  • ぬるま湯のシャワーを浴びる。
  • 加湿器を使う。加湿器で部屋を加湿する。加湿し過ぎに注意する。
  1. 粘液を抑える薬剤(去痰薬)を服用する。

 

参考資料 How to Clear the Throat of Mucus

食道機能検査

様々な検査により嚥下障害、胸やけ、及び胸の痛みの症状と原因を調べる。

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credit:  オリンパス上部消化管内視鏡

 

食道は食べた物を口から胃に送るための管状の器官である。食道は更に胃から食べたものが逆流しないようにするメカニズムも備えている。

食道の上部と下部に2つの括約筋があり、食べ物を飲み込むとき規則正しく収縮する。食道が正しく機能しないとき3つの症状が起こる。嚥下障害、胸やけ、及び胸の痛みである。

これらの症状は様々な検査により診断される。

食道機能検査として内視鏡検査、バリウム食道造影、X線検査、食道圧力検査、食道インピーダンス検査、食道pH測定がある。

 

内視鏡検査では食道内部に潰瘍、腫瘍、及び狭窄を映し出すことはできるが、病変の原因を調べることはできない。

 

バリウム食道造影は管腔内病変(悪性腫瘍、潰瘍、憩室、裂孔性ヘルニア、及び狭窄など)、壁内病変(平滑筋腫)、及び食道を圧迫する外因性病変(大動脈、右心房、鎖骨下動脈などの血管侵害又は肺悪性腫瘍、腺症などの充実性病変)についての解剖学的及び病理学的情報を得る。

 

X線検査では液体又は固体の造影剤を使用して蠕動などの運動パターンや食道が食塊をどのように処理しているかを精密に映し出す。

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高血圧治療薬ACE阻害薬とARB

ACE阻害薬とARBは他のクラスの高血圧薬と併用することにより高い効果が得られる。

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作用機序

高血圧治療薬アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬およびアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)はレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系に作用する薬剤である。アンジオテンシンIIとGタンパク質共役受容体(AT1受容体)は、相互作用により高血圧症のみならず臓器損傷を引き起こす。

 

ACE阻害薬

ACE阻害薬はアンジオテンシンIからアンジオテンシンIIへの変換を阻害し、血漿中のアンジオテンシンIIの濃度を急激に低下させる。しかし、治療を継続すると、血漿中のアンジオテンシンIIの濃度は元の値に戻ってしまう(ACEエスケープとよぶ)。ACE阻害薬はアンジオテンシンIIの他経路は遮断しないことによる。

ACE阻害薬は血管拡張作用のあるブラジキニンの代謝を遮断することにより抗高血圧機能を持続させる。この薬剤は腎輸出細動脈を拡大し、糸球体内の圧力を低下させることにより、慢性腎不全患者の腎機能の劣化を遅らせている。

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食道の構造と機能 ― 上部食道括約筋、蠕動運動、下部食道括約筋

食道は食塊を口咽頭から胃に送り、胃に入った食塊が食道に戻ることを防止する。

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credit:  食道の働き、Digestion in Human Beings 3D CBSE Class 7 Science

食道の構造

食道は咽頭から胃に延びた筋性膜性の管路であり、長さは男性では平均24.71cm,女性では平均22.9cmであると言われている。食道は粘膜、粘膜下部組織、それに筋層から構成されているが、漿液層は存在しない。食道の近位部には上部食道括約筋があり、食塊が食道に入ると、この括約筋が開く。蠕動運動で食塊は食道遠位部に送られる。食道と胃の接続部には下部食道括約筋があり、食塊が胃に送られると、この括約筋が開く。

 

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